ニュージーランド ルートバーン・グリーンストーントラック トレッキングまとめ

美しい渓谷から始まり、湖と滝、森林限界を超えた山岳エリアまで多様な風景を楽しめるルートバーントラック。苔生すブナの原生林、谷底に広がる草原と清流、のどかな風景を楽しめるグリーンストーントラック。この二つの人気トラックを繋げて、四泊五日のトレッキングを行った。

本記事では、ルートバーントラック・グリーンストーントラックでのトレッキングのまとめとして、ルート、準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊、などについてレポートします。

(2017年1月時点の情報です)

目次

ルートバーントラック、グリーンストーントラックとは

ニュージーランド南島のマウントアスパイアリング国立公園にあるトレッキングルート。ルートバーントラックはニュージーランドの雄大な景色を眺めながら歩くことができる9つのグレートウォークのひとつ。グリーンストーントラックはグレートウォークではありませんが、ルートバーントラックと組み合わせて歩ける人気ルートです。

氷河に削られた渓谷や迫力ある滝、グリーンストーンが眠る川と澄んだ湖、ブナと苔の原生林、タソックの平原等が楽しめます。固有種の野鳥も見ることができます。ルートバーントラックとグリーンストーントラックはそれぞれ個別にも歩けますが、僕らは四泊五日で続けて歩きました。

苔に包まれた原生林

谷に広がる草原地帯

トレッキングルート

ルートバーントラックはルートバーンシェルターとザ・ディバイドをつなぐ約32kmのトレイルで、二泊三日程度で歩けます。トレイルはきれいに整備されており歩きやすいですが、山岳ルートとなるため高低差があります。途中、2つのサイドトリップルート(コニカルヒルとキーサミット)があり、天気が良い日は、多くの人がサイドトリップルートも歩くようです。日程を十分に確保できない場合や、山小屋・キャンプ場の予約が取れなかった場合は、ルートバーンシェルターあるいはディバイドから日帰りで部分的にトレッキングを楽しむこともできます。

グリーンストーントラックはルートバーントラック上のハウデン小屋からグリーンストーンロードエンドまでの約37kmのトレイルで、二泊三日程度で歩けます。こちらは比較的アップダウンが少ない谷底歩きとなります。ハウデン小屋からグリーンストーンロードエンドまでは、ケイプルストラックという別のルートもあります。グリーンストーントラックとケイプルストラックを組み合わせて、グリーンストーンロードエンドから三泊四日程度の周回コースとして歩くこともできます。

僕らは以下のルートで歩きました。

  • 初日  ルートバーンシェルター 〜 ルートバーンフラッツ小屋・キャンプ場
  • 二日目 ルートバーンフラッツ小屋 〜 レイクマッケンジー小屋・キャンプ場
  • 三日目 レイクマッケンジー小屋 〜 マッケラー小屋
  • 四日目 マッケラー小屋 〜 グリーンストーン小屋
  • 五日目 グリーンストーン小屋 〜 グリーンストーンロードエンド

ニュージーランド南島では、グレートウォークであるミルフォードトラック、ケプラートラックも人気です。その他にもたくさんのトレッキングルートがあります。

トレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone1/

https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone2/

https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone3/

https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone4/

アクセスと準備

ルートバーントラックのアクセス

ルートバーンシェルターからでもザ・ディバイドからでもどちらからも歩けます。

ルートバーンシェルターへの行き方

グレノーキーという街から北西に約25km、車で30分程度。クイーンズタウンからは車で1時間半程度。クイーンズタウンやグレノーキーからシャトルバスが出ています。僕らはグレノーキージャーニー社を利用しました。クイーンズタウンからは1日3便、グレノーキーからは1日5便出ています(運行時期は要確認)。事前予約が必要です。

ザ・ディバイドへの行き方

テ・アナウという街から85km、車で1時間半程度。バスでアクセスできます。

グリーンストーントラックのアクセス

グリーンストーンロードエンドへの行き方

グレノーキーから南西に約40km、車で40分程度。クイーンズタウンやグレノーキーからシャトルバスでアクセスできます。1日3便。僕らはトレッキング終了後グレノーキージャーニー社を利用しクイーンズタウンへ移動しました。事前予約が必要です。

その他の準備

ルートバーントラック、グリーンストーントラックをトレッキングをするのに許可証は必要ありません。ただし、ルートバーントラック上の山小屋、キャンプ場は事前予約が必要です。グリーンストーントラックの山小屋は予約不要です。(詳細は食事と宿泊の項を参照)

気候と装備

ルートバーントラックは山岳エリアということで、夏でも朝晩は結構寒かったです。僕らのときは雨でしたが、夏でも雪が降ることもあるようです。実際トレッキング終了後、クイーンズタウンに戻った翌日は周辺の山が白くなっており、降雪があったようでした。雨が多いエリアなので、防寒対策、雨対策はしっかりしていきましょう。一方、晴れると日差しは強いため、日焼け対策も必要です。

山岳エリアですが、トレイルは非常に綺麗に整備されていました。通常の歩きやすいトレッキングシューズで歩くことが可能です。渡渉はありませんでした。

山小屋は、マット付きのバンクベッドとなります。寝袋の持参が必要です。

サンドフライと呼ばれる蚊のような虫がいて、刺されると何日も痒みがあります。虫除けをするとともに、できる限り肌の露出は避けましょう。タイツの上からも刺されます。モスキートネットを使うほどではありませんでしたが、気になる人は持っていくのもありでしょう。

クイーンズタウンには、アウトドアショップが数多くあり、必要なものを買い揃えることができます。レンタルショップもありました。

僕らの海外トレッキング&世界一周の装備・持ち物のまとめ記事はこちら

https://trailtravelers.net/world-travel-item/

雨に濡れた森は美しい

クイーンズタウンには大手アウトドアブランドのショップから、総合アウトドアショップまでたくさんのお店がありました

食事と宿泊

トレイル上に山小屋・キャンプ場はありますが売店等はありません。必要な食糧は全て持っていきましょう。

山小屋・キャンプ場の設備や利用ルールについては、ルートバーントラックとグリーンストーントラックで異なる部分があるため、注意が必要です。

山小屋・キャンプ場の予約

ルートバーントラックの山小屋・キャンプ場は事前予約・決済が必要です。早くから予約が埋まっていくため、予定が決まり次第、予約しましょう。トレイルを管理しているDOC(ニュージーランド環境省)のサイトからネットで手続きできます。また出発前にクイーンズタウン等のDOCオフィス(ビジターセンター)でチケットを受け取る必要があります。

グリーンストーントラックの山小屋・キャンプ場は予約不要ですが、利用に際してはハットチケットが必要となります。ハットチケットはクイーンズタウン等のDOCオフィスで購入できます。予約不要ですが、バンクベッドは早い者勝ちなので、定員以上になると床で寝るか、外でテントということになります。僕らが訪れた日は残り数ベッド程度まで埋まっていました。

山小屋にはワーデンと呼ばれる管理人がいて、ハットチケットのチェックをされます。

ちなみに、トレッキングツアー用の宿泊施設は別にあって、それはもはや山小屋ではなく山のホテルと言った綺麗な建物でした。個室があったり温水シャワーもついているそうです。食事も3コースのディナーが提供されるそうで、そういう楽しみ方も憧れます!

グリーンストーンハットの内部風景。バンクベッドは早いもの勝ち

山小屋・キャンプ場の設備

ルートバーントラック上の山小屋は、バンクベッド、トイレ、ガスキッチン、水場があります。食料の持参は必要ですが、ガスコンロが利用できるため、燃料を持っていく必要はなさそうです。鍋や食器類は必要です。キャンプ場は山小屋から少し離れた場所にあり、トイレと水場、屋根のある炊事場があります。キャンプ場の利用者は山小屋の設備(ガスキッチン)は利用できません。必ず燃料を持って行きましょう。

グリーンストーントラックの山小屋は、バンクベッド、トイレ、キッチンスペース、水場があります。ガスコンロは無いため、必ず燃料を持って行きましょう。キャンプの場合は山小屋のそばにテントを張るようでした。僕らが訪れた時は全員が山小屋利用で、テント泊をしている人はいませんでした。テント泊の場合も、山小屋の設備利用は問題なさそうでした。

トレッキング前後の宿泊

トレッキング前後はクィーンズタウンに宿泊していました。クイーンズタウンレイクビューホリデーパーク(キャンプ場)と、YHAクイーンズタウンレイクフロントバックパッカーズ(ドミトリー)を利用しました。どちらも広いキッチンがあり綺麗でよかったです。

なお、長期の荷物保管は、クイーンズタウンでは、宿泊施設の他、旅行会社でも行っているところがあるようです(有料または無料)。僕らが利用したレイクビューホリデーパークのキャンプ場は有料、レイクフロントバックパッカーズは無料のようでした。旅行会社ではKiwi Discoveryが有料で行っていました。

クイーンズタウンレイクビューホリデーパーク。オートキャンプの利用客が中心でした。他にバックパッカーズ(ドミトリー)やバンガロー(個室)もありました

YHAクイーンズタウンレイクフロントバックパッカーズ のキッチン。とても綺麗でした

主な費用

(参考) 1NZD(ニュージーランドドル)=約82.4円 ※2017年1月レート

  • クイーンズタウンからルートバーンシェルターの交通費 一人45NZD
  • グリーンストーンロードエンドからクイーンズタウンの交通費 一人55NZD
  • ルートバーントラックのキャンプ場(一泊) 一人18NZD
     (参考)ルートバーントラックの山小屋(一泊) 一人54NZD 
  • グリーンストーントラックの山小屋(一泊) 一人15NZD

参考にした情報

DOC Routeburn Track

DOC(ニュージーランド環境省)のルートバーントラックの案内ページ。ルート概要、地図、高低差、コンディション情報等、必要な情報が網羅されています。PDF版のブローシャも参考になりました。

DOC Greenstone and Caples Tracks

DOC(ニュージーランド環境省)のグリーンストーン・ケイプルストラックの案内ページ。ルート概要、地図、高低差、コンディション情報等、必要な情報が網羅されています。PDF版のブローシャも参考になりました。

Glenorchy Journeys

ルートバーンシェルター、及び、グリーンストーンロードエンドまでのシャトルバスを運営している会社のサイト。バスの時刻表確認、予約などで利用しました。

参考にした書籍

僕らはニュージーランドの北島と南島の両方を訪れ、ルートバーン・グリーンストーントラック以外は、マウントクック周辺とトンガリロ・ノーザン・サーキットでのトレッキング、テカポ、ワナカ、クイーンズタウン、オークランドの観光なども行ったため、全体的な情報をつかむ上で、地球の歩き方を参考にしました。グレートウォークの情報や、トレッキング以外の観光情報もたっぷり載っています。Kindle版があるので、荷物にもならず便利でした。

まとめ

透き通った渓流、ブナの原生林、広がる草原、森林限界を越えた山岳風景、等々。ルートバーントラック、グリーンストーントラックは様々な魅力がぎゅっと詰まったトレイルでした。特に苔生した森の美しさは圧巻。山小屋やキャンプ場での世界から集まった人達との出会いも思い出深く、ニュージーランドのトレイルの魅力にどっぷりとはまってしまうトレッキングとなりました。

ニュージーランド南島を訪れた際はぜひ歩いてみて欲しい場所です。

最後に、ルートバーントラック、グリーンストーントラックに行ってわかったことをまとめました。

https://trailtravelers.net/newzealand-routeburn-greenstone-tips/

ニュージーランドでは、ルートバーントラック・グリーンストーントラック以外に、マウントクック周辺、トンガリロ・ノーザン・サーキットでもトレッキングを行いました。トレッキング記事はこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-hooker-muller-summary/

https://trailtravelers.net/newzealand-tongariro-summary/

ルートバーントラック、グリーンストーントラックでのトレッキングで気になることがあればコメント欄に!

ルートバーントラック、グリーンストーントラックでのトレッキングって実際どうなの?と気になることがあれば、コメント欄にメッセージいただければ、今回のトレッキングの実体験をもとに、わかる範囲でお答えします!

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

https://trailtravelers.net/worldtravel-route/

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