中央アジアのスイス キルギス アルティン・アラシャン・トレッキング

Altyn Arashan

インド・ラダック地方で秘境トレッキングを楽しんだ僕らは中央アジア・キルギスに向かった。ここには中央アジアのスイスと形容されるアルティン・アラシャンという温泉保養地があり、緑に囲まれた美しい景色をトレッキングで楽しむことができる。今回はアルティン・アラシャンを訪れる1泊2日のトレッキングを行った。

(トレッキング実施日:2016年5月13日〜5月14日)

目次

アラシャン川のそばを進む爽やかなスタート 

キルギスは緑豊かな国だった。
 
もともと中央アジアというと、シルクロード、乾燥した大地、砂漠、イスラム教のモスク、といったイメージしか無かったが、この旅の計画を立てる過程で、キルギスは国土の40%が標高3,000mを超える山国であることを知った。
 
実際に来てみると、目の前には草原が広がり、遠くには雪をかぶった山が連なる美しい国だった。
 
今回のトレッキングも山と牧草地に囲まれた場所からのスタートだ。左手には雪解け水であろう青く透きとおったアラシャン川が流れている。今日は目的地までこのアラシャン川沿いを歩き続けることになる。 
 
爽やかなスタート地点。今日はここから約15キロ歩きます

爽やかなスタート地点。今日はここから約15キロ歩きます

右手も左手も広がる牧草地

右手も左手も広がる牧草地

 

たくさんの花が咲くトレイルに、春を感じながら歩く 

朝晩は冷え込み、日中は暖かい。トレイル沿いにはたくさんのタンポポや、白や紫色の野草が咲き、キルギスの春の訪れを感じさせる。
 
川沿いを進むためアップダウンは少なく、道に迷う心配もない。途中、ホーストレッキングをする家族に出会った。楽しそうに手を振ってくれた。僕らものどかなトレッキングを楽しみながら進む。
 
道端にはたんぽぽが咲き誇る

道端にはたんぽぽが咲き誇る

ホーストレッキングを楽しむ家族

ホーストレッキングを楽しむ家族

アラシャン川沿いをゆっくりと進む

アラシャン川沿いをゆっくりと進む

 

アラシャン川沿いの木陰でランチ

12時過ぎ、木陰の気持ち良い場所を見つけ、ランチ。アルティン・アラシャンまでの15キロの道のりには、小屋やお店は一軒もない。今日のランチは前日スーパーで購入したパンとチーズと鶏肉のペースト!
 
食べていると、このかなりのでこぼこ道をパジェロが登ってきた。
 
アルティン・アラシャンまでは車で上がることも出来る。しかし、道はかなりの悪路で、大きな水溜りがあり、河原のように大きな石がゴロゴロした道だ。乗り心地は最悪だろう、笑。
 
パジェロのドライバーが窓を開け、「アラシャン?」と声を掛けてきた。
 
景色は綺麗だが、あまり変化の無い単調な道に、ちょっぴり疲れ始めていた僕らは、一瞬その誘惑に負けそうになるが、今回はトレッキング。目的地まで歩くことが、目的だ。ありがとうを言って、丁寧に断った。
 
遠くの雪山も徐々に大きく見えてくる

遠くの雪山も徐々に大きく見えてくる


 
九十九折りのトレイルを登り、アラシャン川を見下ろす

九十九折りのトレイルを登り、アラシャン川を見下ろす

 

美しくもやや単調なトレイルを進み、ようやく目的地 

道端にお花が咲き、冷たそうな雪解け水が流れる川、山の斜面にはすらっとした天山トウヒの木々が立ち並び、遠くには雪をかぶった山。キルギスの春を感じるには最高のトレイルだが、変化が少ないトレイルでもある。15キロの距離は普段の僕らにはなんてことないが、今回は非常に長く感じた。
 
歩き始めてから6時間半(休憩を含む)。丘を越えると、視界が開け、何軒かの小屋が見えてきた。アルティン・アラシャンだ。
 
美しい景色が続く

美しい景色が続く

細長い木は天山トウヒ。この丘を越えれば、もうすぐ目的地

細長い木は天山トウヒ。この丘を越えれば、もうすぐ目的地

アルティン・アラシャンに到着!

アルティン・アラシャンに到着!

 

冷えた体を温泉で暖める

 いくつかのある小屋のうち、僕らはVIP Travelというアラシャン川を渡ったところにある小屋を選んだ。到着すると、暖かいお茶とお菓子が振舞われる。
トレッキング拠点の街、カラコルの宿もそうだったが、キルギスはウェルカムティーとお菓子を出す文化があるようだ。そして、キルギスのお菓子はけっこう美味しい。
 
お茶の後、温泉に案内してくれた。
アルティン・アラシャンは美しい景観だけでなく山奥の秘湯としても有名だ。
温泉は小屋から少し離れた川沿いの場所にあった。カギを開けて中を見せてくれた。小屋ごとに温泉を持っているようだった。カギを閉めて入る貸切温泉。お湯は無色透明だがやや硫黄の香りがする。
湯温は高めだが冷えた体を暖めるにはちょうど良かった。
 
小屋は6ベッドのドミトリーだが、他にお客さんはおらずこの日は僕ら二人で貸切。部屋には薪のストーブがあり、暖かくしてくれていた。19時に夕食を頂き、就寝。
 
向こうに見えるのが宿泊したVIP Travel

向こうに見えるのが宿泊したVIP Travel

川沿いに建つのがVIP Travel の温泉小屋

川沿いに建つのがVIP Travel の温泉小屋

VIP Travelでの夕食。山小屋だがしっかりとしたご飯が出てきた!

VIP Travelでの夕食。山小屋だがしっかりとしたご飯が出てきた!手前はキルギス料理のプロフ。


 

清々しい高原の朝を楽しみ下山

翌朝、アルティン・アラシャンの周りを散策。羊の群れに囲まれたり、少し高いところまで登り気持ち良い景観を楽しんだりした。
 
今回はまだ雪が多いとのことで、断念したが、アルティン・アラシャンからさらに先には、アラ・コル湖という標高3,400mにある美しい湖がある。アルティン・アラシャンから先はかなりの急登になるようだが、その苦労を乗り越えた先には絶景が広がっているとのこと。次来るときには、是非チャレンジしたい。
 
 
たくさんの羊たちと羊飼い

たくさんの羊たちと羊飼い

少し高いところから見下ろしたアルティン・アラシャンの全景

少し高いところから見下ろしたアルティン・アラシャンの全景

VIP Travelを経営している家族の方々

VIP Travelを経営している家族の方々

アルティン・アラシャンに別れを告げ、下山開始!

アルティン・アラシャンに別れを告げ、下山開始!


 

デコボコ道を車で降りる

登ってきた同じ道を下山。
ホーストレッキングで下山できたら気持ち良いよね〜、と話ながら、進む。
 
しばらく進んでいると、後ろから昨日見たパジェロが。ドライバーが「カラコル?」と声をかけてきた。少し迷ったが、このでこぼこ道を車で下るのも面白いかなと思い、載せてもらうことに。(2人で800ソム)
 
かなりの悪路をものともせず進むパジェロの性能と、陽気なキルギス人のドライバー・マラットさん(45歳で5人の子持ち!)とのカタコト会話を楽しみながら、カラコルの中心部まで送ってもらった。
 
5人の子持ちのマラットさん

陽気なドライバーのマラットさん

帰り道を塞ぐ羊の大群!!羊の通過待ちをします

帰り道を塞ぐ羊の大群!!羊の通過待ちをします

泥まみれになってカラコルの街に到着!お疲れさまでした!

泥まみれになってカラコルの街に到着!お疲れさまでした!


 

歩き終えて 

中央アジアのスイスと例えられるアルティン・アラシャン。往復のトレイルはやや単調(裏を返せば難易度は低い)で長く感じたが、目的地アルティン・アラシャンは、山あいに綺麗な川が流れ、草原には馬と羊がたくさん放牧されている開放感のある場所だった。
小屋もあり、温泉も楽しめるため、秘境感たっぷりの美しい景色をのんびり楽しむには、良い場所だと思う。
 
 
 
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