マチュピチュ・ワイナピチュを歩いた僕らは、嵐の大地とも呼ばれる南米大陸南端の地パタゴニアへ。まずはアルゼンチン側のロス・グラシアレス国立公園を訪れた。美しい南極ブナの森、難攻不落の尖塔セロトーレ、クライマー憧れの山フィッツロイを巡る二泊三日のトレッキングを行った。
三日目のトレッキングレポートです。
(トレッキング実施日:2016年12月6日)
Day 3 概要
- スタート地点 ポインセノットキャンプ場
- 目的地 ロストレス湖
- ゴール地点 エルチャルテン
- 4時30分キャンプ場出発 6時00分ロストレス湖到着(休憩込み)
(1時間ほど滞在してキャンプ場に戻る) - 11時50分キャンプ場出発 15時10分チャルテン到着(休憩込み)
- 行動時間 5時間30分(休憩除く)
- 距離 約10km
夜明け前に行動開始
朝4時半、フィッツロイ手前のロストレス湖を目指す。まだ暗くヘッドライトが必要だ。キャンプ場からロストレス湖までは初日、二日目には無かった急登となる。僕らと同じように朝焼けを目指して登るハイカーのヘッドライトが時折遠くで光る。少しずつ空が白くなり、振り返るとだいぶ登ってきたことがわかるようになる。やがて草木は無くなり、ガレた砂礫の道となる。
芸術作品のようなフィッツロイ
登り始めて約1時間半ほどで、ようやくロストレス湖へ。あいにくの曇り空、上部は雲がかかっているものの、かろうじてフィッツロイが姿を見せている。特徴的な花崗岩の岩峰が並ぶ様子は、まるで地震計が激しく動いて書き残した波形のよう。一見すると不揃いなのに、芸術作品のような美しさがあるのはなぜだろうか。
染み入る寒さのロストレス湖
しかし明け方のロストレス湖は体の芯まで染み入る寒さだった。ダウンジャケットにレインウェアを重ね、その上にフリースブランケットを羽織っても、じっとしていられない寒さだった。同じようにロストレス湖に早朝から来ているハイカーを見ると、厚手の寝袋を持ってきている人が多い。皆、寝袋の中に入り、フィッツロイにかかっている雲が取れるのを待っているのだろう。湖の前にいくつもの寝袋の塊が転がる姿は異様なものがあった。
僕らはしばらく花崗岩の芸術作品を眺め、体が冷え切る前にキャンプ場へ戻った。
暖かい朝食をとって、再び寝袋の中へ。
テントを撤収しチャルテンへ
すっかり太陽も登り気温もぐっと高くなった正午前に、テントを撤収しチャルテンへ向けて出発。ポインセノットキャンプ場からチャルテンまでのトレイルも潅木帯が続き、僕ら好みのトレイルだった。振り返ると青く輝くピエドラス・ブランカス氷河も見える。
無事に下山
カプリ湖という綺麗な湖を通り過ぎ、南極ブナの森を下っていく。やがてラス・プエルタス川が流れる広大な風景が広がる。さらにテンポよく下り坂を進んで、チャルテンの登山口まで下りた。レンタルしたテントとガスストーブを返却し、パン屋でエンパナーダを買って、バスでその日のうちにカラファテへ戻った。
ハイライトと改善点
<ハイライト>
-
不思議と美しいフィッツロイ
ギザギザの山の寄せ集めなのに、なぜだかインパクトのあるフィッツロイ・・・
凍えるように寒く、朝日で真っ赤に染まる姿を見ることはできなかったが、その姿には心奪われた!
<改善点>
-
特になし!
歩き終えて
二泊三日でセロトーレとフィッツロイを眺める周回トレッキング。晴天率が低いと言われているパタゴニアだけあって、どんよりとした雲が広がることが多く、お目当てのセロトーレ、フィッツロイもあまり完全な姿を見ることができなかった。
それでも潅木帯が広がるトレイルの雰囲気は楽しく、キャンプ場ののんびりとした雰囲気が僕ら好みの場所で、楽しく歩くことができた。
初日のトレッキングレポートはこちら
https://trailtravelers.net/patagonia-fizroy1/
二日目のトレッキングレポートはこちら
https://trailtravelers.net/patagonia-fizroy2/
ルート、準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊等のまとめ記事はこちら
https://trailtravelers.net/patagonia-fizroy-summary/
コメント