2016年4月13日から300日間、僕らは夫婦で世界のトレイルを巡る旅に出発しました。アジアから西回りでヨーロッパ、アフリカを巡り、南北アメリカ、オセアニアまで。バックパッカースタイルの世界一周旅行と組み合わせて、海外トレッキングを楽しみました。
本記事では、僕らが訪れた世界のトレイルと旅全体のルートをまとめています。
はじめに ルートの考え方
まずは、行ってみたい世界のトレイルとそのベストシーズンを洗い出し、2016年4月中旬から2017年2月上旬の10ヶ月間という期間の中に当てはめて、訪れる地域(大陸)と主要なトレイルの順番を大まかに決めました。
次に、それぞれのトレイルへのアクセスを考えながら、トレッキングだけでなく旅行・観光の観点からも、ルート周辺で行ってみたい国や地域をプラスしました。
300日間という期限を切ったため、時間効率を優先し、移動は飛行機を多用。またロングトレイルも全てを歩くことにこだわらずセクションハイクを行い、その代わりにより多くのトレイルを歩く方針としました。
訪れた国まとめ
こうして検討した、僕らの旅のルートは、大きくは西廻りで、前半は主に北半球の夏、後半は南半球の夏を、トレッキングしてまわるルートになりました。
旅先での様子はInstagramにもアップしていますので、宜しければご覧ください。
また歩いたトレイルの一部を90秒の動画にまとめました。旅の雰囲気が伝わればと思います。
アジア編(2016年4月中旬から6月中旬、2017年2月初旬)
タイからネパール、インドの後、キルギス、ウズベキスタン、ジョージア、と中央アジアを横断しトルコへ。食べ物や建物、人の顔が、アジアの雰囲気がだんだん薄まり、代わりにヨーロッパの雰囲気がだんだん濃くなっていく様子が印象的でした(ジョージアとトルコは、アジアかヨーロッパかという論点がありますが、こちらに含めました)。
そして世界一周の最後の訪問国は、ぐるっと地球を回って再びアジア。帰国前に1週間弱シンガポールでゆっくり過ごしました。
- 訪れた国: 8カ国
- 歩いたトレイル: 6カ所
- 歩いた合計日数: 19日間
- アンナプルナ10日、ラダック1日、アルティンアラシャン2日、カズベキ1日、リキアンウェイ2日、カッパドキア3日
アジア編の各国詳細はこちら
ヨーロッパ編(2016年6月中旬から8月下旬、9月下旬)
ギリシャでから陸路でアルバニアを経由してモンテネグロ、クロアチア、スロベニア、とバルカン半島の国々を訪問。その後オーストリアを挟み、モンブラン周辺のフランス、イタリア、スイスを訪れました。更にスイスを縦断して、北欧はスウェーデン、ノルウェー、アイスランドに。
トレッキングシーズンの関係で一度アメリカを挟んだ後、オランダ、ポルトガル、スペインへ。
物価が高めのヨーロッパですが、自炊をしたりテントでキャンプしたりして工夫をしながら、気づけばシェンゲン協定の90日間をほぼフルで滞在し、トレッキングを満喫しました。
- 訪れた国: 15カ国
- 歩いたトレイル: 12カ所
- 歩いた合計日数: 30日間
- サマリア渓谷1日、ドゥルミトル1日、トリグラウ3日、ツールドュモンブラン6日、グリンデルワルト2日、クングスレーデン7日、ロフォーテン諸島2日、プレーケストーレン1日、ロイガヴェーグル4日、ロウザン1日、ロカ岬1日、モンセラット1日
ヨーロッパ編の各国詳細はこちら
南北アメリカ編(2016年9月上旬、11月上旬〜12月下旬)
ヨーロッパの旅程を少し残しつつ、トレッキングシーズンの関係で一度アメリカへ。世界一周旅行的には極めて非効率な動き方ですが、季節が最優先です。今回はアメリカのジョンミューアトレイルを歩きましたが、カナダも含めて北米には素晴らしいトレイルがまだまだたくさん。ぜひまたトレッキングしに訪れたい場所です。
一度、ヨーロッパに戻り、アフリカを歩いた後、11月上旬より南米ペルー、アルゼンチン、チリへ。ペルーではブランカ山群サンタクルス谷やマチュピチュ、チリ・アルゼンチンのパタゴニアなどをトレッキングしました。
また12月下旬に、南米からオセアニアに移動する途中にハワイ・オアフ島に立ち寄りました。
- 訪れた国:5カ国
- 歩いたトレイル:9カ所
- 歩いた合計日数:23日間
- ジョンミューアトレイル7日、サンタクルス谷4日、マチュピチュ・ワイナピチュ1日、フィッツロイ・セロトーレ3日、ペリトモレノ氷河1日、パイネ国立公園4日、ケアリア1日、アイオアループ1日、クリオウオウリッジ1日
南北アメリカ編の各国詳細はこちら
アフリカ編(2016年10月上旬から11月上旬)
スペインからジブラルタル海峡を渡ってモロッコへ。一度スペインに戻り、アラブ首長国連邦ドバイ経由で南アフリカ共和国へ。陸路でレソトに入国し、その後飛行機でケニアを訪れました。トレッキングはモロッコ、南アフリカ共和国、レソトの各国を歩きました。キャメルトレッキングやホーストレッキングにも挑戦。
アフリカの後は、カナダを経由して南米へ
- 訪れた国: 5カ国(中東を含む)
- 歩いたトレイル: 5カ所
- 歩いた合計日数: 9日間
- テーブルマウンテン1日、ケープポイント1日、ジャイアンツカップトレイル5日、サニパス1日、セモンコン1日
アフリカ編の各国詳細はこちら
オセアニア編(2016年12月末から2月初旬)
世界のトレイルを巡る旅、五大陸の最後はオセアニア。南半球の夏真っ盛りのニュージーランドとオーストラリアでトレッキングを満喫しました。
ちょうど年末年始が重なったニュージーランドではたくさんの日本人観光客、オーストラリアではワーキングホリデーで滞在している日本人を見かけ、アフリカ、南米ではなかなか聞くことのなかった日本語に、ちょっと新鮮な気持ちで過ごしました。
行きたかったロングトレイルをたっぷり歩いた後は、シンガポールで少しだけゆっくりし、その後は遂に帰国です。
- 訪れた国:2カ国
- 歩いたトレイル:8カ所
- 歩いた合計日数:20日間
- ルートバーントラック3日、グリーンストーントラック2日、トンガリロ・ノーザンサーキット4日、マウントクック・フッカーバレー1日、マウントクック・ミューラーハット2日、テカポ・マウントジョン1日、ワナカ・マウントアイロン1日、オーバーランドトラック6日
オセアニア編の各国詳細はこちら
おわりに ルート作りで思うこと
僕らは旅に出る直前までバリバリ仕事をしていたため、訪れる大陸と主要なトレイルだけを大まかに決めて、後は旅をしながら詳細を検討していきました。日々情報収集とプランニングに追われ疲れてしまうこともありましたが、旅先で出会った人や現地の情報も参考に、柔軟にルートを作ることができ良かったと思います。
旅が進むにつれ、自分たちの好みもより自覚できるようになり、僕らとして行くべき街やトレイル、移動方法や宿を選ぶ精度も上がってきました。後半の方が自分たちが心地良いペースで旅が出来ています。
世界のトレイルについてはいろいろと類型化出来そうな気がしているので、また整理してみたいと思います。
(参考)大公開!行って良かった海外トレイルベスト3
(参考)大公開!世界一周海外トレッキングの旅でかかった費用
コメント
コメント一覧 (8件)
楽しく読ませてもらっています。ありがとうございます。
質問させてもらってもいいでしょうか。タスマニアのオーバーランドの時が一番長いようですが、荷物は何キロでしたか?
かいさん、コメントありがとうございます。ざっくりの重量(二人分)ですが、食料約7キロ、水1キロ、ザック・テント・寝袋・調理器具・燃料等で約10キロ、カメラ・レンズ・バッテリー約2キロ、衣類(着用しているものを含む)で約5キロ、靴・サンダルで約1キロ、化粧品・日焼け止め・虫除け等で約1キロで合計約27キロ程度かと思います。これから着用している衣類・シューズと、手持ちのカメラ等を覗くと24キロくらいになり、これを二人で分散して背負いました。トレッキングに必要のない荷物(10キロくらい?)は、前後に宿泊していたゲストハウスに預けました。
trailtravelersさん
ご回答下さって本当にありがとうございます。細かく教えて頂き、大変参考になりました。タスマニアのオーバーランドはどうしても行きたい場所です。trailtravelersのサイトを何度も読ませて頂いております。ありがとうございました。
こんにちは。
ロカ岬のトレッキングを参考にさせてもらってます。
今日一人で同じルートを行ってみます。
ただの報告ですが、後3日リスボンにいるので経験を教えて頂ければと思います。
まえださん、こんにちは。
ロカ岬行かれるんですね!参考になれば幸いです。
リスボンでは、発見のモニュメントやベレンの塔とその近くのエッグタルトのお店に行ったり、サンジョルジェ城方面に散歩に行ったりしました。
魚介料理も美味しかったので、オススメです。
こんちには。
現行のカスケード65はどうでしたでしょうか?参考までに教えてください。
とてもしっかりとした作りのザックで、荷物をたくさん入れても、安定して歩けました。生地の耐久性、耐水性もある点もよかったですよ。
背中にフレームが入っていてしっかりしている分、少し重いのが難点でしょうか。
返信ありがとうございます。
購入してみたいと思います。とても興味ある記事をありがとうございます。楽しかったです。