ヨーロッパアルプス、モンブラン山群の周りをフランス、イタリア、スイスの3ヵ国にまたがる形で全長160〜170kmのトレッキングコースが整備されている。これがツール・ド・モンブラン(TMB)だ。トレイルランニングの大会UTMBでも有名なこのトレイルは僕らにとっても憧れの場所。今回は部分的ではあるが6日間かけてTMBを歩いた。
本記事では、フランス部分を歩いた初日と2日目のトレッキングレポートをお伝えします。
(トレッキング実施日:2016年7月16日、17日)
目次
Day 1 概要
- スタート地点 モンロックMontroc
- ゴール地点 シェズリー湖Lacs des Cheserys
- 13:10出発 18:30到着
- 行動時間 約5時間20分(休憩込み)※標準コースタイムは約3時間20分
- 距離 約5km
憧れの地シャモニー
フランス・シャモニー、ここはヨーロッパアルプス有数の山岳リゾートで、トレイルランニングの大会UTMBのスタート・ゴール地点でもある。ヨーロッパアルプスを歩くにあたり僕らも迷わず、この地を目指した。
トレッキング前日、シャモニーの街でキャンプ用具一式を調達した。これまでは山小屋泊または日帰りでトレッキングを行なってきたが、今後はテント泊も含めてトレッキングを行うためだ。物価が高い国での宿泊費を抑える目的もある。
早速シャモニーのキャンプ場Camping de L’lle des Barratsで、テントを張り、トレッキング当日を迎えた。
モンロックが僕らのTMBスタート地点
僕らのTMBスタート地点は、シャモニーの北、モンロックMontroc(1,363m)。モンブラン山群を中心として時計の針に例えると、11時のあたりだ。ここから反時計回りに歩き始める。
TMBはシャモニーの南、レズーシュLes Houchesから反時計回りに歩き始める人が多いと聞くが、僕らは天気の良いうちにシャモニー谷を眺めながら歩きたかったため、この場所をスタート地点にした。
眺望を優先してモンテ峠から登る
モンロックはちょうど谷底にあり、少し進んだモンテ峠Col des Montets(1,461m)から一気に登っていくことになる。ちなみに正規のTMBはモンテ峠手前のトレ・ル・シャンTré-le-Champから緩やかに登るルートを通るが、今回は展望を優先してモンテ峠から登るルートを選択した。
このルートは急登だが、始めから眺望が良い。振り返ると、谷を挟んで反対側の山群が良く見える。はじめて見る氷河を抱えた山の姿に興奮しながら登っていく。
モンブラン山群を見渡せる好展望のトラバース道
徐々に傾斜は緩くなり、モンブラン山群を見渡せるトラバース道となっていく。雲一つ無い快晴に恵まれ、最高の展望が続いた。
この辺りは展望が良いだけでなく、真っ赤に咲くアルペンローゼや、途中で何頭ものアイベックスが顔を見せるなど、変化に富んだトレイルだった。
ただし、今回はキャンプ用具一式を背負うなど、いつも以上に荷物が重いということもあってか、コースタイムの1.5倍ほどの時間がかかっていた。
初日はシェズリー湖手前で野営
今日の目的地は、ラック・ブラン小屋Ref. du Lac Blanc(2,352m)。モンブラン山群の好展望で人気の小屋だ。ただし、小屋泊ではなく、近くにテントを張って野営する予定。
18:30過ぎ、ラック・ブラン手前のシェズリー湖Lacs des Cheserys(2,133m)に到着。幾つかテントが張ってある。ラック・ブランまではあと少しだが、ここからかなり急な登りのため、僕らもこのあたりを野営場所として決定。荷物を置いてからラック・ブランまで上がることにした。
結果的にこの場所で正解だった。
ラック・ブランの湖は大半がまだ雪で覆われており、ベストな眺望が得られそうになく、またこの近くにテントを張るのはかなり寒そうであったからだ(実際、野営している人のほとんどがシェズリー湖近辺で行なっているようだった)。
モンブランを眺めながら就寝
夕日に照らされるモンブランを眺めながら、晩ご飯を自炊。今日一日の素晴らしいトレイルを思い返しながらテントにて就寝。
夜、テントから外を覗くと、月明かりに照らされた美しいモンブランを眺めることができた。
Day 2 概要
- スタート地点 シェズリー湖Lacs des Chesrys
- ゴール地点 プランプラPlanpraz
- 9:30出発 16:30到着 ※道迷いしたため参考扱い
- 行動時間 約7時間00分(道迷い・休憩込み)※標準コースタイムは約3時間20分
- 距離 約8km
地図に記載のない道を進み大幅ロス
2日目も快晴。朝は美しいモンブランを眺めながら、ゆっくり準備して出発。野営場所のシェズリー湖からラック・ブラン小屋へは急登であり、昨日訪れたことから今日は登らず、手前の分岐まで少し引き返して、歩き始めることにした。
少し戻り遠回りとなることから、地図には記載がないが踏み跡のある近道と思われるトレイルを発見し、こちらに進むことにした。しかし、途中から沢沿いの滑りやすい急な下り坂となり、これ以上進むのは危険と判断して、結局引き返すというミスを犯してしまった。時間にして1時間以上はロスしただろう。
ハイカーとトレイルランナーで賑わう好展望トラバース道
なんとか本道に戻り、気を取り直して、昨日に引き続き、モンブラン山群を眺める好展望のトラバース道を歩く。
ちょうどこの日と前日は土日で、さらにこの週末はフランスの建国記念日の祝日も含めた連休ということもあってか、僕らが2日間かけて歩いたモンテ峠からプランプラPlanprazまでのトレイルを歩いている人がとても多かった。このトレイルはシャモニー方面からケーブルカーで2,000m前後まで一気に上がることができるため、日帰りトレッキングにも人気があるルート。そして、その中でもトレイルランニングスタイルの人が目立っていた。UTMBの大会まで後1カ月という時期でもあり、トレーニングや試走に来ているのだろう。
予定を変更し、シャモニーの街に降りる
今日はレズーシュの街まで進み、そこにあるキャンプサイトに宿泊する予定だったが、途中ルート間違いによるロス(精神的ダメージも・・)もあって、コースタイム通りに進むことができていないことから、プランプラからケーブルカーでシャモニーに降りて、もともと泊まっていたキャンプサイトに宿泊することにした。
プランプラの先にある、シャモニー谷の反対側まで見渡せる好展望と聞いていたブレヴァン展望台Le Brévent(2,525m)まで上がることが出来なかったことが心残りであったが、今後の行程を仕切り直す意味でも、これ以上無理に進まず、一旦シャモニーに降りることが良いだろうと判断した。
TMB Day1〜2のハイライトと改善点
<ハイライト>
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氷河を抱えた迫力のある山群!!
初めて見る景観に大興奮、水色に輝く氷河
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シェズリー湖からのモンブランの眺め(夕方も!夜も!朝も!)
今回TMBを歩いた中で一番お気に入りの景色のひとつ -
日本ではなかなか味わえない野営/ワイルドキャンプ!!
モンブランを眺める絶景ポイントがワイルドキャンプデビューなんて贅沢
<改善点>
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地図に記載のないトレイルは歩かない
行けそうに見えても道がないところにはやっぱり行けない・・・ -
キャンプ用具追加に伴い荷物の軽量化を徹底する
もっとサクサク歩けると思っていた・・・ -
余裕を持った行程プランニングをする
憧れのTMB、欲張りすぎて詰め込みすぎの行程だった・・・
TMBイタリア編、TMBスイス編のレポートはこちら
https://trailtravelers.net/tour-du-montblanc-2/
https://trailtravelers.net/tour-du-montblanc-3/
TMBへの準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊等のまとめはこちら
https://trailtravelers.net/tmb-summary/
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