日本を代表する縦走路 北アルプス表銀座 燕岳・大天井岳・西岳

槍ヶ岳

2015年8月僕ら夫婦は、夏の目標としていた北アルプス表銀座を縦走した。初日は中房温泉登山口から合戦尾根を登って燕岳・燕山荘のテント場泊。二日目は燕山荘から大天井岳を経由しヒュッテ西岳のテント場泊。本来はここから槍ヶ岳を目指すのが正式な表銀座ルートだが今回はお預けで三日目に上高地へ下山した。

日本を代表する縦走路を歩き、テントの中で世界一周の夢を語り合ったTrailTravelers誕生前の旅だ。

目次

北アルプス表銀座の概要

  • 槍ヶ岳を望みながら、森林限界を超える稜線歩きを思う存分楽しめる!
  • ルート上に山小屋・テント場が点在し、自分のスタイルにあった山旅が楽しめる!
  • 行程:中房温泉~合戦小屋~燕山荘・燕岳~大天荘・大天井岳~ヒュッテ西岳~槍沢ロッジ~横尾山荘~上高地
  • 距離:38km
  • 高低差:中房温泉(1462m)〜大天井岳(2922m)〜上高地(1504m)
  • 時間:2泊3日
  • アクセス:(東京から)行きは夜行バスで中房温泉まで、帰りは上高地から高速バス
  • オススメ度:★★★★★

初日:雨交じりの合戦尾根

中房温泉に到着した直後は土砂降りの雨だった。時より雷が聞こえてくるほどの悪天候だったが、準備と腹ごしらえをしているうちに、徐々に雨は止んでいった。合戦尾根は北アルプス三大急登の一つと言われているだけあって、夜行バス明けの重い体にはなかなか堪える。道は整備されており歩きやすいが、この5.5kmの行程は長く感じる。

途中の合戦小屋で名物のスイカを食べ、再び振り出した雨の中、燕山荘をめざした。

合戦尾根 第一ベンチ

北アルプス三大急登の合戦尾根。ちょうど疲れてくる頃にベンチが用意されている!

合戦小屋のスイカ

合戦小屋ではやっぱりスイカでしょ!みずみずしくて美味しかった!

しばらく雨が降り続けたが、燕山荘に着くころには止み、雲の隙間から太陽がのぞきはじめた。燕山荘の周りは様々な高山植物が花を咲かせており、ここまで登ってきたたくさんの来客を出迎えていた。

テントを設営し、自炊したラーメンを食べ終わる頃には、ついに燕岳が姿を現した!感動の瞬間だ。

燕岳は花崗岩からなる独特の山体で、イルカ岩と呼ばれるものをはじめ、様々な形をした奇石がみられる。また高山植物の女王と呼ばれるコマクサの群生地でもある。このように、燕山荘と燕岳の間は見所満載の稜線歩きとなるため、初めて日本アルプスを経験する人にとって強烈な印象を与える。僕も、山歩きにはまったのは、数年前にここ燕岳に来たことがきっかけだ。

燕岳

ついに雲の隙間から顔を出した!燕岳!!

イルカ岩

有名なイルカ岩です〜♪

コマクサ、雷鳥

コマクサの群生地に雷鳥が!!ラッキー!

晩御飯は燕山荘で頂いた。今回の山旅はテント泊&自炊がメインであるが、料理の評判が高く、料理の後にオーナーの談話&角笛の演奏が楽しめることから、この日に限って小屋で頂くことにしたのだ。実際、ハンバーグは美味しく、角笛の演奏も素晴らしかった。

テント泊で食事のみ小屋でいただく事はあまり無いだろうが、こういった特色のある山小屋では有効活用したいテクニックだ。夕食のみ2700円と少々高いが、十分満足できた。

明日からの稜線歩きへの期待に胸を膨らませ、就寝。

燕岳のハンバーグ

ハンバーグ美味しい!そして、ここぞとばかりにご飯はお代わり!

燕山荘の角笛演奏会

オーナーのご主人の角笛演奏風景、みんな見入ってます!

二日目:朝日に照らされ朝を迎える

昨日とは打って変わってすっきりとした天気!今日は終日稜線を歩き続けるため、最高の一日になりそうだ。標高が2,700mを超えるだけあって、冷え込みは厳しかったが、太陽からエネルギーをもらい、朝ごはんを食べ、テントを撤収して、出発!

今日の目的地は西岳のテント場。10キロほどの行程だ。

燕山荘

燕山荘からご来光を待つ人たち。山に来たらやっばりご来光!

燕岳テント場

雲海から太陽が顔を出す。一日のエネルギーが溢れ出す瞬間!

燕岳

燕岳2,763m。花崗岩でできた独特の山体だ

二日目:森林限界を超え美しいハイマツ帯を行く

表銀座ルートは常に槍ヶ岳を望みながら稜線歩きをすることになる。今は、遠くに見える槍ヶ岳が、今日の夕方にはどれくらい大きくなっているのだろう。ワクワクしながら、美しいハイマツ帯を進んでいく。

しばらくは大きなアップダウンもなく気持ちよい稜線歩きができたが、大下りの頭から一度大きく下り、その後中間地点でもある大天井岳へ向かう登りはそこそこの体力が必要だった。大天井岳の頂上を目指さず向かって右側から巻くルートもあるが、今回は大天井岳を経由する左側のルートを選択。

表銀座縦走路

燕山荘から1時間ほどはアップダウンの少ない稜線のため、常時ハイテンションで歩き続けられる!

表銀座縦走路

大下りの頭の手前。ここから一度下って上り返すことになる。槍ヶ岳が正面に望める撮影ポイント

表銀座縦走路

テント2泊の装備でこれくらいの荷物に収まりました!正面に見えるのが大天井岳

大天井岳

大天荘に荷物をデポして頂上まで上がった。片道10分ほど。360度の大パノラマ!

二日目:槍ヶ岳と常念岳を独占する幕営地

大天荘でランチ休憩を取り、西岳に向けて出発!引き続き稜線歩きが続くが、日差しがきつく徐々に体力が奪われていく。また装備の重さからか傷めている左膝に負担がかかり、徐々に痛みが出始めた。それでも、どんどん大きくなってくる槍ヶ岳の姿に興奮しながら、歩き続けることで、今日の目的地である西岳のテント場までたどり着くことができた。

西岳のテント場の利用者は少なく、真正面に槍ヶ岳・穂高岳、背後に常念岳を望むことができる最高の場所を押さえることができた。今日の夜ご飯は最後の晩餐(笑)。持ってきた食料を全部平らげる。燻製をつくったり、アラビアータをつくったり。

西岳

西岳のテント場から、ヒュッテ西岳を眺める

山飯

今日の夜ご飯はアラビアータ!山飯最高!

三日目:槍ヶ岳を目前にして下山

常念岳から上った朝日は、槍ヶ岳・穂高岳を照らす。美しいモルゲンロートだ。表銀座ルートというとここから槍ヶ岳を目指すのが一般ではあるが、僕ら夫婦は本日で下山。未だ槍ヶ岳のピークを踏んだことがない。次回以降へのお楽しみとして今回もとっておこう。

テントを撤収し、出発。西岳から水俣乗越までいき、そこから一気に下るルートを選択。昨日痛みが出始めた膝をかばいながらゆっくり降りる。膝の状態を考えても、槍ヶ岳を目指さなくて正解だった。

途中、槍沢ロッジ、横尾山荘で少しの休憩をはさみ、上高地まで下山した。バス時間までに温泉に入りたいが為に、なかなかのペースで下山。途中トレイルランナーに抜かされるとそれに着いていくくらいのペースで(笑)

モルゲンロートの槍ヶ岳

真っ赤に染まる槍ヶ岳。今日もたっぷりエネルギーをもらいました!

槍ヶ岳

水俣乗越手前から最後の槍ヶ岳を望む。また来るぞ!!

槍ヶ岳

槍ヶ岳、また来るよ!次は登るよー!

槍沢

ここから槍沢に向けて一気に下ります!

槍沢 梓川

槍沢ロッジから横尾に向かう途中の梓川。今日は上高地までずっと梓川沿いを歩きます

上高地

横尾から上高地までは平坦なトレイル。温泉目指してペースアップ!

梓川

旅の終着地の上高地、河童橋に到着!

最後に

日本を代表する縦走路である北アルプス表銀座を2泊3日の行程で歩いた。初日は僕ら夫婦らしく雨だったが、2日目、3日目は気持ちよく晴れ渡り、最高の稜線歩きを楽しむことができた。このルートは危険な箇所が少なく、鎖場・鉄梯子も水俣乗越からの下りの箇所のみのため、2泊以上の山旅に初めてチャレンジするには最適なルートだろう。但し、2,000mを優に超える高山のため、それに見合った装備は必要だし、高山病にも気をつける必要がある。

今回は槍ヶ岳は眺めるだけの山だったが、次回北アルプスに行くときには、是非チャレンジしたい・・かな。他にも北アルプスは行きたい山が沢山あるので、いつになることやら、笑。

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