七つの湖と三つの頂 スロベニア トリグラウ国立公園トレッキング(3)

Trigravスロベニアはユリアンアルプスにあるトリグラウ国立公園。ここにはセブンレイクと呼ばれる7つの美しい氷河湖や、スロベニア最高峰のトリグラウがあり、穏やかな牧草地から、いくつもの紺碧の湖、荒涼とした石灰岩のトレイルまで様々な表情を楽しむことができる。今回はトリグラウ国立公園の中を2泊3日でトレッキングを行った。

本記事では、三日目のトレッキングレポートをお伝えします。

(トレッキング実施日:2016年7月10日)

目次

顔を出した三つの頂

今日の天気は快晴で、昨日は雲がかかって見えなかったトリグラウが綺麗に顔を出している。スロベニアの国旗にも描かれている三つの頂も確認できる。カメラの望遠レンズからは、右手に見える小トリグラウの岩壁に列をなして登る登山者や、小トリグラウからトリグラウまでの岩稜を進む登山者が見えた。
 
トリグラウは、スロベニア人なら一生に一度は登るべき山と言われているらしいが、難易度は相当高い。ヘルメットとザイルをつけて登るような岩稜に挑戦しなければならない(富士山に登るのではなく、北アルプスの岩稜を歩く感じだ)。
 
スロベニア最高峰トリグラウ。3つの頂が確認できる

スロベニア最高峰トリグラウ。3つの頂が確認できる

トリグラウに挨拶をし、下山開始

トリグラウに挨拶をし、下山開始

長い下りの始まり

小屋から少しの間、眺望の良いトレイルを歩くが、やがて樹林帯に入っていく。今日は下るのみだが、思いのほか大変だった。距離があることに加え、下山するボーヒン湖東岸の標高は550mほどで、標高差で1,300mほど降りなければならないからだ。トレッキング3日目の疲れもあり、下りなのになかなかペースは上がらなかった。
 
樹林帯に入ってしまうと景色に変化が少なく、「こちら側から登ったらもっとしんどかったね」などと話をしながら、ゆっくりと下った(今回僕らは、ボーヒン湖西岸から登り始め、セブンレイクを経由してからトリグラウの麓まで行き、ボーヒン湖東岸に降りる時計回りのルートで歩いた)。
 
このような樹林帯の中を下り続ける

このような樹林帯の中を下り続ける

標高が下がってくるとこのような美しい草原地帯も

標高が下がってくるとこのような美しい草原地帯も

ランチ休憩でスロベニア料理

4時間ほど下ってようやく広い牧草地にたどり着く。Voje Valleyと呼ばれる場所だ。ここまで来ると、ボーヒン湖方面から家族連れのハイキングやマウンテンバイクで訪れる人も増え、賑やかになる。ここにあるSlap小屋でランチ休憩。昨日の小屋で食べられなかったスロベニア名物ソーセージ&ザワークラウトを食べる(ソーセージは美味しかったが、ザワークラウトがしょっぱく、その後しばらく喉が渇いて大変だった、笑)。
 
ここまで来ると標高的には下りきったという思いから、ちゃんとしたご飯を食べてしまったこともあって、気持ち的にはゴールしてしまった。しかし、ここから先、ボーヒン湖までが思ったより遠かった。今、地図を見ても、ランチを食べたSlap小屋がまだ中間地点で、ここからかなり歩かなければならないことがわかる。
 
ランチ休憩をとったSlap小屋

ランチ休憩をとったSlap小屋

念願のソーセージ&ザワークラウト!パンも美味しかった

念願のソーセージ&ザワークラウト!パンも美味しかった

最後は渓谷を抜けてゴール

牧草地を抜けると、Korita Mostnice小屋に着く。ここからまたトレイルに入り、渓谷沿いを下っていく。ここはMostnice Gorgeという観光名所で、ハイキングや、川遊びに訪れている家族連れがたくさんいた。
 
ボーヒン湖手前の登山口に着いたのが15時。Slap小屋を出てから2時間半歩いたことになる、苦笑。バス停までさらに40分ほど歩き、バスが到着するまでアイスを食べて3日間のトレッキングのゴールを祝った!
 
Mostnice Gorgeという渓谷を抜けていく

Mostnice Gorgeという渓谷を抜けていく

渓谷に架かる橋を渡っていく

渓谷に架かる橋を渡っていく

水がきれいで川遊びをしている人もたくさんいた

水がきれいで川遊びをしている人もたくさんいた

歩き終えて

今回は久々に泊まりがけ登山の装備を背負って山に入った。重い荷物によりペースダウンを余儀なくされ、朝から夕方まで歩き続ける体力的にはしんどいトレッキングだった。
 
しかしながら、紺碧のセブンレイク、氷河が削り出した広大なモレーン、雪渓と石灰岩だけの荒涼とした風景、そして雄大なトリグラウの眺めなど、終わってみれば3日間通して変化のある景色が印象深いトレイルだった。
 
一通りの装備を背負って3日間歩いたことも、この次に歩くツール・ドュ・モンブランに向けて良い足馴らしになっただろう! 
 
 (初日、二日目のレポートはこちら)

アクセス、ルート、気候や装備などのまとめ記事はちら

https://trailtravelers.net/triglav-summary/

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