美しい渓谷から始まり、湖と滝、森林限界を超えた山岳エリアまで多様な風景を楽しめるルートバーントラック。苔生すブナの原生林、谷底に広がる草原と清流、のどかな風景を楽しめるグリーンストーントラック。この二つの人気トラックを繋げて、四泊五日のトレッキングを行った。
ルートバーントラックを歩いた二日目のトレッキングレポートです。
(トレッキング実施日:2017年1月8日)
Day2 概要
- スタート地点 ルートバーンフラッツキャンプ場
- 途中、ハリスサドルからコニカルヒルへサイドトリップ
- ゴール地点 マッケンジー湖キャンプ場
- 9時55分出発 18時20分到着(休憩込み)
- 行動時間 6時間00分(休憩除く)
- 距離 13.6km
急登を登りルートバーンフォールズヘ
雨露で濡れたテントを片付け、10時前に出発。今日はハリスサドルという峠を越えて、マッケンジー湖にあるキャンプ場まで歩く高低差のある一日。森林限界を越えて山岳エリアを歩く、ルートバーントラックのハイライトと言える行程だ。
昨日はほぼフラットな行程だったが、今日は歩き始めてすぐに登り坂となる。昨日に引き続き、シダ植物とコケ植物、そしてブナが美しい森の中を登っていく。しばらくは眺望がないが、吊り橋を越え少し進んだあたりで、眼下にルートバーンフラッツの壮大な景色が広がる。1994年に発生した崖くずれによって、斜面に生えていた木々が崩落し、視界が開けたという。

トレッキング二日目のスタート!

今日は垰越えの一日。早速、登り坂が始まる

しばらくは眺望のない登り坂だったが、途中で視界が開ける。眼下に見えるのは昨日宿泊したルートバーンフラッツ

ルートバーンフォールズハット。前日の宿泊者は全員出発済みで誰もいなかった。ここで少しだけ休憩をとって、先へ進んだ
森林限界を越え本格的な山岳ルートへ
ルートバーンフォールズハットから先は森林限界を越える。森は姿を消し、代わりにタソックという膝丈ほどの草を中心とした高山植物帯となる。マウンテンデイジーやマウントクックバターカップが美しい。
森林限界を抜けると天気の悪さが際立ってきた。苔生す森は多少の雨で潤っていた方が美しいが、高山植物帯は太陽に照らされた方がきっと美しいだろう。

森林限界を抜け、山岳エリアの風景に。どんよりとした雲がかかる

この辺りはマウンテンデイジーやマウントクックバターカップなど数種類の花が見られ、楽しく歩くことができた

振り返って登ってきたルートバーン渓谷を眺める
ハリス湖とルートバーン渓谷の眺め
あれだけ厚く垂れ込めていた雲だが、時折雲間から青空が見え隠れするようになった。高度を上げていくと右手に大きな湖、ハリス湖が見えてきた。顔を出した太陽の光を受けて、湖面は青や緑に色を変えた。
湖の奥には岩がむき出しの険しい山が迫る。ルートバーントラックらしい迫力のある山岳エリアを歩いていく。しかし危険な箇所はなく歩きやすい道が続く。さすがグレートウォークとして人気のトレイルだ。

ハリス湖の脇を登っていく頃には、少しずつ日差しが差し込むようになった

ハリス湖は太陽に照らされて、青色や緑色に輝いていた

気がつけば本格的な山岳エリア。力強い山々はものすごい迫力だ
ハリスサドルの向こうは雲上トレイル
ハリス湖を越えると大小の湖が点在するエリアとなり、その先にハリスサドルの避難小屋が見えてくる。
ハリスサドルからは、コニカルヒルと呼ばれるビューポイントまで、往復1〜2時間ほどのサイドトリップルートがある。僕らも避難小屋に荷物を置いて、コニカルヒルへ向かったものの、標高を上げるとガスの中に入り、残念ながら期待した眺望は得られなかった。
ハリスサドルから先は、眼下にホリフォード渓谷を見下ろす気持ちの良いトラバース道。僕らよりも低い位置に雲が漂い、まるで雲上のトレイルだ!

ハリスサドルの避難小屋。ここに荷物を置いてコニカルヒルを目指す人も多い

ハリスサドルから先はアップダウンの少ないトラバース道。高度感のある雲上トレイルだ

ホリフォード渓谷を見下ろしながら気持ちよく歩く
緑色に輝くマッケンジー湖
高度感のあるトラバース道は思ったよりも長く、少し歩き疲れてきた頃、ようやく眼下に緑色に輝く湖が見えてきた。本日の目的地マッケンジー湖だ。
ここから高度を一気に下げていく。森林限界から再び原生林の中へ入っていく。

マッケンジー湖。その側にはマッケンジーハットが見える

マッケンジー湖目指して、ここから一気に下っていく
苔生す原生林
そこは見たこともないほどの大量の苔で覆われた世界だった。大小様々な大きさの木々が生い茂る原生林。しっとりひんやりした空気が流れ込む。
ここの幻想的な苔の世界は、屋久島以上では無いかと思う。苔の種類も様々、きっとものすごい数なのだろう。
苔の世界を抜けると、本日の目的地マッケンジー湖に到着。キャンプ場は山小屋から10分ほど離れた場所にあった。

森に入ると一面が苔の世界だった

多種の苔が織りなす複雑な緑色

原生林を抜けるとマッケンジー湖畔へ。キャンプ場はここからさらに湖沿いを進んだ場所にある
ハイライトと改善点
<ハイライト>
-
森林限界を越えた山岳エリアの風景
雨混じりの厳しいコンディションの中、森林限界を突破し山岳エリアへ
はじめは厚い雲で覆われていたが、やがて太陽が顔を出すと、荒々しい山々、静かに佇む湖、白や黄色の高山植物など全ての風景が、目を覚ましたかのように輝き始めた!
<改善点>
-
特になし!
初日、三日目、四日目・五日目のトレッキングレポートはこちら
https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone1/
https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone3/
https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone4/
トレッキングルート、アクセスと準備、気候と装備、食事と宿泊等のまとめ記事はこちら
https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone-summary/
実際に行ってわかったことはこちら
https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone-tips/
コメント