ジョンミューアトレイルに行ってわかった4つのこと

JMT

7月から8月にかけてヨーロッパ各地のトレイルを歩き周った僕らは、大西洋を渡りアメリカ・カリフォルニアへやってきた。ヨセミテ国立公園などがあるシエラネバダ山脈には数多くの美しいトレイルがあり、その中でも人気が高いのがジョンミューアトレイル(JMT)だ。北はヨセミテバレーから南はアメリカ本土最高峰のマウントホイットニーまで続く全行程210.6マイル(337キロメートル)。今回僕らはその内の3分の1程度を7日間かけて歩いた。

本記事では、実際に行ってわかったジョンミューアトレイルのTipsをお伝えします。

(2016年9月時点の情報です)

目次

その1:パーミットが取得出来たら前後の宿泊先を押さえよう

トレッキングのパーミット取得期間とその出発前日およびトレッキング終了当日は、予約なしでバックパッカーズキャンプを利用できますが、それより前と後の日程は自分で宿泊先を押さえなければいけません。

キャンプグラウンドやホテル等の宿泊施設はシーズン中かなり混雑するので、パーミットが取得できたら早めに前後の宿泊先も予約するのが良いでしょう。特にヨセミテバレーは、かなりの数のキャンプサイトがあるものの、人気が高く早い段階から予約で一杯になります。CAMP4という予約不要で利用出来るキャンプグラウンドもありますが、毎日先着順ですぐ埋まってしまうとのことで、やはり事前に予約していくことがベターだと思います。ネットから予約が可能で、キャンセルもちらほら出るので、すでに予約で一杯でも、随時チェックしていると空きが見つかるかもしれません。

アメリカのキャンプグラウンドは定員が明確に決められており、十分なスペースがあってもそれ以上は受け入れてくれませんのでご注意を。

ヨセミテはビジターセンターの解説も充実していて、シャトルで回れる周辺の見所もいくつかあるので、トレッキング前後に1日滞在して少し観光すると、ジョンミューアトレイルをより深く楽しめるのでおすすめです!

マンモスレイクス到着日に利用したキャンプサイト。こんなにスペースがあるのにこの日はこれで満員

マンモスレイクス到着日に利用したキャンプサイト。こんなにスペースがあるのにこの日はこれで満員

その2:どこでキャンプするかは、どんなキャンプをしたいか次第

決められたルールの範囲内であれば自由にキャンプが出来るのがジョンミューアトレイル。どこでキャンプをするかの考え方は、まずはバックパッカーズキャンプグラウンドにも立ち寄るか、全てワイルドキャンプで通すかが検討ポイントです。

ジョンミューアトレイルの魅力の一つとしてあげられるのが、一定のルールを守れば原則どこにキャンプを張っても良いことでしょう。眺望の良い丘、静かな湖畔、松ヤニの香りがする森の中など、自分だけのお気に入りの場所を見つけて、自分だけのキャンプを張る贅沢さは、日本ではなかなか味わえません。

ワイルドキャンプの場所選びの観点としては、眺望や雰囲気以外に、焚き火ができるかどうかという観点があります。焚き火は、既存のファイヤーサークルがある場所のみで認められており、新たに自分でファイヤサークルを作ることは禁止されています。また、標高10,000フィート以上の場所は全面的に焚き火禁止です。焚き火ができる場所を探すか、眺望や雰囲気の良い場所を選ぶか、どちらを優先するかは人それぞれだと思うので、予め考えておくと良いと思います。

ワイルドキャンプのルールについてはパーミットを受け取る際にビジターセンターで説明があります。また禁止場所の近くには立て看板などで注意喚起があります。

一方、バックパッカーズキャンプグラウンドは、JMTルート上の一部の場所にしかありませんが、トイレや洗面所、ゴミ捨て場などが併設されていて便利です(レッズメドウにはシャワーとランドリーもあり)。フードストレージコンテナもあるので、近くの売店で補給した食糧や日用品のうち、その日の夜と次の日1日分は、ベアーキャニスターに入らなくても夜を過ごせることになります。僕らはベアーキャニスターひとつで二人分の食料をやりくりしていたので、コンテナの容量を気にせず食糧を確保出来るのはありがたかったです。原則パーミットを持っている人しか利用できないので、同じ境遇のトレッカー同士で情報交換をしたり交流したりで賑やかです。

一定の条件を満たせばどこにキャンプを張っても良いのがJMTの魅力のひとつ。自分だけのお気に入りの場所を探す楽しさがある

一定の条件を満たせばどこにキャンプを張っても良いのがJMTの魅力のひとつ。自分だけのお気に入りの場所を探す楽しさがある

JMT

キャンプサイト選び方、なぜ水場から離れた場所でキャンプをするのが良いのかについて説明がなされている

JMT

こちらはキャンプファイヤーに関するルールの説明。枯れ枝・倒木を利用すること、既存のファイヤサークルを使うこと、ゴミは燃やさないこと、等々

その3:秋以降は水場の枯れ具合に注意

秋以降にジョンミューアトレイルを歩く場合は、水場が枯れてる可能性があるので、水を多めに持てるような準備が必要です。また、できればビジターセンターで水場の状況をあらかじめ情報収集出来ると安心です。すれ違うハイカーに確認するのも良い手段でしょう。

僕らは9月頭に歩きましたが、地図上は川があるところが枯れていることも多かったです。特にカセドラルパスからサンライズクリークまでは、水場が少ないので注意が必要です。

なお、渡渉はなく蚊もほとんど気にならなかったのは秋に歩いて良かったところです。

季節によって水量は大きく異なる模様。現地で水場の情報をしっかり確認することをお勧めする

季節によって水量は大きく異なる模様。現地で水場の情報をしっかり確認することをお勧めする

その4:距離だけでなく高低差も考えて1日の行程を決めよう

これはジョンミューアトレイルに限らず、トレッキングの行程を考える上で基本的な事ですが、歩行距離だけでなく高低差も確認して1日の歩く行程を決めるべきです。特に、アメリカでは距離はマイル表示、標高はフィート表示となっていて、いまいちピンと来ない点に注意が必要です。

僕らは最終日、サンライズクリークからハッピーアイルまでを1日で歩きましたが、距離的には約16kmで問題ない想定でしたが、標高差が1000メートルの下りということで、標高が低くなるにつれて高まる暑さと7日間歩き続けた疲労が重なり、思ったより疲れました。特に、ハッピーアイル手前はJMTルートとミストトレイルが並行して走っており、僕らは時間節約のため距離の短いミストトレイルを選択しましたが、急な石段のルートで、登ってくる観光客も多く、かなり時間と体力を要してしまいました。もしかしたら、そのままJMTルートを歩く方が楽だったかもしれません。

ヨセミテバレー近くはかなりの標高差がある。余裕を持った行程を組んでおこう

ヨセミテバレー近くはかなりの標高差がある。余裕を持った行程を組んでおこう

 

ジョンミューアトレイルでのトレッキングで気になることがあればコメント欄に!

ジョンミューアトレイルでのトレッキングって実際どうなの?と気になることがあれば、コメント欄にメッセージいただければ、今回のトレッキングの実体験をもとに、わかる範囲でお答えします!

 

トレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/john-muir-trail1/

https://trailtravelers.net/john-muir-trail2/

https://trailtravelers.net/john-muir-trail3/

https://trailtravelers.net/john-muir-trail4/

準備アクセス等のまとめ記事はこちら

https://trailtravelers.net/john-muir-trail-summary/

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

https://trailtravelers.net/worldtravel-route/

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