アイスランド・ロイガヴェーグル。火山灰や溶岩でできた灰色の大地からは蒸気が噴き出し、黄緑色の苔が生える。そして雪もある。そこは火山と氷河が織りなす太古の地球のような場所だった。雨に打たれ、火山灰にまみれながら歩いたあの景色は脳裏に焼きついて忘れることはないだろう。今回はこの55キロの絶景トレイルを4日間かけて歩いた。
本記事では、実際に行ってわかったロイガヴェーグルのTipsをお伝えします。
(2016年8月時点の情報です)
その1:いつ行くかは考えどころ
ロイガヴェーグルのトレッキングシーズンは6月中旬〜9月中旬でそれ以外の時期は閉鎖されています。僕らはその中でも遅めの8月下旬に訪れました。
この時期に行って良かったポイントのひとつは残雪。特にフラプティンヌスケル周辺はこのコースの中でも一番標高が高いので、早い時期に行くと雪がまだ残っている可能性が高いです。僕らが訪れた時はトレイルの残雪はほぼなく、テントも雪の上に張るという事態は避けられました。早い時期に行く場合は多くの残雪が残っている可能性が高いので、雪上にテントを張る準備も含め、寒さ対策はもう一段必要になると思います。
もうひとつのポイントはオーロラのチャンス。アイスランドはオーロラ鑑賞が可能な場所ですが、そのシーズンは8月下旬から翌年の4月中旬だそうです(年中発生しているが、夏期は白夜の関係で見えない)。シーズン中でも見られるかどうかは運ですが、もしかしたらロイガヴェーグルもオーロラも両方楽しめるかもということで、今回僕らは8月の遅めの時期を選びました。結果、ラッキーなことに、レイキャビクで一度だけ緑色に輝くオーロラを見ることが出来ました!ただし、ロイガヴェーグルではなかなか雲が晴れることがなく、夜はオーロラはおろか、星も見ることはできませんでした。
一方で、花を楽しみたいなら7月の方が良さそうです。といってもロイガヴェーグルは厳しい環境なのであまり花自体は多くありません。トレッキングの前後に、氷河、滝、火山など、アイスランド独特の自然を楽しめる観光スポットに出かける場合の話です。レンタカーまたはツアーの車でアイスランド各地をドライブすることになりますが、7月であれば一面の花畑を車窓から楽しめるようです。
その2:トレッキングと観光、どちらに先に行くかも考えどころ
上述のように、氷河、滝、火山など、アイスランドには独特の自然を堪能できる観光スポットがいくつもあります。
万が一トレッキング途中で天候やアクシデントにより停滞してしまうことを考えると、トレッキングに先に行き、予備日も兼ねた観光の日程を後に持ってくるほうが良いでしょう。いくつかの見所はレイキャビクから離れており、移動が長く結構疲れます。トレッキングに万全の体調で臨むためにも、観光は後にした方が良いかもしれません。
しかし、ロイガーベーグルの絶景を先に見てしまうと、他の観光スポットが霞んで見えてしまうという勿体無い状態になるかもしれません。僕らはトレッキングに先に行き、その後レンタカーでアイスランドを一周しましたが、トレッキングの余韻がすごすぎて、他の観光スポットを見るテンションがちょっと低かったかもしれません、笑。まあそれぐらいロイガーベーグルが凄まじい、ということです。
その3:山小屋予約なしならテントは必須
ロイガーベーグルの山小屋に泊まる予定なら、事前に予約をしていきましょう。空きがあれば当日でも泊まれるようですが、僕らの訪れた時はハイシーズンということで、平日でも山小屋は満員でした。日本の山小屋とは異なり、満員の場合は小屋に泊まることはできないため、予約をしないで行く場合はテントの持参が必要となります。
なお、山小屋と言っても素泊まりのため、食料の持参が必要です。小屋にはガスキッチンが併設されており、そこで調理可能です。
その4:早く行かないと風除けのあるテント場は埋まってしまう
シーズン中のロイガヴェーグルはなかなかの混雑のようです。山小屋が満員なのはもちろん、テント場もいい場所はテントでぎっしりでした。
基本的に天気が悪く風の強いロイガヴェーグルでは、いいテント場とは風除けの石が積んであるところ。立派な石垣になっているところほど人気があるようです。
雨風の強い日に、山小屋が満員で泊まることができず、テント場も風除けのないところになってしまった場合は、料理をするのが大変かもしれません。ストーブの風除け対策グッズを用意していくとともに、火を使わなくても食べられるものを多めに持って行ったほうが良さそうです。
その5:渡渉は渡るしかないのでさっさと渡る
ロイガヴェーグルにはいくつか渡渉ポイントがあります。氷河から流れ出た水はかなり冷たいです。何とか濡れずに渡れるルートはないか、みんないろいろ探しますが、結局最後に靴を濡らしてしまったり、途中の中洲で観念して靴を脱ぐという結果になっていました。基本的にはさっさと渡る準備をして渡るのが一番のような気がします。
僕らが訪れた時の渡渉ポイントは4つ。ランドマンナロイガルから歩き始めて2日目のフラプティンヌスケル小屋とアルフタヴァトン小屋の間、およびアルフタヴァトン小屋とハヴァンギル小屋の間、3日目のハヴァンギル小屋を出発した後、4日目のソルスモルク小屋に到着する前、にありました。3日目の渡渉は一番深くて太ももまで濡れるぐらいでした。4日目は膝下までですがかなり川幅が広く、冷たい水に浸かっている時間がかなり長いです。
渡渉ポイントがある日はあらかじめ太ももまでの渡渉を想定した服装で臨むのが良いでしょう。服や靴をゆっくり脱ぐ場所や時間ががないこともあります。腰を下ろせるような岩などがなくドロドロの地面しかなかったり、雨が降っていたり風が吹いていたり。スポーツサンダルはすぐ出せるようにしておき、下半身は脱ぎやすいウェアか太ももまで捲り上げられるものを。サポート力の高いタイツは脱ぎ着に時間がかかるかもしれません。短パンに履き替える人もいますが、パンツ一枚で渡っていく人も多かったです(そういう意味では、見せられるパンツの方がいいかもしれません、笑)。
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トレッキングレポートはこちら
https://trailtravelers.net/iceland-laugavegur1/
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世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら
https://trailtravelers.net/worldtravel-route/
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめてコメントします。
今年ロイガヴェーグルトレキングを考えていて、こちらのページがすごく参考になりました。
トレッキング中の飲食物についてお聞きしてもいいですか?
飲み水はどうされていましたか?また食べ物は途中の山小屋で購入可能ですか?
可能であれば5泊6日でスコーガルまで歩きたいと思っていますが、テント、調理器具、食料一式持ってのトレッキングは3泊までしかしたことがないので、ちょっと厳しいかなとも思っています。もし何かアドバイスありましたら教えていただけますでしょうか?よろしくお願いします!
SHOKOさん、コメントありがとうございます。
飲み水は途中の山小屋の水道(雨水?)で補給しました。念のため浄水フィルターで浄水しました。
食べ物は山小屋では購入できませんので、全て持参する必要があります。
5泊となると食料が増えるので結構重たくなりますね。全て小屋泊にすれば荷物を少しは減らせるのかなという気もします。テント泊でチャレンジするのであれば、一度5泊分の食料をザックに入れて、日帰りでも良いのでトレッキングに行かれるのが良いかなと思います。楽しんできてくださいね!