マオリ族の聖地 ニュージーランド トンガリロノーザンサーキット(2)

ニュージーランド北島トンガリロ国立公園。トンガリロ、ナウルホエ、ルアペフという3つの活火山を擁し、溶岩流の塊、クレーター、エメラルドグリーンの湖など、現実離れした世界が広がる場所。ニュージーランドの先住民マオリ族の聖地でもある。この場所には、トンガリロノーザンサーキットと呼ばれるトレッキングコースがあり、僕らは三泊四日でトレッキングを行った。

二日目のトレッキングレポートです。

(トレッキング実施日:2017年1月17日)

目次

Day2 概要

  • スタート地点 マンガテポポハット
  • ゴール地点 オトゥレレハット
  • 8時20分出発 16時00分到着(休憩込み) 
  • 行動時間 5時間20分(休憩除く)
  • 距離 12.8km

いよいよ火山地帯に突入

今日のルートはトンガリロノーザンサーキットのハイライト。溶岩流が冷え固まってできた光景から始まって、マウント・ナウルホエのそばを横切り、レッドクレーター、エメラルドレイクスという絶景ポイントを訪れる。この区間だけを日帰りトレッキングで歩くトンガリロアルパインクロッシングというコースが人気で、ハイシーズンは毎日数百人規模の人々が歩くという。

歩き始めてすぐに溶岩流地帯となる。

岩が飛び出て見えるのは冷え固まった溶岩の塊

しばらくは綺麗に整備された木道が続く

どんどんマウント・ナウルホエに近づいていく。干上がった川のような不思議な景観だった

活火山ナウルホエのそばを横切る

やがて植物の姿もなくなって、あたり一面はゴツゴツした溶岩帯となり、次第にDevil’s Staircase(悪魔の階段)と呼ばれる登りに変わってゆく。

しばらく登ってから振り返ると、はるか遠くまで景色を見渡すことができた。今は静かなこの場所も、実は活動中の火山帯。最近では2012年にマウント・トンガリロが上空に大量の火山灰を巻き上げる噴火をしている。目の前に迫るマウント・ナウルホエも最後に噴火したのは1975年だが、それ以前はほぼ9年周期で噴火をしていたという。なお、マウント・ナウルホエは火口まで登ることができる。

少し休憩してから、サウスクレーターと呼ばれる広い平らな場所を直進していく。どこか別の惑星にきたような異世界。白い雲が浮かぶ青空だけが、ここが地球であることを感じさせてくれた。

登ってきた悪魔の階段と呼ばれる溶岩の道を振り返る

マウント・ナウルホエが目の前に迫る場所は、絶好の休憩ポイントとなっていた。ここからマウント・ナウルホエに登っていく人もいる

サウスクレーターを歩く。まるで地球では無い他の惑星のような景色

最高地点のレッドクレーターへ

岩場を登り、稜線に出ると風が強く、吹き飛ばされそうになる。今日は快晴で一見穏やかだが風は強い。この辺りは天候が崩れると強風が吹き付け、歩くのもままならない危険な箇所となるようだ。天気の状況はビジターセンターやハットで必ず確認してから歩くようにしたい。

今回のルートでもっとも標高が高い場所がレッドクレーターと呼ばれる火口の縁を歩く箇所。遠くの方では蒸気が吹き出し、硫黄の香りが漂ってくる。

またここからマウント・トンガリロの山頂まで往復1時間半ほどのサイドトリップルートがある。360度視界が開けた絶景ポイントらしく、マンガテポポハットのワーデンもオススメしていたが、ここに来るまでに思いの外、時間と体力を要したため、僕らはそのまま先に進んだ。

さらに登っていく。稜線に出るとものすごい強風だった

稜線まで登り向こう側の景色を眺める

最高地点レッドクレーターへ。崖の下に赤い色をした火口が広がる

ブルーレイクとエメラルドレイクス

レッドクレーターを過ぎると、遠くにブルーレイク、眼下にはエメラルドレイクスが見えてくる。その名の通りの鮮やかな色をした湖。クレーターに水がたまり、火山地帯のミネラル成分からこのような色となっているのだとか。

ザクザクと砂地のトレイルを下っていき湖に近づく。神秘的な雰囲気に憑りつかれるように、僕らは湖のほとりにしばらく佇んだ。

遠くにブルーレイクが見えてきた

トンガリロの代名詞とも言えるエメラルドレイクス

一番大きなエメラルドレイクの湖畔から

この湖はこの旅で一番美しいかもしれない

オトゥレレハットへ

トンガリロノーザンサーキットを歩く僕らは、ここからオトゥレレハット方面へ進む。トンガリロアルパインクロッシングを歩く日帰りハイカーとは別のルートを進むため、急に人が少なくなる。

ガレた岩場を下り、溶岩流が固まったトレイル、火山灰が堆積したような砂地のトレイルを進む。やがて遠くにマウント・ルアペフが見えるようになった。

16時頃、オトゥレレハットに到着。今日はキャンプではなくハット利用。晴れてはいるものの風が強く、気温も低い。屋内でゆっくりできるのが幸せだった。モカチーノを飲んで就寝。

エメラルドレイクスから一気に下っていく

異様な形で固まった溶岩がたくさん

右手の遠くにマウント・ルアペフが見えるようになる。明日はあの山に向かって歩いていく

溶岩と砂地のトレイルを進む

本日の目的地オトゥレレハット

 

<ハイライト>

  • エメラルドレイクスの神秘的な輝き
    レッドクレーターを越えて見えてきたのは、エメラルドグリーンに輝く大小3つの湖!
    荒涼とした火山地帯のため、鮮やかな色が際立ち、とても神秘的だった。
    青空に浮かぶ白い雲と、湖とのバランスも美しく、いつまでも眺めていたい風景だった!

<改善点>

  • もう少し早めに山小屋についてベッドを確保
    この日は山小屋泊。トンガリロノーザンサーキットは人気が高く、基本的に山小屋もキャンプ場も事前予約でいっぱい。予約が取れているためベッドの確保はできているが、どのベッドを使うかは早いもの勝ちだ。
    僕らが到着したのはほぼ最後で、残っていたのは、ダブル用の少し狭いスペース。もう少し早く到着していればもっと広い場所を確保できたかも!

 

初日のトレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-tongariro1/

三日目、四日目のトレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-tongariro3/

ルート、アクセス、気候や装備、食事と宿泊等のトレッキングまとめ記事と、トンガリロに実際に行ってわかったことをまとめた記事はこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-tongariro-summary/

https://trailtravelers.net/newzealand-tongariro-tips/

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

https://trailtravelers.net/worldtravel-route/

 

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