スロベニアはユリアンアルプスにあるトリグラウ国立公園。ここにはセブンレイクと呼ばれる7つの美しい氷河湖や、スロベニア最高峰のトリグラウがあり、穏やかな牧草地から、いくつもの紺碧の湖、荒涼とした石灰岩のトレイルまで様々な表情を楽しむことができる。今回はトリグラウ国立公園の中を2泊3日でトレッキングを行った。
本記事では、二日目のトレッキングレポートをお伝えします。
(トレッキング実施日:2016年7月9日)
目次
セブンレイク、いくつもの美しい湖
朝7時半過ぎに小屋を出発。まずは昨日に引き続きセブンレイクと呼ばれるエリアを歩く。アップダウンの少ない穏やかなエリアで、進行方向右手には高い岩山があり、大きなモレーンが見られる(モレーンとは、氷河が谷を削りながら時間をかけて作り出した岩石や土砂が土手のように堆積した地形のこと)。
ここはセブンレイクという名の通り、いくつもの湖が点在している。今日は無風のため、湖面は鏡のように周りの景色を静かに写し込み、ただ湖の色だけが、光の差し込み具合で様々な表情に変化していた。
白の世界に現れた動物
セブンレイクを抜けると、徐々に登りに変わる。標高とともに草花の緑と石灰岩の白のバランスが反転し、白い世界へ変化していく。
ピャーッという甲高い口笛のような鳴き声が聞こえ、周りを見渡すと、岩の上に大きな角を持った1匹のアイベックスが姿を現した!反対側の山の斜面にも数匹のアイベックスがおり、そちらに向けて合図を送っているのか、我々を威嚇しているのか、どちらかわからなかったが、やがて岩の向こうに姿を消していった。
石灰岩と雪渓からなる異世界へ
さらに進むと石灰岩の岩肌に、たくさんの雪渓が残る荒涼としたトレイルに変化していく。たくさんの草木は姿を消し、ほんの一部の高山植物だけが、白い岩の隙間から顔を覗かせていた。
この荒涼としたエリアをしばらく進んだ峠が僕らの今回のトレッキングの最高地点!標高は2,300mほどの地点だ。雲がなければここから最高峰のトリグラウが見えるはずだが、空は厚い雲で覆われ、遠くの眺望はない。風も出てきて、少し肌寒いが、そこから先の景色を眺めながら、ここでランチ。時計は12時半を回ったところ。
急峻な下りを進み今日の小屋へ
ここからは急峻な下り坂となる。一部に雪渓が残り、ストックを使いながら慎重に下りていく。1時間ほど下ると、Koca na Dolicu小屋(2,151m)に到着する。ここから最高峰のトリグラウに登る人も多く、ヘルメットとザイルをつけた登山者が多く見られた。
僕らはトリグラウ山頂方面には進まず、下りのトレイルを進む。徐々に草木が戻り始め、青空も見えてきた。遠くに本日泊まる小屋と思われる小屋の姿が見えてきた。その手前には広い牧場のような場所も見え、だいぶ標高を下げてきたことを感じた。
今日も引き続き山小屋泊
17時15分にVodnikov Dom Na Velem Polju小屋(1,817m)に到着。今日もだいぶ遅くなってしまったと思ったが、そんなことはなく、案内された10人部屋には一番乗りだった。
今日は2食付きで一人31.27ユーロ(税込)。食事は幾つか用意されているメニューの中から自由に選べる形式。(せっかくなのでスロベニアのローカル料理と言われたソーセージにザワークラウトを添えたものを食べたかったが、ミスって二人ともボロネーゼをオーダー…)。ここも大変きれいな小屋で、水洗トイレに有料のシャワーが完備されていた。
(三日目に続く)
(初日のレポートはこちら)
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