褐色の大地に緑鮮やかなオアシス モロッコ トドラ渓谷

morocco

南欧を旅した僕らは、ジブラルタル海峡を渡り、北アフリカのモロッコを訪れた。サハラ砂漠に、オアシス都市。迷宮のような旧市街に、イスラムの幾何学模様。ここはいつか行ってみたかった異国の一つだ。青い街シェフシャウエンやサハラ砂漠でのラクダトレッキングを楽しんだ後、東部のオアシス都市ティネリールへ移動。この近くのトドラ渓谷で日帰りトレッキングを楽しんだ。

(トレッキング実施日:2016年10月6日)

目次

概要

  • スタート地点 トドラ渓谷北側の道路脇の階段
  • ゴール地点 トドラ渓谷南側の集落
  • 9時50分出発 14時50分到着 
  • 行動時間 約5時間00分(休憩込み)
  • 距離 約7キロ

 強烈な異国感

ポルトガルを旅した後は、スペイン・アンダルシア地方を訪れ、そこからフェリーでジブラルタル海峡を渡り、北アフリカのモロッコに入った。迷宮のような旧市街には幾つものモスクがあって、礼拝の時間になるとたくさんの人が出入りしていく。埃っぽい空気を伝って遠くまでコーランが鳴り響く。カフェのオープンテラスにはたくさんのおじさんが座り、こちらに視線を向ける。今までとはまた違う雰囲気。僕らの旅もいよいよアフリカに突入したのだ。

青い街シェフシャウエンやサハラ砂漠でのラクダトレッキングを楽しんだ後、東部のオアシス都市ティネリールへ向かった。

夕暮れのタンジェ。フェリーでモロッコを訪れる場合、入り口となる街だ

夕暮れのタンジェ。スペインからフェリーでモロッコを訪れる場合、入り口となる街のひとつだ

シェフシャウエンは街全体が青い。山に沿って街が作られており迷路のように入り組んだ路地を楽しく歩き回った

シェフシャウエンは街全体が青い。山に沿って街が作られており迷路のように入り組んだ路地を楽しく歩き回った

サハラ砂漠ではラクダに乗ってのトレッキングも楽しんだ

サハラ砂漠ではラクダに乗ってのトレッキングも楽しんだ

急峻な渓谷

ティネリールの近くにはトドラ渓谷という褐色の岩でできた急峻な渓谷がある。

モロッコのトレッキングといえば、4000m級の山が連なるアトラス山脈、北アフリカ最高峰のツブカル山などがあるが、今回は旅行と組み合わせて気軽に楽しめる日帰りトレイルということで、北アフリカらしい乾燥地帯の美しい景色を楽しめるトドラ渓谷をトレッキングの舞台として選んだ。

乾燥した大地だが、渓谷沿いにだけ緑が広がるオアシスエリア。正面に見えるのがトドラ渓谷だ

乾燥した大地だが、渓谷沿いにだけ緑が広がるオアシスエリア。その奥に見えるのがトドラ渓谷だ

ゴツゴツとした岩肌、乾燥したトレイル

ここはロッククライミングでも有名。川を挟んで両側に急峻な崖がそびえ立つ。渓谷の中に入り少し進むと登山口だ。ゴツゴツした岩肌に乾燥した土地特有のトゲトゲした植物が点在するトレイルを登っていく。僕らに驚いたトカゲが鮮やかな青と緑の背中をくねらせながら岩陰に飛び込むように隠れる。1時間半ほどで開けた場所に到着。登ってきたトレイルを振り返ると、遠くまで伸びるトドラ渓谷の絶景が広がっていた!太陽の白い陽射しがむき出しの荒野をじりじりと照らす。時折吹き抜ける風が汗のにじむ額に心地良い。

トドラ渓谷の間を入っていく。登山口はこの深い渓谷の向こう側にある

トドラ渓谷の間を入っていく。登山口はこの深い渓谷の向こう側にある

深い渓谷を抜けると進行方向左側に階段があり、そこが登山口となる。写真は階段を越えた後、少し進んだ場所の風景

深い渓谷を抜けると進行方向左側に階段があり、そこが登山口となる。写真は階段を越えた後、少し進んだ場所の風景

1時間ほどでこれくらいの場所まで登ってこれる。振り返るとこのような力強い景色が広がる

1時間半ほど登って振り返ると、眼下に力強い景色が広がった

ノマドの家族と

ここから先しばらく進むと、何もない荒涼とした場所に洞窟を掘りテントを張って生活している人がいた。小さな三人の子供たちと年配の男性だ。トドラ渓谷をトレッキングするにあたり、僕らが泊まった宿の主人から「山の中にノマドの家族がいるよ。お茶をご馳走してくれるのでチップを忘れずに」とアドバイスをもらっていた。お茶を飲んで行くか?と聞かれたので頂くことに。甘いモロッコミントティーでしばし休憩。僕らは持って行ったお菓子を子供たちと食べた。写真を撮らせてもらい、チップを渡して出発。ノマドの生活に触れる貴重な体験となった。

何もない山の中にポツンとテントが見えてくる

何もない山の中にポツンとテントが見えてくる

パンとお茶をいただいた。モロッコといえば甘いミントティー

パンとお茶をいただいた。モロッコといえば甘いミントティー

三人の子供達に持っていたお菓子をあげる

持って行ったお菓子を一緒に食べた。手に付いたチョコレートを舐める三人の子供達

お礼にチップを渡して出発

お礼にチップを渡して出発

緑のオアシス都市を見下ろす

彼らの家の裏手を更に登ると見晴らしのいい場所に出た。先ほどの見渡した渓谷とは反対側の景色だ。青い空の下、褐色の大地に、川に沿って鮮やかな緑が延び、そこを囲むように広がる街!オアシス都市の美しい姿を僕らは見惚れるようにしばらく眺めた。

最後は気持ちのいい下り坂。ザクザクとトレランをしながら谷の下まで駆け下りた。

家の裏手の山の上までは子供達に道案内をしてもらった。軽快なステップで駆け上がる子供達

家の裏手の山の上までは子供達に道案内をしてもらった。軽快なステップで駆け上がる子供達

上まで上がると遠く広がるモロッコの大地を見渡すことができた

上まで上がると遠く広がるモロッコの大地を見渡すことができた

川沿いに広がるオアシスをめがけて下っていく

川沿いに広がるオアシスをめがけて下っていく

歩き終えて

砂漠地帯の山ということで、植物も少なく、もしかしたら変化の少ない退屈なトレイルかもしれないと思っていたが、全くそんなことは無かった。深い渓谷を下からも上からも眺めながらその変化を楽しむことができ、この山中で暮らす一家とも触れ合うことができる。そして、峠から見渡せる景色の広さと、渓谷沿いに広がる美しいオアシス。モロッコは食事も人もトレイルも、程よく刺激的で異国情緒たっぷりの場所だった。

途中で見かけた大きなトカゲ。土と植物の色にそっくりだ

途中で見かけた大きなトカゲ。鮮やかな青が目を引く

周りの山と建物の色が全く同じ。そこに緑色だけが鮮やかに広がる

周りの山と建物の色が同じ。そこに緑色だけが鮮やかに広がる

ハイライトと改善点

<ハイライト>

  • 登りきって振り返るトドラ渓谷の荒々しい景色
    1時間半ほど登り振り返ると、褐色の岩のトドラ渓谷が広がった!日差しが強くてしんどかったが、その疲れが一気に吹き飛んだ

  • ノマドの子供に連れられて登った丘の上から見渡すティネリールのオアシスの景色
    トドラ渓谷南側のティネリール方面は開けており、丘の上まで登ると遠くまで広がるモロッコの大地を眺めることができた。土色の都市に、緑のオアシス、広がる荒野・・・果てしなく続く北アフリカを感じた瞬間だった!

<改善点>

  • もう少し早立ちし、太陽が昇りきらないうちに渓谷の登りをクリアする
    登りはトドラ渓谷北側にあって、太陽が低い午前中の早い時間は比較的涼しく登りやすかったが、途中から太陽が照りつけ始め、暑さに苦労した。あと1時間早く出発していれば快適に上まで登れただろう

 

トドラ渓谷トレッキングのルート、アクセス、宿泊等のまとめ記事はこちら

https://trailtravelers.net/morocco-todra-summary/

世界のトレイルを巡る旅の概要はこちら

https://trailtravelers.net/worldtravel-route/

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