自由と自律を楽しむ ジョンミューアトレイル③

JMT

7月から8月にかけてヨーロッパ各地のトレイルを歩き周った僕らは、大西洋を渡りアメリカ・カリフォルニアへやってきた。ヨセミテ国立公園などがあるシエラネバダ山脈には数多くの美しいトレイルがあり、その中でも人気が高いのがジョンミューアトレイル(JMT)だ。北はヨセミテバレーから南はアメリカ本土最高峰のマウントホイットニーまで続く全行程210.6マイル(337キロメートル)。今回僕らはその内の3分の1程度を7日間かけて歩いた。

本記事ではトレッキング五日目・六日目のレポートをお伝えします。

(トレッキング実施日:2016年9月8日、9日)

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Day 5 概要 ライエルキャニオン〜トゥオルミーメドウ

  • スタート地点: ライエルキャニオン Lyell Canyon
  • ゴール地点: トゥオルミーメドウ Tuolumne Meadow
  • 9時40分出発 14時40分到着
  • 行動時間: 5時間00分(休憩込み)
  • 距離: 約9.0マイル(約14.5キロ)

初日以来の補給地点へ

今日はトゥオルミーメドウまでの約9.0マイル(約14.5キロ)を歩く予定。

トゥオルミーメドウは、レッズメドウ以来の補給地点。売店やレストラン、キャンプサイトがある場所だ。初日のレッズメドウ以来、シャワーを浴びていない僕らは、ここでシャワーを浴びることを楽しみにしていた。

今日のルートはほぼ平坦。ライエルキャニオンの谷底に広がる平地をひたすら歩く少し退屈な区間でもある。途中、釣りをする人がいたり、川で水浴びする人がいたり、それぞれがそれぞれのJMTを楽しんでいた。

先に進むにつれ、トゥオルミーメドウ方面からデイハイクで来ている人や、ホーストレッキングを楽しんでいる人も見かけるようになってくる。

マウントライエルにライエルフォーク。夜は少し不気味だったライエルキャニオンも朝日が差し込むと一気に気持ちよい場所になる!

森の中のキャンプ地からライエルフォーク沿いまで出て、昨日下ってきたドノフーパス方面を眺める。夜は少し不気味だったライエルキャニオンも朝日が差し込むと一気に気持ちよい場所になる!

トゥオルミーメドウまではこのようなほぼ平坦な谷底歩きが続く。少し退屈な区間。

トゥオルミーメドウまではこのようなほぼ平坦な谷底歩きが続く。少し退屈な区間

トゥオルミーメドウ方面からホーストレッキングでやってきた人に道を聞かれる

トゥオルミーメドウ方面からホーストレッキングでやってきた人に道を聞かれる

久々のフレッシュフードを満喫

14時過ぎにトゥオルミーメドウに到着。バックパッカーズキャンプサイトにテントを設営し、シャワーの準備をして、売店のある場所へ。

ところが売店のあるところにはシャワー施設がなく、聞いてもこの近くにはないとのことだった。手元にあったガイドブックにはシャワー設備のマークが付いていたのだが・・・。仕方なく、売店で買い物をし、隣のファストフードショップでハンバーガーを購入し、久々にフレッシュな野菜やチーズを満喫する!

トゥオルミーメドウのキャンプサイト。広いキャンプサイトの中にバックパッカー用のエリアがある

トゥオルミーメドウのキャンプサイト。広いキャンプサイトの中にバックパッカー用のエリアがある

トゥオルミーメドウの売店。かなりの品揃えで、ドライフードだけではなく、野菜や果物、ハム・ソーセージ、乳製品も手に入る

トゥオルミーメドウの売店。かなりの品揃えで、ドライフードだけではなく、野菜や果物、ハム・ソーセージ、乳製品なども手に入る

トゥオルミーメドウズグリルというファストフード店があり、ハンバーガーを購入!普通のハンバーガーだけどやっぱり美味しい!

トゥオルミーメドウズグリルというファストフード店があり、ハンバーガーを購入!ごく普通のハンバーガーだけど生の野菜が美味しい!売店で買ったオレンジジュースとアイスクリームとともにいただく

ハイカーからの贈り物!?

このあたりはブラックベアーの生息域で、食料はクマが手を出せないような対策を講じることがルールとして取り決められている。例えば、ワイルドキャンプを行う際は、ベアキャニスターと呼ばれる頑丈なケースに収納し、テントから離れた場所に保管する必要がある。また、キャンプサイトには、フードストレージコンテナーと呼ばれる鉄製の頑丈な棚が設置されており、こちらに食料を保管する必要がある。

今日はキャンプサイト泊、フードストレージコンテナーが設置されている。変な話だが、僕らはこのフードストレージコンテナーを開けるのを少しだけ楽しみにしていた。というのも、他のハイカーが要らなくなった食料をこの棚に残していくことがあるからだ。

トゥオルミーメドウはレッズメドウと同様に食料補給ができる貴重なポイント。僕らのようなセクションハイカーは期間中の全ての食料を背負って歩くこともできなくはないが、全行程を歩くスルーハイカーは、途中の食料補給が不可欠となる。ここはJMTだけではなく、総行程が4,000キロ以上にも及ぶPCT(パシフィッククレストトレイル)のルート上でもあり、多くのハイカーがここで食料を補給する。

補給食料は売店で購入するだけでなく、あらかじめ売店併設の郵便局に郵送しておき受け取ることもできる。しかしこれまでの食料の消費量が予定より少ない場合、郵送で受け取ったものの全てを持っていけないケースが発生する。近くに、食料を譲れるハイカーがいれば譲るのだろうが、いない場合は前述のフードストレージコンテナーにそっと残していくことがあるようだ。食料には、For JMT/PCT Hikerなどと書かれていたりする。

実は、レッズメドウのフードストレージコンテナーで、このように食料が残されていることを知った。僕らはセクションハイカーで本来このような食料を譲りうける権利はないのかもしれないが、宝箱を開けるような期待、楽しさを感じていた。

まだ空いているキャンプ場所の中から、僕らが利用する場所を選び、フードストレージコンテナーを開けてみる。すると、パスタ、インスタント焼きそば、クリフバー、ドライフードなどが入っている!!これらの一部をほんの少しだけ頂くことにし、シャワーを浴びることができなかった悔しさを掻き消すことにした、笑。

ブラックベアー対策として、キャンプサイトにはこのようなフードストレージコンテナーが設置されている

ブラックベアー対策として、キャンプサイトにはこのようなフードストレージコンテナーが設置されている

中を開けてみると・・・なんと食料が残されていた!!

中を開けてみると・・・なんと食料が残されていた!!一部を少しだけ、先輩ハイカーからの贈り物として、ありがたくいただくことに

Day 6 概要 トゥオルミーメドウ〜サンライズクリーク

  • スタート地点: トゥオルミーメドウ Tuolumne Meadow
  • ゴール地点: サンライズクリーク Sunrise Creek
  • 9時20分出発 18時10分到着
  • 行動時間: 8時間50分(休憩込み)
  • 距離: 約12.8マイル(約20.5キロ)

眺望がなく苦しい区間から

当初の予定ではトゥオルミーメドウからゴールのハッピーアイルまでを3日間で歩く予定としていた。残りの距離は約23マイル(約36.8キロ)。2日間でも歩けない距離ではない。よって昨日シャワーを浴びることができなかった僕らは、残りの行程を2日間で歩ききるプランに変更することにした。

しかしこの変更は最終的に苦しい結果となる。

今日はここから約9.5マイル(約15.2キロ)先のサンライズハイシエラキャンプ、あるいはその少し先まで歩きたいところ。

トゥオルミーメドウからカセドラルパスまでは登りが続く。今日も日差しが強く、水の消費が激しい。昨日食料を補給したこともありザックの重量も増している。残念ながらこの登りは眺望が無く、苦しさと向かい合わざるを得なかった。

トゥオルミーメドウからカセドラルパスまではこのような眺望のない登り。ドノフーパスと比較すると標高も低いため気温も高く、苦しい区間となった

トゥオルミーメドウからカセドラルパスまではこのような眺望のない登り。ドノフーパスと比較すると標高も低いため気温も高く、苦しい区間となった

カセドラルレイクでリフレッシュ

カセドラルパスの手前には、カセドラルレイクという美しい湖があった。少しトレイルから外れる必要があるが、苦しい登りから解放されるべく、僕らはここでランチ休憩をとることにした。ランチは久々のサンドウィッチ。複数日のトレッキングとなると、荷物の量や食材の鮮度の関係から、ランチは水を加えるだけのマッシュポテトやドライフードという選択肢となるのだが、トレッキング開始直後や補給直後の食事は、例外的にフレッシュなサンドウィッチを作り持っていくようにしている。

カセドラルレイクの美しい景色を眺めながら食べるツナとチーズの手作りサンドウィッチは最高に美味しかった!カセドラルレイクは数多くある湖の中で僕らのお気に入りの湖の一つとなった。

カセドラルレイクでランチ。きつかった登りから開放的な湖に変わり、ここで一休み。トゥオルミーメドウで調達した材料で作ったサンドウィッチを食べる

カセドラルレイクでランチ。きつかった登りから開放的な湖に変わり、ここで一休み。トゥオルミーメドウで調達した材料で作ったサンドウィッチを食べる

猫耳のような特徴的な山はカセドラルピーク。気持ちよい場所に別れを告げて再び歩き始める

猫耳のような特徴的な山はカセドラルピーク。気持ちよい場所に別れを告げて再び歩き始める

草紅葉が美しい草原地帯へ

カセドラルパスを越えると緩やかな下りとなり、やがてロングメドウという草原地帯となる。赤や黄色に紅葉した草が大変美しい場所だった。草原からは時折マーモットが顔を出し、駆け抜けていく。今回は季節的に草紅葉が美しい場所だったが、初夏に訪れるときっとここは瑞々しい草原地帯なのだろう。

カセドラルパスを越えて下って行くとやがてロングメドウという細長い草原地帯に

カセドラルパスを越えて下って行くとやがてロングメドウという細長い草原地帯に

ここも草紅葉が美しい場所だった。きっと初夏は全く違う景色を見せてくれるのだろう

ここも草紅葉が美しい場所だった。きっと初夏は全く違う景色を見せてくれるのだろう

草原の中から、時折マーモットが顔を出す。しばらくこちらを眺めた後、急に走り出して消えていった

草原の中から、時折マーモットが顔を出す。しばらくこちらを眺めた後、急に走り出して草の中に消えていった

水に苦しみながらキャンプ地へ

日もだいぶ傾き始めた16時頃にようやくサンライズハイシエラキャンプに到着。ここはJMTとしては珍しい固定テントがある宿泊施設でもある。宿のスタッフにバックパッカーズキャンプの場所を確認すると、キャンプはできるがここは水が枯れていて使えないこと、水を補給する場合は片道45分かけてサンライズレイクまで行かなければないことを伝えられる。

僕らのボトルの水もあとわずかで、夕食・朝食を作れるほどの水はもう無かった。もともともう少し進んでおく予定でもあったため、休憩を挟んだあと先に進むことに。ちなみにここのキャンプサイトは高台にあって、眼下にロングメドウの景色が広がっている。そしてサンライズの名前の通り、朝日が綺麗な場所なのだろう。水の問題と日程の都合がなければ、ここにキャンプを張っても良かったかもしれない。

サンライズハイシエラキャンプにあるバックパッカーズキャンプからの眺め。水がある時期はここからサンライズを眺めるのも気持ちよいだろう

サンライズハイシエラキャンプにあるバックパッカーズキャンプからの眺め。水がある時期はここからサンライズを眺めるのも気持ちよいだろう

水場を目指して再出発

水場のあるキャンプ適地を目指して再出発。ここから少し登りを挟んで、それを越えると徐々に急な下りに変わる。

しばらく下り続けるとようやく沢から湧き水が出ている場所に到達。その少し先にキャンプ適地も確認し、今日はここでキャンプを張ることとした。標高が下がってきたせいか、松の大木が生い茂る樹林帯で、眺望はゼロ。サンライズハイシエラキャンプと比べると、少し寂しいキャンプ地でもあった。

徐々に急な下り坂となり、深い針葉樹の森に入っていく。ここからもうしばらく下ったところで水場とキャンプ適地を発見

徐々に急な下り坂となり、深い針葉樹の森に入っていく。ここからもうしばらく下ったところでようやく水場とキャンプ適地を発見した

Day5〜6のハイライトと改善点

<ハイライト>

  • トゥオルミーメドウでの食糧補給&フレッシュフード
    久しぶりのショップ&レストラン。シエラネバダの大自然にどっぷり浸かったここ数日間は本当にかけがえの無い経験となったけど、久々の食糧補給も楽しかった。
    何気ないオレンジジュースとフレッシュなハンバーガーに大満足!

  • 単調な登りを越えた後のカセドラルレイク
    トゥオルミーメドウからの苦しい登りを越えてようやく見えてきたカセドラルレイク。ここまでしばらくの間、湖が無い区間だったためか、久々に見たJMTらしい青空と山と湖が広がる景色に、やっぱりJMTは最高だな!と感じた瞬間だった。

<改善点>

  • 水場情報の事前確認と十分な補給
    ロングメドウからサンライズハイシエラキャンプ付近は季節によっては水が枯れているとの情報を事前に過去のブログなどから確認していたものの、途中の給水が十分ではなく、最終的には水が不足してしまった。
    トゥオルミーメドウのレンジャーステーション等でより詳しい水場の情報を確認しておけば、もう少し楽に歩けたかもしれない・・・

七日目のトレッキングレポートはこちら

自由と自律を楽しむ ジョンミューアトレイル④
ヨセミテ国立公園などがあるシエラネバダ山脈には数多くの美しいトレイルがあり、その中でも人気が高いのがジョンミューアトレイル(JMT)だ。今回僕らは、全行程210.6マイル(337キロメートル)の内の3分の1程度を7日間かけて歩いた。トレッキング七日目のレポートです。

準備アクセス等のまとめ記事はこちら

ジョンミューアトレイル トレッキングまとめ
ヨセミテ国立公園などがあるシエラネバダ山脈には数多くの美しいトレイルがあり、その中でも人気が高いのがジョンミューアトレイル(JMT)だ。今回僕らは、全行程210.6マイル(337キロメートル)の内の3分の1程度を7日間かけて歩いた。本記事では、準備とアクセス、ルート、気候と装備、食事と宿泊等についてまとめました。

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

世界のトレイルを巡る旅 ルートまとめ
2016年4月13日から300日間、僕らは夫婦で世界のトレイルを巡る旅に出発しました。本記事では、僕らが訪れた世界のトレイルと旅全体のルートをまとめています。

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