ペルー ワラス サンタクルス谷トレッキング まとめ

僕らの旅もいよいよ南米へ。はじめに訪れたのはペルーアンデスの核心部とも言えるブランカ山群サンタクルス谷。5000m級、6000m級の山々がひしめくアンデス山脈の天井のような場所。予想外のハプニングに見舞われながらも3泊4日のトレッキングを行い、アンデスの大自然を堪能した。

本記事では、ブランカ山群サンタクルス谷でのトレッキングのまとめとして、ルート、準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊などについてまとめました。

(2016年11月時点の情報です)

目次

ブランカ山群サンタクルス谷とは

ペルーアンデスにあるブランカ山群はワスカラン国立公園として世界遺産にも登録されている南米最大級の山塊。ブランカ=白いという名前の通り、氷河を抱いた山々が美しい。サンタクルス谷とヤンガヌコ谷をつなぐルートは、5,000m級、6,000m級の山々やエメラルドグリーンの氷河湖、アンデスの村々等を楽しめるトレッキングコース。僕らはここを3泊4日で歩きました。

5,000m峰、6,000m峰を間近に見ながらのトレッキングが楽しめます

トレッキングルート

ペルーの首都リマから北に400kmに位置するワラスHuarazは標高3,000mにある街で、ブランカ山群をトレッキングする際の拠点になります。ワラス周辺にはアンデスの山々を楽しめるトレッキングコースがたくさんあります。

ブランカ山群サンタクルス谷ルート

僕らが歩いたサンタクルス谷のコースは、3泊4日で歩ける人気のコースです。2泊3日で歩くこともできますが、体力がある人向けでしょう。シーズン中はワラス発着のトレッキングツアーが毎日開催されているようです。サンタクルス谷のカシャパンパとワリパンパ谷のバケリアがスタート/ゴールになります。カシャパンパをスタート地点とした3泊4日の行程は次の通りとなります。

  • スタート:カシャパンパ 標高2,900m
  • 一泊目: ヤマコラル(泊) 標高3,760m
  • 二泊目: タウジパンパ(泊) 標高4,250m
  • 最高地点: ウニオン峠 標高4,750m
  • 三泊目: パリア(泊) 標高3,800m
  • ゴール: バケリア 標高3,700m

カシャパンパ・バケリアどちらからも歩くことができますが、次のような違いがあります。

カシャパンパスタート

  • スタート地点は標高2,900mで徐々に高度を上げていき、3日目に標高4,750mのウニオン峠を越える行程となるため、高度順応の観点からはやや有利となる(ワラスの街は標高3,000m)。
  • ゴール後、バケリアからユンガイまでのコレクティーボが少ない(ユンガイでワラス行きのコレクティーボに乗り換え)。最終日は午前中のうちにバケリアに到着しておく必要がある。

バケリアスタート

  • スタート地点は標高3,700mで、2日目に標高4,750mのウニオン峠を越える行程となるため、高山病のリスクが相対的に高い。事前に高度順応しておく必要がある。
  • ゴール後、カシャパンパからカラスまでのコレクティーボが比較的多い(カラスでワラス行きのコレクティーボに乗り換え)。

トレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/peru-huaraz-santa-cruz1/

https://trailtravelers.net/peru-huaraz-santa-cruz2/

https://trailtravelers.net/peru-huaraz-santa-cruz3/

ラグーナ69ルート

ワラスからの日帰りトレッキングでは、ラグーナ69と呼ばれる美しい氷河湖までを歩くトレッキングが人気です。ワラスから混載ツアーが出ています。スタート地点のセボイヤパンパが標高3,900mほどあり、湖は標高4,600mほどにあるため、体力的に難易度が高いです。僕らは高山病の症状が出てしまい、湖があるところまで行くことができませんでした。

なお、ワラスから日帰りツアーの場合、帰りのツアーバスの時間が決まっており、のんびりと登っている余裕がないところが辛いところかもしれません。

ワラス周辺のその他のトレッキングルート

ワラス周辺には、日帰りから2週間程度まで様々なトレッキングルートがあるため、日程や体力に合わせて楽しむことができます。サンタクルス谷を歩く前には、高度順応のための日帰りトレッキングを入れておくことが理想です。

ワスカラン国立公園内にはたくさんの氷河湖があり、それぞれトレッキングや車でも訪れることができます

アクセスと準備

リマからワラスへの行き方

ワラスという街がトレッキングの拠点になります。リマからは長距離バスまたは飛行機でアクセスできます。

長距離バスは8時間程度で、会社や時期にもよりますが、昼発夜着と夜発早朝着の一日二便があります。 リマは標高の低い海沿い、ワラスは標高3,000mなので、バスは山道を走っていくことになります。僕らは宿代節約と車酔い軽減のために寝ていきたかったので夜発にしました。昼発だと景色が楽しめるようです。

運行会社はいくつかあり、値段によって車両や座席の質も異なるようです。長時間移動のため快適さを優先したのと、安いバスは安全や治安が心配だったので、バス会社は値段が高めのクルスデルスル社Cruz del Surを利用しました。この会社はVIP席と普通席がありますが、普通席でも十分快適でした。クーラーも効いており標高の高いところを走るので、バスの中はかなり寒かったです。

ペルーの長距離バスはバス会社ごとに乗り場が設置されており、バスターミナルはありません。特にリマは大きな街なので、違うバス会社の乗り場に間違えて行ってしまわないように注意しましょう。

飛行機は当然バスより料金は高くなりますが、所要時間は1時間半程度のようです。

ワラスからカシャパンパへの行き方

ワラスからコレクティーボと呼ばれる乗り合いバスでアクセスできます。カラスで乗り換えが必要です。僕らはラッキーなことに、トレッキングの手配を相談したガイドがワラスからカラスまで車で送ってくれました(1時間半程度)。カラスからカシャパンパまではコレクティーボで1時間半程度でした。人数が揃ったら出発する方式ですが、僕らは8時ごろに乗り場に行き、30分程度で発車しました。

ワラスからバケリアへの行き方

ワラスからコレクティーボでアクセスできます。ユンガイで乗り換えが必要です。僕らはバケリアからワラスまでの戻りでこのルートを移動しました。ラッキーなことに、ワラスからバケリアまでトレッキングツアー客を乗せてきた車に乗せてもらうことができたため、ワラスまで直通で帰ることができました。通常のコレクティーボはユンガイで乗り換えが必要です。

バケリア・ユンガイ間は美しい氷河湖チナンコチャ、ペルー最高峰ワラスカン等を眺められる絶景ルートですが、未舗装路で、標高4,700m級のヤンガヌコ峠付近はかなりのくねくね道です。僕らは砂埃と車酔いが大変でした。

バケリアからワラスまで乗車したツアー会社の車。コレクティーボもこのようなワゴン車です。

ワスカラン国立公園入場チケット

ブランカ山群があるワスカラン国立公園内に入山するためには国立公園入場料の支払いが必要です。1日券か21日券があります。カシャパンパやヤンガヌコ手前にある事務所で支払うか、ワラスの街で事前に買うことも可能。期間中は何度でも有効なので、複数のトレイルを歩く場合は大切に持っておきましょう。僕らはワラスの街で事前に購入しました。

ガイド、アリエロ、ドンキーなどの手配(必要に応じて)

トレッキングは、個人で歩くこともツアーに参加することもできます。どのスタイルでトレッキングするかを決め、必要に応じて手配します。

トレッキングツアーは、往復の送迎、食事やテントの用意、ドンキーによる荷物の運搬などが含まれます。旅行会社はワラスの街中にたくさんあり、現地で手配も可能です。ただし、安いサービスを提供する会社は何らかの問題(例、高度順応を考慮しない厳しい日程や、目配りができない人数での催行、等)がある可能性もあるとのことで、注意が必要です。

個人で歩く場合は、基本的にすべての荷物(食料、テント、寝袋、衣類等)を自ら背負って歩くことになりますが、ツアーでなく個人でもドンキー及びアリエロ(ドンキー使い)を雇うことが可能です。僕らはこのスタイルを取りました。こちらもワラスにある旅行会社に相談すると良いでしょう。

ツアー客の荷物を運ぶドンキー

気候と装備

ペルーアンデスの高所地域は、12月から3月までが雨季、4月から11月までが乾季となります。トレッキングには晴れて青空が美しい乾季がベストでしょう。僕らが歩いた11月は晴れた日は日中20度近くまで上がり暑く、夜は氷点下まで下がるほど寒くなりました。暖かい寝袋やダウン等の防寒対策が必要です。

ワラスの街に登山ショップがあるため、トレッキンングに必要な装備を購入したり、レンタルすることも可能です。

水は川から汲みます。家畜・野生動物も多いため、浄水は必須です。ワラスの街中でもタブレットや液体の薬剤を見かけましたが、小さなゴミが結構浮いているので、気になる人はフィルター方式で濾過するほうがいいでしょう。

僕らの海外トレッキング&世界一周の装備・持ち物のまとめ記事はこちら

https://trailtravelers.net/world-travel-item/

放し飼いの牛やドンキーがたくさんいるので、川の水は浄水しましょう

食事と宿泊

サンタクルス谷のトレイルは、山小屋も売店もありません。

必要な食糧はワラスで調達していきましょう。ワラスにはメルカド(市場)やスーパーがあります。なお、標高が高いので沸点が低く、調理に時間がかかります。茹で時間の短い細いパスタやインスタントラーメンがおすすめです。個人でドンキー及びアリエロを雇う場合は、アリエロの食事も用意する必要があります。

宿泊はテントです。トレイル上にはいくつかキャンプ場があります。といっても特に水道もトイレもなく、川のほとりに広場があるだけです。トレッキングで連れているドンキーや馬(特にツアーでは何頭も従えます)もキャンプ場で一晩過ごすため、広場はフンがたくさん落ちています。が、それはきっとそのうち慣れるでしょう。なお、人間のトイレも特になく、岩陰に隠れて済ませる方式です。トイレットペーパーと使用済みのそれを持ち帰るための袋を忘れずに。

キャンプ場と言っても広い場所があるだけです

主な費用

(参考) 1Sol(ソル)=約32円 ※2016年11月レート

  • ワスカラン国立公園入場料21日券 一人65ソル
  • カラスからカシャパンパまでの交通費 一人10ソル 
  • バケリアからワラスまでの交通費 一人25ソル

参考にした情報

ペルーの公式観光サイトのトレッキング紹介ページ

ペルー政府観光庁が運営するペルー公式観光ウェブサイトのトレッキング紹介ページ。ワラス周辺だけでなく、ペルー各地のトレイルが紹介されています。

Nature and Interpretation Peru

日本人の夫婦が経営するペルー・ワラス現地の旅行会社n&iペルーのサイトです。ワラス周辺の複数のトレッキングルートが紹介されています。ブランカ山群サンタクルス谷のルートの地図、高低差情報があり参考になりました。ツアーの手配もお願いできます。

まとめ

ブランカ山群サンタクルス谷でのトレッキングは、標高が高いこと、全てキャンプ泊となることから、比較的難易度が高いトレッキングと言えます。しかし、氷河を抱いた5,000m峰、6,000m峰やエメラルドグリーンの氷河湖をたくさん眺めながらトレッキングを楽しめる場所は、世界にはそれほど多くありません。

拠点となるワラスの町もインディヘナのおばちゃんたちがたくさんで良い雰囲気。ペルーでトレッキングというとマチュピチュ方面のインカトレイルも有名ですが、ブランカ山群サンタクルス谷でのトレッキングもぜひおすすめしたいです。

最後に、ブランカ山群サンタクルス谷に実際に行ってわかったことをまとめました。

https://trailtravelers.net/peru-huaraz-santa-cruz-tips/

サンタクルス谷のトレッキングのあとは、マチュピチュ観光とワイナピチュトレッキングを行いました。

https://trailtravelers.net/peru-huyna-picchu-summary/

サンタクルス谷でのトレッキングで気になることがあればコメント欄に!

ペルー・ブランカ山群サンタクルス谷でのトレッキングって実際どうなの?と気になることがあれば、コメント欄にメッセージいただければ、今回のトレッキングの実体験をもとに、わかる範囲でお答えします!

 

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

https://trailtravelers.net/worldtravel-route/

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • 300日間夫婦で世界一周をしながら世界各地の魅力的なトレイルを歩く旅 より:

    […] ペルー ワラス サンタクルス谷トレッキング まとめ […]

  • サンタクルスにトレッキングに行こうと考えています。質問なのですがストーブはガスストーブとソロストーブどっちを使いましたか?できればソロストーブで行きたいのですが、どうだったか教えていただけると幸いです。

    • Ryoheiさん、返信が遅くなりすみません。
      サンタクルスでは、ワラスの街でガソリンストーブをレンタルしました。
      標高が高いため、沸点が低くなり、調理の時間が通常よりも長くなるため、燃料は多く必要となります。
      ソロストーブでも不可能ではないと思いますが、少し苦労するかもしれません。
      よろしくお願いします。

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