ツール・ド・モンブラン(TMB)トレッキング まとめ

TMBヨーロッパアルプス、モンブラン山群の周りをフランス、イタリア、スイスの3ヵ国にまたがる形で全長160〜170kmのトレッキングコースが整備されている。これがツール・ド・モンブラン(TMB)だ。トレイルランニングの大会UTMBでも有名なこのトレイルは僕らにとっても憧れの場所。今回は部分的ではあるが6日間かけてTMBを歩いた。

本記事では、TMBでのトレッキングのまとめとして、アクセスと準備、ルート、天候と装備、食事と宿泊についてレポートします。

(2016年7月時点の情報です) 

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はじめに

今回、僕らはツール・ド・モンブラン全体を歩いた訳ではないので、得た情報は部分的なものですが、僕らなりに気づいたことをまとめたいと思います。僕らのツール・ド・モンブラントレッキングの特徴は、主にキャンプサイトを利用したテント泊、フランス・イタリア・スイスの美味しいルートをつまみ食い、といったところです。眺望と時間・効率を優先した場合はやはり山小屋泊が良いと思いますが、費用を抑えつつ、自由気ままにテント泊をしながらツール・ド・モンブランを歩きたいという人には参考になるかと思います。

アクセスと準備

どこを歩くかということとセットになりますが、まず、拠点の町を決める必要があります。やはり数多くの登山ショップが揃い、たくさんの登山者で賑わうシャモニー周辺がオススメだと感じました。シャモニーの町を歩くだけでも気分が盛り上がります。宿泊施設も多く、キャンプサイトも複数あります。

日本からシャモニーにアクセスする場合、スイス・ジュネーブ経由が一般的のようですが、僕らは旅の都合上、オーストリア・ザルツブルクから丸一日かけて、鉄道でスイスを横断し、シャモニーまで移動しました。なお、ツール・ド・モンブランの後はスイス・グリンデルワルト近辺を訪れる予定としたため、トータルで移動費用が抑えられるスイスパス(3DAYSフレキシブル+ハーフフェアカード)をザルツブルクの駅で購入しました。スイスパスはツール・ド・モンブランのスイスエリアの路線バスにも有効で、無料で利用することができました。

ヨーロッパ各地から鉄道でシャモニーにアクセスしたいという人には、オフラインでも利用できるユーレイルの乗り換え案内アプリ(Rail Planner)が便利です。僕らもどこからどうやってシャモニーにアクセスするかは結構悩んだのですが、このアプリが大変役に立ちました。

Rail Planner  Eurail/Interrail

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無料
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ツール・ド・モンブランを歩くにあたって、許可証等の事前準備は不要ですが、山小屋に宿泊する場合は、事前予約が必須です。日本の山小屋と異なり、定員で埋まってしまうと宿泊できません。

拠点はたくさんの登山ショップがあり、登山者で賑わうシャモニーがオススメ

拠点はたくさんの登山ショップがあり、登山者で賑わうシャモニーがオススメ

トレッキングルート

ツール・ド・モンブランは1周160〜170km(複数のバリエーションルートがあるため総距離はまちまちのようです)。全て通しで歩く場合、ガイドブックなどでは10日〜12日程度で歩くプランが推奨されています。ツール・ド・モンブランの特徴の一つでもありますが、周辺の交通網が比較的発達しているため、体力や確保できる日数に合わせて、一部をショートカットしたり、部分的に歩くことが可能です。

また、ツール・ド・モンブラン以外のトレッキングコースも数多くあるため、拠点となる宿泊施設を決めて、複数の日帰りトレッキングを繰り返す楽しみ方も可能です。シャモニー近郊ではそのような楽しみ方をされている人が多いように感じました。

僕らが歩いたルートは次の通りです。

DAY1:フランス・シャモニー谷
モンロック〜モンテ峠〜シェズリー湖(ラックブラン小屋手前)
※シャモニーからモンロックまではバス移動(鉄道移動も可能)
DAY2:フランス・シャモニー谷
シェズリー湖〜フレジェール〜プランプラ
※プランプラからシャモニーまではケーブルカー利用
フランス・イタリア・スイスを歩く TMBトレッキング (1) フランス編
ツール・ド・モンブラン(TMB)。ヨーロッパアルプス・モンブラン山群の周りをフランス、イタリア、スイスの3ヵ国にまたがる形で全長160〜170kmのトレッキングコースが整備されている。部分的ではあるが6日間かけてこのTMBを歩いた初日・2日目のトレッキングレポートフランス編です。
DAY3:イタリア・ヴェニ谷
メゾン・ヴィエイユ小屋〜シェクルイ湖〜コンバル湿原
※シャモニーからクールマイユールまではバス、クールマイユールからメゾン・ヴィエイユまではケーブルカー・リフト利用
DAY4:イタリア・フェレ谷
ベルトーネ小屋登山口〜ラヴァシェイ〜ボナッティ小屋〜ボナッティ小屋登山口
※クールマイユールからベルトーネ小屋登山口まで、ボナッティ小屋登山口からキャンプサイト(ベルトーネ小屋登山口近く)まではバス利用
フランス・イタリア・スイスを歩く TMBトレッキング (2) イタリア編
ツール・ド・モンブラン(TMB)。ヨーロッパアルプス・モンブラン山群の周りをフランス、イタリア、スイスの3ヵ国にまたがる形で全長160〜170kmのトレッキングコースが整備されている。部分的ではあるが6日間かけてこのTMBを歩いた3日目・4日目のトレッキングレポートイタリア編です。
DAY5:イタリア・フェレ谷〜スイス・フェレ谷
アルヌーヴァ〜エレナ小屋〜大フェレ峠〜ラ・プール小屋〜ラ・フーリー
※キャンプサイトからアルヌーヴァまではバス利用
DAY6:スイス・フェレ谷
スイス ラ・フーリー〜オルシエール〜シャンペ
※全てバス利用
フランス・イタリア・スイスを歩く TMBトレッキング (3) スイス編
ツール・ド・モンブラン(TMB)。ヨーロッパアルプス・モンブラン山群の周りをフランス、イタリア、スイスの3ヵ国にまたがる形で全長160〜170kmのトレッキングコースが整備されている。部分的ではあるが6日間かけてこのTMBを歩いた5日目・6日目のトレッキングレポートスイス編です。

ルートの選択は、フランス、イタリア、スイス3カ国のツール・ド・モンブランをカバーすること、天気の良いうちに眺望が良いと評判のトレイルを歩くことを優先した結果、ルート全体のうちのいくつかのパートをつまみ食いした形となっています。

当初はフランス・シャモニー近辺からイタリア・クールマイユール近辺までを通しで歩くつもりでいましたが、天気予報を睨みつつ変更しました。通しで歩くことは、ツール・ド・モンブランを始めとするロングトレイルの大きな魅力だと思いますが、綺麗な景色を最大限楽しむということを優先事項に現地で柔軟に修正した結果です。僕らが歩いたコースの中でのオススメはDAY1+DAY2、DAY4です。

クールマイユールの案内板。バリエーションルートを含めTMBマークがついたトレイルがたくさん

クールマイユールの案内板。バリエーションルートを含めTMBマークがついたトレイルがたくさん

気候と装備

僕らがツール・ド・モンブランを訪れたのは7月中旬。トレッキングを行った6日間は、青空が広がる素晴らしい天気に恵まれましたが、その前後1週間ほどは雨でした。晴れた場合も雨の場合も、日本の夏山と同じような気候をイメージしておくと良いと思います。晴れれば日中暑くなりますが、朝晩は冷え込みました。なお、7月中旬はアルプ一帯にお花畑が広がる美しい時期でした。

キャンプ用具もスリーシーズン対応のテントとシュラフをベースに、フリース、ダウンを着込み、加えてエマージェンシーシートなどで防寒対策を行いました。

トレッキングシューズは歩き易さを重視したものが良いです。また僕らが歩いたルートは残雪はほとんど無くアイゼンが必要な場所はありませんでした(ラックブラン小屋手前に残雪があり、傾斜もきつかったのでそこだけ注意が必要でした)。

ちなみにシャモニーには登山ショップがたくさんあり、一通りの装備が揃います。使い慣れた装備が一番ですが、現地についてから買い足すことも可能です。防寒対策は現地の気温を体感した上で必要なものを買い足す形でも良いと思います。なお、海外ブランドについては日本で買うよりも安く購入できるようでした。

僕らの海外トレッキング&世界一周の装備・持ち物のまとめ記事はこちら

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7月中旬はどこを歩いても足元にはお花畑が広がっていました

7月中旬はどこを歩いても足元にはお花畑が広がっていました

食事と宿泊

トレッキングルート上に、たくさんの山小屋があり、食事と宿泊が可能です。宿泊する場合は予約必須です。日本の山小屋と異なり満員だと泊まることができません。シャモニーやクールマイユールのインフォメーションで手配してくれます。朝晩の美しい景色を眺めるなら山小屋に宿泊するのが良いでしょう。

キャンプサイトは、麓の町には大体あるようで、トレッキングマップに掲載されていました。キャンプサイトに宿泊する場合、ツール・ド・モンブランのルートからは一度離脱する形となるため、時間に余裕があり、宿泊費を抑えたい人向けです。一泊14〜22ユーロ程度で利用可能で、よほどのことが無い限り予約不要で泊まれます。設備はキャンプサイトによって異なりますが、シャワー、洗い場(キッチンは無い)、Wifi、ランドリー等の設備があります。設備利用は別料金となっている場合があります。簡単な売店やレストランが併設されているところもあり、朝にベーカリー販売が来るところもありました。

野営のルールは国によって異なり、フランスは野営可(可否に関する明確なルールは確認できないがシャモニーのインフォメーションで問題ないことを確認済み。山小屋近くに設営する場合は山小屋に適切な場所を確認すること)、イタリアは2,500m以上の場所のみ可、スイスは野営不可です。なお、イタリアでは山小屋の近くであれば、前述の基準を満たさなくてもテントを張れるという情報もあるので、各小屋に可否を確認して下さい。

多くの場合、トレッキングの前後は拠点とする町の宿泊施設(ホテル、ホステル等)に泊まることになると思いますが、シャモニーやクールマイユールの宿は早くから予約で埋まっていきます。予定が決まった段階で予約を入れましょう。シャモニー界隈に関しては宿泊者向けに無料のバスカードが各宿から提供され、 30分に一本はバスが走っているので、必ずしもシャモニー・モンブランの駅近くに宿をとる必要は無いように感じました。

食事については、シャモニーやクールマイユールなどの町には比較的大きなスーパーがあるので、そこでパンやサンドイッチ、行動食、飲み物を購入して持っていくことが可能です。もちろん山小屋で食事を取ることも可能です。

イタリア・フェレ谷にあるエレナ小屋のメニュー表。ここは良心的な値段設定ですね

イタリア・フェレ谷にあるエレナ小屋のメニュー表。ここは良心的な値段設定ですね

荷物預かり

トレッキングに必要のない荷物はほとんどの宿泊施設で預かってくれるようです。僕らはシャモニー到着日はホステルに泊まったため、そこに預けました(7日間で20ユーロ)。キャンプサイトでも有料で預かってくれるようでした。

参考にした書籍・サイト

ルートの選択については以下のガイドブックを参考にしました。バリエーションルートも含めかなり詳しく記載されているので参考になりました。この本のプランは眺望の良い山小屋に宿泊することを優先事項しているため、その点留意して下さい。

また、ツール・ド・モンブランの公式サイト(英語)も、ルートの確認、山小屋の予約、トレイルコンディションの確認が可能であり、有用です。

http://www.autourdumontblanc.com/en/

一緒に楽しみたいトレイル

僕らはツール・ド・モンブランを歩いた後は、スイスの中南部に位置するグリンデルワルトに移動し、周辺のトレッキングコースを歩きました。グリンデルワルトは、アイガー、メンヒ、ユングフラウやヴェッターホルンを背後に控え、スイスらしい景観が広がる美しい村で、ツール・ド・モンブランとはまた違った雰囲気でした。周辺には数多くのトレッキングコースがあるので、少ない日数でも楽しめます。

シャモニーからグリンデルワルトへは半日ほどで移動できます。

スイス・グリンデルワルト トレッキングまとめ
数多くのハイキングコースが整備されているスイスの代表的な山岳リゾート・グリンデルワルトでのトレッキングのまとめ記事です。アクセス・準備、ルート、気候と装備、宿泊・食事、などについてまとめました。

まとめ

終始美しいモンブラン山群を眺めながら歩くことができ、フランス・イタリア・スイス各国の違いも感じることができるTMB。好展望のトレイルへは、ロープウエイやケーブルカーでのアクセスも可能のため、各自の体力や確保できる日数・時間に合わせて、柔軟にトレッキングプランを組み立てられるのもTMBの特徴であり魅力だと感じました。宿泊施設も様々あるため、初めて海外トレッキングに挑戦したいという方にもおすすめしたい場所です!

最後に、実際にTMBトレッキングに行ってわかったことをまとめてみました。

ツール・ド・モンブラン(TMB)に行ってわかった4+1つのこと
ヨーロッパアルプス・モンブラン山群の周りをフランス、イタリア、スイスの3ヵ国にまたがるトレッキングコース、ツール・ド・モンブラン(TMB)に実際に行って分かったことをTipsとしてまとめました。
終始美しいモンブラン山群を眺めながら歩くことができる

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世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

世界のトレイルを巡る旅 ルートまとめ
2016年4月13日から300日間、僕らは夫婦で世界のトレイルを巡る旅に出発しました。本記事では、僕らが訪れた世界のトレイルと旅全体のルートをまとめています。
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