地中海を歩く トルコ・リキアンウェイ・トレッキング (2)

Lycian Wayトルコに入って僕らが向かったのは地中海沿いの街フェティエ。トルコの南岸に美しい地中海と古代リキアの遺跡を楽しめるリキアンウェイと呼ばれるロングトレイルがあると聞いてやってきた。初日はフェティエからトルコ屈指の美しいラグーンがあるオリュデニズまでのトレッキング。二日目は、フェティエから東に50キロほどの位置にあるカシュの街を拠点としたトレッキングを行った。

本記事では、二日目のトレッキングレポートをお伝えします。

(トレッキング実施日:2016年6月7日)

 

目次

どことなく落ち着く街カシュから

リキアンウェイ・トレッキング2日目は、フェティエから50キロほど東のカシュの街を拠点としたトレッキングを行った。
 
カシュは、フェティエやオリュデニズと同じように地中海に面した街だが、リゾート地特有の派手さがなく、地元の人の生活と観光産業がうまく溶け込んでいるように感じた。どことなく落ち着く街だ。また、円形劇場などの古代リキアの遺跡があり、歴史を感じる街でもある。
 
落ち着いた雰囲気のある街

落ち着いた雰囲気のある街

カシュの港

カシュの港

チュクルバからカシュへ向かう内陸ルート

カシュの街はリキアンウェイのルート上にあり、昨日と同じように海沿いを歩くルートと、少し内陸から海に向かって歩くルートを選択できる。僕らは後者を選択。カシュの街からローカルバスで、チュクルバまで移動し、そこからカシュに向けて歩く。本来であれば、リキア遺跡があるフェロスから歩き始めたかったが、バスでのアクセスが悪く断念。フェロスに行くためためには、チュクルバからカシュとは反対方向に引き返す必要があったが、今日もかなりの高温になっていたため、無理はしないことにした。(バスの中にあった温度計は36℃を指していた)
 
今日のスタート地点のチュクルバ。カシュ(アンティフェロス)に向けてスタート

今日のスタート地点のチュクルバ。カシュ(アンティフェロス)に向けてスタート

農園地区を抜けて広い荒野を歩く

歩き始めは麦畑が広がる農園地区。しばらくは平坦な農道歩きが続く。途中からは畑が無くなり、広い荒野を歩くような感じになる。昨日とはまた雰囲気の異なる広大なトレイルだ。
 
広大な風景であればあるほど、変化が少なく単調なトレイルでもある。頑張って遺跡があるフェロスまで引き返してから歩くべきだったかとか、昨日のように海沿いのルートを歩くべきだったかとか、そんなことを思いながら歩いた。
 
しばらくはこのような農道歩き

しばらくはこのような農道歩き

仲の良さそうな二頭の馬

仲の良さそうな二頭の馬

途中から何もない荒野に

途中から何もない荒野に

荒野を抜けると断崖絶壁にたどり着く

ネットで拾えるリキアンウェイの情報は少なく、英語のブログや、セルフガイドツアーの情報などを見ながら、今回のルートを決めた。リキアンウェイは全長およそ500kmにもおよぶため、きっと他にも素晴らしいトレイルがたくさんあるのだろう。できることなら時間をかけて全行程をスルーハイクし、古代リキア遺跡も含めたリキアンウエイを楽しんでみたいと思う。
 
そんなことを考えながら広い荒野を歩き続けると、今日も突然絶景が飛び込んできた。ここまでほぼアップダウンのない平坦なトレイルだったが、最後はカシュの街の手前で断崖絶壁になっていた。ここまで歩いて1時間半ほど。
 
昨日の海沿いトレイルとは大きく異なる雰囲気だ

昨日の海沿いトレイルとは大きく異なる雰囲気だ

海風に吹かれながら絶景を堪能

昨日の海沿いのトレイルも見晴らしが良く気持ちが良いものだったが、今日は断崖絶壁。カシュの街を真下に見下ろすため、高度感がすごい。正確な標高はわからないが、200mほどはあっただろうか。
 
絶壁の上から見下ろすオレンジ色の屋根に統一された街は、僕らの思っていたトルコのイメージからは大きくかけ離れたもので、まだ行ったことはないがアドリア海に面したどこかの街のよう。そして、正面にはギリシャであるカステロリゾ島(メイス島)も見える。そして海と空、それぞれ異なる輝かしい青さがまた美しい。
 
下から吹き上げてくる海風に吹かれながら、ここでランチ。しばらくはこの絶景を堪能。
 
真下にカシュの街。高度感がすごい

真下にカシュの街。高度感がすごい

しばらくはこの景色を堪能

しばらくはこの景色を堪能

カシュの街に向けて一気に下っていく

ここからは一気にカシュの街に向けて高度を下げていく。
ちなみにこのあたりは、乾燥した地域だからか、生えている草木はトゲがあるものが多く、不意に触れるとチクチクして痛い。すれ違った白人のハイカーはそんな中を、短パンに上半身裸で歩いていたりするものだから、体の作りが違うんだろうな、と思ってしまう。
 
それなりの高度があったため、降りるのに1時間ほどかかった。
 
カシュの街に向けて下っていく

カシュの街に向けて下っていく

今日のゴール写真

今日のゴール写真

歩き終えて

今日は休憩込みで3時間ほどの軽めなトレッキング。農園地区から広い荒野を歩いている時は変化の少ない風景に少し退屈さを感じたが、最後に現れた断崖絶壁からの絶景はすべてを吹き飛ばすほどの素晴らしいものだった。
 
自らの足でしか辿りつけない場所に、想像以上の絶景があるからトレッキングは感動を呼ぶ。特に事前情報が少なければ少ないほど、出会った時の感動は大きい。誰もが絶景と呼ぶポイントを目指すのも良いが、自分だけの絶景に出会うためのトレッキングも大切にしたいと感じた1日だった。
 
今日の絶景はあの崖の上から

今日の絶景はあの崖の上から

 

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