スロベニアはユリアンアルプスにあるトリグラウ国立公園。ここにはセブンレイクと呼ばれる7つの美しい氷河湖や、スロベニア最高峰のトリグラウがあり、穏やかな牧草地から、いくつもの紺碧の湖、荒涼とした石灰岩のトレイルまで様々な表情を楽しむことができる。今回はトリグラウ国立公園の中を2泊3日でトレッキングを行った。
本記事では、初日のトレッキングレポートをお伝えします。
(トレッキング実施日:2016年7月8日)
目次
拠点は「アルプスの瞳」と称されるブレッド湖
トリグラウ国立公園はスロベニアの北西部にある。スロベニアの首都リュブリャナからバスで1時間半ほどの場所に、湖に教会が浮かぶブレッドという美しい町があり、トリグラウ国立公園はさらにその先にある。
僕らはトレッキング前日にブレッドの町に入り、ここをトレッキングの拠点とした。ブレッド湖はスロベニアで一番の観光名所とのことで、たくさんの観光客で賑わっていた。ブレッドがてっきりトリグラウ登山を目指すトレッカーだらけの町だと思い込んでいた僕らは、登山客ではない観光客の多さに驚いてしまった。
ブレッド湖は、湖に教会が浮かぶその美しい姿から「アルプスの瞳」と称され、スロベニア有数のレイクリゾートとして人気の場所だという。
ボーヒン湖西岸がスタート地点
ブレッド湖からさらにバスで40分ほど行ったボーヒン湖Bohinsko Jezero西岸のウカンツUkanc(560m)が今回のトレッキングのスタート地点。軽く朝食をとり、まずはここからサヴィツァ滝の手前にある山小屋Koca pri Savici(653m)まで1時間ほど緩やかな林道を歩く。
Koca Pri Savici小屋に到着する少し手前に分岐があり、北側に登山道が伸びるが、トイレ休憩をとるため、小屋まで進む。サヴィツァ滝は観光地となっており、ここまで車でアクセス可能。バスも本数が少ないが、ここまで来るものがあったようだ。ちょうどバスが止まっており、ちょっとだけショックを受ける、笑。1時間遅いバスがここまで来るバスだった模様。この先の行程が長いため、できればここまでバスでアクセスすることをオススメする。
高低差500mほどの絶壁の急登
休憩を済ませ、いよいよ本格的な登山道に入っていく。ここからは地獄のような急登だった、笑。遠くから見るとほとんど絶壁のようなところをジグザグに登っていく。Koca Pri Savici小屋の標高が653mで1200mくらいの高さまでそれが続くのだ。曇り空で日差しがなかったことが唯一の救いだったが、僕らにとってなかなかタフな登りだった。
次のポイントまで標準コースタイムで1時間45分と示されていたところ、僕らは3時間もかかってしまった。そもそもヨーロッパの標準コースタイムは日本人にとってかなりタイトなものである上に、今回は荷物が多いのも要因。現地のハイカーは僕らと比較するとかなり身軽な装備で、カモシカのように登って行った。
秘境感漂う神秘的な湖
地獄のような急登の先にあったのは、黒い湖と呼ばれる直径150mほどの湖。モンテネグロのドゥルミトルにも同じ名前の湖があったが、こちらの方が、秘境感の漂う神秘的な湖に感じた。絶壁を登った先にあり、さらに周りを高い岩山に囲まれ、外界から遮断されたロケーションにあるからだろうか。
黒い湖を目の前に、遅めのランチ休憩。1時間ほどこの静かで落ち着いた湖を眺め、出発。
ここからは急登ではなくなるが、それなりの登りが続く。ジャングルのような苔むしたトレイルから、お花畑のようなトレイルなど、少しずつ雰囲気は変化していった。
今日のゴールは湖のそばの山小屋
2時間ほど登り続けると、見通しの良いトレイルに変わり、セブンレイクと呼ばれるエリアに入る。少しすると遠くに今日の目的地、Koca pri Triglavskih jezerih小屋(1,685m)が見えてきた!手前には湖があり、美しいロケーションにある。
9時20分に歩き始め、途中何度か長い休憩を取ったものの、到着は17時15分となった。日没は21時頃で、僕らよりも後にたくさんの客が到着してきた。
素泊まりで一人24.27ユーロ(税込)。食事は別途オーダー可能。僕らが泊まったのは2段ベッドが6台入った12人部屋のドミトリーで、このような部屋が複数あるようだった。トイレも綺麗で、有料だがシャワーも浴びることができる過ごしやすい小屋だった。
(二日目に続く)
(三日目のレポートはこちら)
コメント