これぞ天空のトレイル グリンデルワルト・トレッキング(2) フィルストからシーニゲプラッテ

Grindelwaldまるで絵葉書の世界に飛び込んだかのようなスイスらしい山村風景に、アルプスの名峰アイガーが鎮座する村グリンデルワルト。この一帯はライトなハイキングコースが縦横無尽に張り巡らされているとともにトレイルランニングの大会アイガー・ウルトラ・トレイルのコースでもある。そんなスイスの代表的なトレイルとあって僕らもこの地を訪れた。

本記事では、フィルストからファウルホルン山頂を経由し、シーニゲプラッテまで歩いたトレッキングレポートをお伝えします。

(トレッキング実施日 2016年7月29日)

目次

概要

  • スタート地点 フィルスト First(2,166m)
  • 経由地 ファウルホルン Faulhorn (2,681m)
  • ゴール地点 シーニゲプラッテ Schynige Platte(1,987m)
  • 9:20出発 17:10到着
  • 行動時間 約7時間50分(休憩込み)
  • 距離 15km程度(正確な情報が確認できなかったため概算値)

最終日、一番歩いてみたかったトレイルへ

天気予報を睨みながらもっとも天気が良くなるであろう日に、一番歩いてみたかったトレイルを歩けるよう調整して迎えたグリンデルワルト滞在最終日。僕らの期待に応えて、朝から気持ち良い青空が広がっていた。

この日は、グリンデルワルトの北側を、フィルストFirstからファウルホルンFaulhornを経由し、シーニゲプラッテSchynige Platteまで行くロングコースを歩いた。

(参考)シルトホルン方面のビルクからグリュッチアルプまで歩いたトレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/grindelwald-1/

今日もロープウェイ利用で一気に2,000mへ

標高2,166mのフィルストまでは、今日もロープウェイを利用し、一気に登る。

グリンデルワルト近辺の山は、ロープウェイや登山鉄道が張り巡らされており、誰でも気軽に高い標高からの景色を楽しむことができる。本格的にトレッキングを楽しみたい人にとっても、時間と体力の消耗を省き、気持ち良いトレッキングコースをしっかり楽しむことができる。

ロープウェイで一気に標高2,166mのフィルストまで。今日も高いところまで上がると雲が多い

ロープウェイで一気に標高2,166mのフィルストまで。今日も高いところまで上がると雲が多い

フィルスト展望台の周りには、フィルスト・クリフウォークという岩壁に作られたこのような展望歩道がある

フィルスト展望台の周りには、フィルスト・クリフウォークという岩壁に作られたこのような展望歩道がある

美しい湖バッハアルプスゼー

フィルストから、美しい湖バッハアルプスゼーBachalpseeまでは、綺麗に整備されたハイキングコース。ヴェッターホルンやアイガーの山々、眼下にはグリンデルワルトの村が見下ろせる大パノラマが広がる。誰にでも気持ち良く歩ける場所だ。ここまで50分程度。

バッハアルプスゼーの湖面に映る景色は、ガイドブックや絵葉書で有名だが、この日は少し風があり、鏡面反射とまでは行かなかった。

美しい山だけではなく、谷底にミニチュアのような小さなグリンデルワルトの村を見ることができる

美しい山だけではなく、谷底にミニチュアのような小さなグリンデルワルトの村を見ることができる

向こうに見えるのがバッハアルプスゼー。ここまでは歩き易い緩やかな道

向こうに見えるのがバッハアルプスゼー。ここまでは歩き易い緩やかな道

すっきりと晴れて、風がなければ湖面に綺麗な山が映り込むバッハアルプスゼー。この日は風があり、鏡面反射とまではいかなかった

すっきりと晴れて、風がなければ湖面に綺麗な山が映り込むバッハアルプスゼー。この日は風があり、鏡面反射とまではいかなかった

大パノラマのファウルホルン

少し休憩した後、ここからファウルホルン山頂方面に向かう。

急な登りとなるが、標高が上がるに連れ、遠くの山々の景色が変化し、グリンデルワルトの村からは見えないシュレックホルンSchreckhornやフィンスターアールホルンFinsteraarhornの鋭く美しい姿も綺麗に眺められるようになる。

途中、避難小屋を通過し、ファウルホルンの山頂が見えてくる辺りまで登ると、アイガー、メンヒ、ユングフラウまで見渡せるようになり、さらに迫力のある大パノラマとなる。

バッハアルプスゼーから1時間半ほどで、ファウルホルン山頂だ。標高2,681m。ここは360度の眺望で反対側にはエメラルドグリーンに輝くブリエンツ湖を見下ろせる。

絶景を堪能しながらここでランチ。

バッハアルプスゼーからファウルホルンへは傾斜のある上り坂が続くが、振り返るとこのような美しい景色が楽しめる

バッハアルプスゼーからファウルホルンへは傾斜のある上り坂が続くが、振り返るとこのような美しい景色が楽しめる

標高が上がるにつれて、下からは見えなかった山も見渡せるようになる

標高が上がるにつれて、下からは見えなかった山も見渡せるようになる

ファウルホルン山頂にて

ファウルホルン山頂にて

ファウルホルン山頂からは、アイガーとは反対方面の景色ものぞむことができる。下に見えるのはブリエンツ湖

ファウルホルン山頂からは、アイガーとは反対方面の景色ものぞむことができる。下に見えるのはブリエンツ湖

これぞ天空のトレイル

ここまでの景色でも十分絶景だったが、ファウルホルンから先、シーニゲプラッテまでのトレイルが、これぞ天空のトレイルという素晴らしいルートだった。

ここからは、細い登山道となる。しばらくは稜線歩きとなり、右も左も景色が開け、程よく雲が広がっていることから、まるで天空を歩いているような気持ちになる。お花畑や、小さな雪渓、ダイナミックな地層が広がるところがあったりと、変化に富んだトレイルだ。

目の前に遮るものはなく、足元はたくさんのお花。まるで天空を歩いているようだった

目の前に遮るものはなく、足元はたくさんのお花。まるで天空を歩いているようだった

風に流されていく雲によって同じ場所にいても、どんどん景色が変化する

風に流されていく雲によって同じ場所にいても、どんどん景色が変化する

稜線歩きの後はこのような壮大なトレイルを歩く

稜線歩きの後はこのような壮大なトレイルを歩く

変化する景観にどこか別の山に来たような気持ちに

ファウルホルンから1時間ほどで、休憩ができるメンドレーネン小屋に到着。ここから先は稜線の北側を歩くため、ユングフラウ方面の眺望は無くなるが、代わりに氷河地形のモレーンを歩くことになる。雰囲気がガラッと変わり、どこか別のエリアの山に来たかのような気持ちになる。

モレーン地帯を過ぎると左手にカール地形の谷が広がり、再びユングフラウ方面の山々が顔を覗かせる。ここもしばらく腰を下ろして眺めていたくなる気持ちの良いポイントだった。

谷の斜面をトラバースしながらしばらく進むと、遠くに今日のゴール、シーニゲプラッテが見えてる。

おおよその中間地点となる場所に小屋があり、食事やトイレ休憩をとることが可能

おおよその中間地点となる場所に小屋があり、食事やトイレ休憩をとることが可能

小屋の先は北斜面を歩く。ガラッと雰囲気が変わる

小屋の先は北斜面を歩く。ガラッと雰囲気が変わる

Grindelwald

しばらく進むと今度は左側がカール地形となり、眺望が開けてくる。ここはのんびりと景色を楽しみたいポイントだった

最後に飛び込んできた絶景

あとはシーニゲプラッテに向かって歩くのみかと思っていたところ、最後も絶景が飛び込んできた。

シーニゲプラッテが見えてからのトレイルは左側が谷になったトラバース道のため、しばらく右側の眺望は無かったのだが、途中から、右側が切れ落ちた絶壁の稜線歩きのトレイルを選択できる。絶壁直下にプリエンツ湖とインターラーケンの街を見下ろすことができる。

普通に歩いているとこのままトラバース道を歩くことになるためこの景色は気づかない。あえて、斜面を登り絶壁のトレイル(パノラマコースと呼ばれる)まで上がることを強くおすすめしたい。

Grindelwald

この先のトレイルの右側の高いところまで上がると・・・

目の前にインターラーケンの街とブリエンツ湖が飛び込んでくる絶景ポイント

目の前にインターラーケンの街とブリエンツ湖が飛び込んでくる絶景ポイント

最後はエーデルワイスとご対面

シーニゲプラッテ付近は植物園となっており、この地域に咲く数多くの美しい花が、名前の書かれたプレートとともに確認することができる。ここまで出逢えていなかったエーデルワイスも見ることができ、最後まで満足度の高い1日となった。

シーニゲプラッテからは登山鉄道で麓の町ヴィルダースヴィルWilderswilまで下り、そこから鉄道でグリンデルワルトまで戻った。

なお、今日歩いたフィルストからシーニゲプラッテまでのルートはアイガー・ウルトラ・トレイルのコースにもなっている。

最後の植物園で、エーデルワイスとご対面!

最後の植物園で、エーデルワイスとご対面!

シーニゲプラッテからは登山電車で下山。車内から眺める景色も美しかった

シーニゲプラッテからは登山電車で下山。車内から眺める景色も美しかった

ハイライトと改善点

<ハイライト>

  • ファウルホルン山頂後の絶景尾根歩き
    ファウルホルンからシーニゲプラッテ方面に向かう縦走路が素晴らしく、見渡せる景色と雲の感じから、まるで天空のトレイルを歩いているかのような気分に

  • カールからの大展望
    後半はちょうど歩き疲れたタイミングで現れたカール地形を見下ろす大展望。ダイナミックだがどこかのんびりした雰囲気があり、お気に入りポイントに

  • シーニゲプラッテ手前のパノラマコース
    最後に見たインターラーケンとブリエンツ湖を目の前に見下ろす眺めは、すでに満足感でいっぱいだった僕らを驚かせた

<改善点>

  • 雲は刻々と変わる、写真をとるタイミングを見逃さない
    ファウルホルン到着後お腹が空いていた僕らは、写真撮影をさておきとりあえずランチにしたが、食べ終わって写真を撮ろうと思った頃には雲が多くなっていた。雲が多い日の写真撮影はタイミングを見逃さないこと

     

(参考)準備とアクセス、ルート、気候と装備、食事と宿泊等のまとめ記事はこちら

https://trailtravelers.net/grindelwald-summary/

https://trailtravelers.net/grindelwald-tips/

 

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