オーストラリア タスマニア オーバーランドトラック トレッキングまとめ

オーストラリア・タスマニア島、世界自然遺産に指定されているタスマニア原生地の最深部を歩く65kmのトレッキングルート・オーバーランドトラック。ボタングラスの草原にユーカリの木々、ゴンドワナ時代からの太古の森、そしてウォンバットやワラビーなどの野生動物、ここは毎日が見知らぬ動植物との出会いの連続。僕らはこの大自然でこの旅最後となる五泊六日のトレッキングを行った。

本記事では、オーバーランドトラックでのトレッキングのまとめとして、ルート、準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊、などについてレポートします。

(2017年1月時点の情報です)

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オーバーランドトラックとは

オーストラリアのタスマニア島にあるトレッキングルート。世界遺産に登録されているエリアで、独特の形をした岩峰、広大な温帯雨林、滝や氷河湖、ワラビーやウォンバット、ハリモグラといった野生動物等が楽しめます。僕らは五泊六日で歩きました。

大自然の中を歩くオーバーランドトラックを象徴する風景

トレッキングルート

北のクレイドルマウンテンから南のセントクレア湖までの全長65km(ナルキサス〜シンシアベイを歩く場合は+17.5km)。トレイルはきちんと整備され、迷うところはありません。コース上にはいくつかのサイドトリップもあります。ブッキングシーズンと呼ばれるハイシーズンは10月1日から5月31日。この期間は北から南へ歩く一方通行しか認められていません。ベストシーズンは11月から4月。通常はサイドトリップルートを巡りながら六日程度で歩くのが一般的ですが、ファストパッキングで三〜四日で歩くことも可能です。

なお、クレイドルマウンテンやセントクレア湖周辺では、日帰りのトレッキングコースも整備されています。

以下が標準的な行程です。七日目の行程はフェリーでショートカットすることができるため、六日間が一般的です。

  • 初日  ロニークリーク 〜 ウォーターフォールバレー(10.7km)
    • 主なサイドトリップ:クレイドルマウンテン、バーンブラフ
  • 二日目 ウォーターフォールバレー 〜 レイクウィンダミア(7.8km)
    • 主なサイドトリップ:ウィル湖
  • 三日目 レイクウィンダミア 〜 ペリオン(16.8km)
  • 四日目 ペリオン 〜 キアオラ(8.6km)
    • 主なサイドトリップ:マウントオッサ、ペリオンイースト
  • 五日目 キアオラ 〜 ウィンディリッジ(バートニコルスハット)(9.6km)
    • 主なサイドトリップ:ダルトン滝とファーガソン滝、ハートネット滝
  • 六日目 ウィンディリッジ 〜 ナルキサス(9.0km)
  • 七日目 ナルキサス 〜 シンシアベイ(セントクレアビジターセンター)(17.5km)
    • 七日目はフェリーでショートカット可能

トレッキングレポートはこちら

タスマニアの原生地 オーストラリア オーバーランドトラック(1)
タスマニア島・オーバーランドトラック。初日ロニークリークからウォーターフォールバレーまでの約10.7kmのトレッキングレポートです。途中クレイドルマウンテンへのサイドトリップも実施
タスマニアの原生地 オーストラリア オーバーランドトラック(2)
タスマニア島・オーバーランドトラック。二日目ウォーターフォールバレーからウィンダミア湖までの約7.8kmのトレッキングレポートです。
タスマニアの原生地 オーストラリア オーバーランドトラック(3)
タスマニア島・オーバーランドトラック。三日目ウィンダミア湖からペリオンハットまでの約16.8kmのトレッキングレポートです。途中ワラビーの親子にも遭遇。
タスマニアの原生地 オーストラリア オーバーランドトラック(4)
タスマニア島・オーバーランドトラック。四日目ペリオンハットからキアオラまでの約8.6kmのトレッキングレポートです。マウントオッサへのサイドトリップルートも途中まで歩きました。
タスマニアの原生地 オーストラリア オーバーランドトラック(5)
タスマニア島・オーバーランドトラック。五日目キアオラからウィンディーリッジまでの約9.6km、六日目ウィンディーリッジからセントクレア湖・ナルキサスハットまでの約9.0kmのトレッキングレポートです。

四日目、マウントオッサへのサイドトリップからの帰り道。正面に見えるのはバーンブラフ

アクセスと準備

クレイドルマウンテン及びセントクレア湖へのアクセス

クレイドルマウンテンに近い都市はロンセストンやデボンポートになります。ロンセストンやデボンポートからクレイドルマウンテンのビジターセンターまではシーズン中、複数のバス会社が長距離バスを運行しています。バス会社によって、特定の都市や特定の曜日しか運行していないケースもあるので注意が必要です。また駐車場が整備されているので車で訪れることもできます。

トレッキング後はセントクレア湖のビジターセンターから長距離バスで、スタート地点であるクレイドルマウンテンや、ロンセストン、ホバート等に移動できます。

僕らは飛行機でタスマニアのホバートに入り、長距離バスでロンセストンに移動。ロンセストンでトレッキング準備をした後、長距離バスでクレイドルマウンテンまで移動。トレッキング後はセントクレア湖からホバートに長距離バスで移動しました。

僕らはTassie Link社の長距離バスを利用しました。曜日限定ですが、オーバーランドトラックを歩く人向けに、ホバートからロンセストン、ロンセストンからクレイドルマウンテン、セントクレア湖からホバート、のルートのセット割引料金(Overland Track Package Fares)があります。ただし、YHAカード(ユースホステルカード)がある場合は、個別にYHA割引で購入したほうが安いです(2017年1月現在)。

Tassie Link社のバス。セントクレア湖からホバートへの長距離バス

セントクレア湖のフェリー

セントクレア湖のビジターセンターは湖の南端にありますが、湖の北端にあるナルキサスハットNarcissus HutからビジターセンターのあるシンシアベイCynthia Bayまではレイクセントクレアロッジが運行するフェリーに乗ることもできます(歩くと17.5kmの距離)。一日3便(10:45、13:15、15:45)あります。利用する場合は事前に電話かメールでの予約をおすすめします。予約はこちら

ナルキサスハットは携帯の電波は通じませんが、専用の無線が設置されています。予約している場合でも確認のために、無線で連絡を入れる必要があります。予約していない場合も無線で確認し空きがあれば乗れます。

料金は船で払います。クレジットカードも使えます(船内ではカード決済できないので下船後ロッジの受付に行って支払う)。料金は大人一人40AUDですが、利用者が6人以下の場合は240AUDを利用者で折半することになります。

僕らは当初朝便、昼便が予約でいっぱいだったので夕方の便を予約していましたが、ナルキサスハットに早く着いたので、無線で確認したところ、昼便のキャンセルがちょうど二席だけ出たとのことで乗ることができました。逆に当初乗る予定だったその日の夕方の便は利用者が六人以下だったとのことです。無線は使い方がわからずもたもたしていたら、周りにいたハイカー達が助けてくれました。

フェリーは定員22名の小型サイズ

出発日の予約

10月1日から5月31日のブッキングシーズン中は、トレッキングをスタートする日を予約する必要があります。ネットで手続きできます。一日にオーバーランドトラックをスタートできる人数は60名(うち、個人ウォークは34名)と制限があるので、早めに予約するのがよいでしょう。予約はトレッキングをスタートする日だけを決めるもので、その後何日間オーバーランドトラックを歩いてもかまいません。予約の際にオーバーランドトラックフィーを支払います。これはハットやトレイルの保全等に使用されます。なお、ハットやキャンプ場の個別の利用料は不要です。

また、オーバーランドトラックフィーとは別に、ナショナルパークパスも購入する必要があります。これはタスマニアの国立公園に入園するためのものです。一日パス、8週間パス、一年パス等があります。オーバーランドトラックフィーを支払う際に、ネットでナショナルパークパスも合わせて購入することができます。またはクレイドルマウンテンのビジターセンター等でも購入できます。僕らはトレッキングをスタートする日にビジターセンターに立ち寄り8週間パスを購入しました。

出発日の予約の注意点として、前述の通りアクセスする長距離バスの運行日が一部の曜日に限られているため、バスの運行日を把握した上で、オーバーランドトラックの出発日を選ぶと良いでしょう。僕らはオーバーランドトラックの出発日とバスの運行日が同日となってしまったため、初日の午前中はバス移動で、午後から歩き始める日程となりました。できれば前日にバス移動し、スタート地点の近くに宿泊した上で、翌朝から歩き始めるのが理想だと思いました。最終日も、僕らはトレッキング終了後にレイクセントクレアロッジのキャンプ場に一泊しましたが、バスの運行日次第で、トレッキング終了日にそのままホバートまで移動することも可能です。

クレイドルマウンテンのビジターセンター。ここでオーバーランドトラックパスを受け取ります

気候と装備

僕らが歩いた1月下旬は夏ですが、朝晩は冷え込みました。天気は周期的に変わり、晴れの日と雨の日が交互に訪れました。雨対策、寒さ対策が必要です。

トレイルは、木道が整備されている箇所も多く、歩きやすいです。メインルートを歩いている分には危険な箇所はありませんが、クレイドルマウンテンやマウントオッサへのサイドトリップは、岩をよじ登るような場面が多々あるので注意が必要です。

ルート上にハットがありますが、定員が少ないため、テントの携行が必須となっています。ハットを利用する場合も、寝袋とマットが必要です。

水場はハットに雨水のタンクがあり、自由に利用できます。そのままでも飲用できるようですが、煮沸・浄水が推奨されていました。浄水器を持って行きましょう。

蚊(サンドフライ?)はそれほど気になりませんでしたが、一部の川沿いで刺されました。虫除けは持って行きましょう。

シャワーの代りに湖や川で泳ぐかもしれないので、水着もしくは見せられる下着があると良いでしょう(欧米ハイカーはほぼ下着で泳いでました)。

僕らの海外トレッキング&世界一周の装備・持ち物のまとめ記事はこちら

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雨の中のトレッキング。僕らが歩いた時は天気が周期的に変化しました

食事と宿泊

トレイル上に売店等はありません。六日分の食糧となるとなかなかの量になるので、食材選び等は工夫が必要です。僕らは今回の世界のトレイルを巡る旅の集大成として(笑)、軽くてかさばらない中でも、美味しくて元気の出る食材を厳選して、毎日山ごはんを楽しみました。

ハットには、バンクベット(マット無し)、トイレ、水場(雨水タンク)等があります。ハット周辺にはテントを張れるスペースがあります。ハット・キャンプ場の予約はなく、早いもの勝ちです。ハットによって収容可能人数が異なるので、泊まれない場合に備えて、全員テントの携行することがルールとなっています。

トレッキング前はロンセストンに宿泊しました。ロンセストンには大きなスーパーもあり、アウトドア用品店(釣り具がメイン)でアルコールストーブの燃料も購入できました。宿は僕らはBatman Fawkner Innというゲストハウスを利用しました。歴史のある建物で、ドミトリーですが二段ベッドひとつだけの部屋だったので個室のように利用できました。予約サイトはこちら

トレッキング終了後は、レイクセントクレアロッジのキャンプサイトに一泊し、翌日ホバートに移動しました。レイクセントクレアロッジのサイトはこちら。ホバートでは僕らはNook Backpackersというゲストハウスを利用しました。ホバート空港へのシャトルバスの乗り場が目の前でした。コモンスペースが広くて居心地がよかったです。予約サイトはこちら

ホバートで宿泊したNook Backpackers

Nook Backpackersのコモンスペース。広くて快適でした

主な費用

(参考) 1AUD(オーストラリアドル)=約89円 ※2017年1月レート

  • ホバートからロンセストンの交通費 一人28AUD(YHA Fare)
  • ロンセストンからクレイドルマウンテンのビジターセンターまでの交通費 一人49.20AUD(YHA Fare)
  • セントクレア湖のビジターセンターからホバートまでの交通費 一人42.90AUD(YHA Fare)
    ※YHA Fareはユースホステルカード保有者の割引料金
  • セントクレア湖のフェリー 一人40AUD
  • Overland Track Fee 一人200AUD
  • National Parks Pass 一人30AUD
  • Information Pack 43AUD

参考にした情報

オーストラリア政府観光局

オーストラリア政府観光局の公式サイトです。オーバーランドトラックの概要や六日間の行程説明があります。日本語なのでまずはじめに全体感を掴むのにちょうど良いです。

Parks & Wildlife Service TASMANIA

Parks & Wildlife Service TASMANIAの公式サイトです。オーバーランドトラックの概要から、アクセス、ルート概要、パーミットの予約まで、このサイトでほぼすべての情報を集めることが可能です。オーバーランドトラック以外のトレッキング情報も掲載されています。

まとめ

六日間分の食料とテントを背負って歩く65kmの本格的なトレッキングコースということで、歩く前は少し心配もありましたが、実際歩いてみると、トレイルは歩きやすく整備されており、一日あたりの歩行距離・時間も比較的短いため、自分たちのペースで楽しめるトレイルでした。

サイドトリップもたくさんあるため、たくさん歩きたい人は思う存分歩くことができますし、逆に体力や体調が不安な日は短めに歩くこともできます。スタートしてしまえば、後はそれぞれのペースで楽しめる自由さがオーバーランドトラックの魅力です。また、ここでしか見られないタスマニア固有の動植物もたくさんいるので、動物好き・植物好きの人にもおすすめです。

僕らもオーバーランドトラックを300日の世界のトレイルを巡る旅の最後のトレッキング場所に選んで、本当に良かったなと思いました。

最後に、実際にオーバーランドトラックに行ってわかったことをまとめました。

オーストラリア オーバーランドトラックに行ってわかった4つのこと
オーストラリア・タスマニア島、世界自然遺産に指定されているタスマニア原生地の最深部を歩く65kmのトレッキングルート・オーバーランドトラックに実際に行ってわかったことをまとめました。

オーバーランドトラックでのトレッキングで気になることがあればコメント欄に!

オーバーランドトラックでのトレッキングって実際どうなの?と気になることがあれば、コメント欄にメッセージいただければ、今回のトレッキングの実体験をもとに、わかる範囲でお答えします!

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

世界のトレイルを巡る旅 ルートまとめ
2016年4月13日から300日間、僕らは夫婦で世界のトレイルを巡る旅に出発しました。本記事では、僕らが訪れた世界のトレイルと旅全体のルートをまとめています。

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