地中海を歩く トルコ・リキアンウェイ・トレッキング (1)

Lycian Way

トルコに入って僕らが向かったのは地中海沿いの街フェティエ。トルコの南岸に美しい地中海と古代リキアの遺跡を楽しめるリキアンウェイと呼ばれるロングトレイルがあると聞いてやってきた。初日はフェティエからトルコ屈指の美しいラグーンがあるオリュデニズまでのトレッキング。二日目は、フェティエから東に50キロほどの位置にあるカシュの街を拠点としたトレッキングを行った。

本記事では、初日のトレッキングレポートをお伝えします。

(トレッキング実施日:2016年6月6日)

目次

僕らが向かった先は地中海沿いの街

トルコの南岸、フェティエからアンタルヤまでリキアンウェイ(リキア街道、リキアの道)と呼ばれるロングトレイルがある。地中海に面したトレイルということで、美しい海を眺めながら歩けることはもちろんのこと、このエリアには古代リキアの遺跡が点在し、遺跡巡りも一緒に楽しめるのがこのトレイルの特徴だ。

今日はフェティエから、途中カヤキョイの村を抜け、美しいラグーンが広がるオリュデニズまで歩く。このルートは途中でリキアンウェイのメインルートから外れることになるのだが、そこから先がオリュデニズの海岸線を望む人気のトレッキングルートとなっている。

フェティエの街

フェティエはトルコ南岸の地中海に面した港町

フェティエの街

フェティエのヨットハーバー


 
 

フェティエの街から歩き始める

道路沿いにあったリキアンウェイのスタートポイントを確認し、僕らは歩き始めた。しばらくアスファルトの道を歩いた後、リキアンウェイの標識に従い、トレイルに入る。
 
はじめは松林に囲まれ、眺望が無いが、40〜50分ほど登り続けるとフェティエの街を見下ろせるポイントに着く。この旅はじめての海沿いのトレッキングに心が躍る瞬間だった。日本でよく登っていた丹沢山地から見下ろす相模湾の美しさを思い出す。
 
石畳の歩きやすいトレイルを抜けると再びアスファルトの道に合流する。
 
リキアンウェイのスタートポイントを示す標識だ

リキアンウェイのスタートポイントを示す標識だ

しばらくはアスファルト。大きく育ったサボテンがこの地域の乾燥した気候を表している。

しばらくはアスファルト。大きく育ったサボテンがこの地域の乾燥した気候を表している。

フェティエの街を見下ろす。そこそこの標高を稼いだことがわかる。

フェティエの街を見下ろす。そこそこの標高を稼いだことがわかる。

石畳の整備されたトレイル。突然リクガメが現れてびっくり。

石畳の整備されたトレイル。突然陸ガメが現れてびっくり。

今回も乗ってけよイベント発生

テンポよく進み続けると、徐々に視界が開け、カヤキョイの村が見えてくる。小さな盆地のようなところだ。ここまででスタート地点から2時間弱。
 
持ってきたサンドウィッチを食べるために眺望の良い日陰を探していたところ、トラクターを運転するおっちゃんが彷徨い歩く僕らを見つけ、僕らのすぐ側で止まってくれた。言葉は分からないが、完全に乗って行けよムード。アルティン・アラシャンでパジェロに乗せてもらった楽しい経験から、こういうチャンスは積極的に乗っかることに決めていた。
 
荷台にザックを載せ、僕ら二人はトラクターの脇の狭いスペースに腰をかける。気持ち良い風に吹かれ、歩くと40〜50分くらいはかかる距離を、カヤキョイの中心部までショートカット。
 
カヤキョイ。山の斜面に点在するのは廃墟となった集落。

カヤキョイ。山の斜面に点在するのは廃墟となった集落。

トラクターが止まる。乗ってけよー的な雰囲気。

トラクターが止まる。乗ってけよー的な雰囲気。

こういうチャンスには積極的にのっかるべし。

こういうチャンスには積極的にのっかるべし。

廃墟の集落を超えてオリュデニズへ

カヤキョイには、かつてギリシャ移民が住んでいた集落がそのまま廃墟として残っている。古代遺跡では無いが、斜面に沿って1千軒を超える廃墟が広がる風景はなかなか見応えがある。
 
オリュデニズへのトレイルはこの廃墟を抜けていく。ここカヤキョイからオリュデニズへのルートは人気のトレッキングルートになっていて、水着姿で歩くような人も含め、何人かのハイカーを見かけた。
 
なお、僕らはここまで歩いてきたが(一部トラクター利用)、フェティエからカヤキョイまではバスでアクセス可能であり、それが一般的なアクセス方法だ。
 
かつてはここにギリシャ人が住んでいた

かつてはここにギリシャ人が住んでいた

黄色い標識はトレイルのルートを示すもの。右がオリュデニズだ。

黄色い標識はトレイルのルートを示すもの。右がオリュデニズだ。

全て廃墟。屋根はなくなり石造りの壁だけが残る。

全て廃墟。屋根はなくなり石造りの壁だけが残る。

思わぬ瞬間に現れる絶景

廃墟の集落を抜け、その先のトレイルを進んでいく。6月初旬のトルコ南岸はすでに夏の様相で、ジリジリとしたきつい日差しが照りつける。厳しいコンディションだけど、周りに高い山が無いせいか、空が広く感じ、青く輝く地中海はもうすぐだという期待感が、少しだけ足取りを軽くしてくれた。
 
楽しみにしていた地中海は突然現れた。エメラルドグリーンの海だ。ピークを目指す登山とは違い、思わぬ瞬間に絶景が飛び込んでくるのが、海沿いトレッキングの醍醐味かもしれない。
 
ここからしばらくは地中海を眺めながらの絶景トレイルが続く。いつまでもここを歩いていたいと思わせるそんなトレイルだった。
 
周りに高い山はないため、空は広く感じる

周りに高い山はないため、空は広く感じる

突如現れる地中海

突如現れる地中海

しばらくはこのような絶景トレイル

しばらくはこのような絶景トレイル


 

美しいオリュデニズのラグーンに立ち尽くす

今日のトレッキングの一番の見所は最後に残されていた。オリュデニズのラグーンが見える瞬間だ。
 
オリュデニズの海岸線は緩やかなカーブを描き、その先端でラグーンを形成している。海から砂浜への青のグラデーションがとても美しい。このトルコ屈指のビーチの全景を楽しむためには、パラグライダーに乗るか、トレッキングするかしかない。
 
この絶景に浸った後は、オリュデニズのビーチに向かって下っていく。
 
オリュデニズのビーチが見えてきた

オリュデニズのビーチが見えてきた

なんとも言えない美しい海

なんとも言えない美しい海

トルコ屈指のビーチ

トルコ屈指のビーチ

オリュデニズのビーチが今日のゴール

トレイルを抜け海辺についてからオリュデニズのビーチまでは40分ほど歩く。暑さにやられながらも、綺麗な砂浜のビーチに到着。ここが今日のゴールだ。
 
水着姿のリゾート客に紛れてトレッキングスタイルの僕らは明らかに浮いた存在だったが、そんなことは気にもせず、じっくりと丸1日かけたトレッキングの満足感にじっくりと浸る僕らだった。
 
オリュデニズのビーチが本日のゴール

オリュデニズのビーチが本日のゴール

オリュデニズは美しいビーチリゾートだ

オリュデニズは美しいビーチリゾートだ

 

歩き終えて

やはり海沿いのトレイルは気持ちが良い。綺麗な海が望めるということだけでなく、山がない分、空が圧倒的に広く感じ、開放感がすごい。以前、ハワイ・カウアイ島のトレイルを歩いたが、海沿いのトレイルに同じような興奮を覚えたのを記憶している。

カヤキョイからオリュデニズの区間のみであれば3時間ほどで歩ける行程なので、オリュデニズのビーチリゾートと組み合わせて楽しむのが手軽で良いかもしれない。

オリュデニズの夕暮れ

オリュデニズの夕暮れ

 

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