雲を突き抜ける山 ニュージーランド フッカーバレー・ミューラーハット トレッキング (3)

アオラキ/マウントクック国立公園。マオリ語で雲を突き抜ける山を意味するニュージーランド最高峰アオラキ/マウントクックが望める場所で、数時間から半日程度で歩けるウォーキングトラックがいくつか整備されている。僕らはここにキャンプを張り、人気のウォーキングトラックであるフッカーバレートラックや、本格的なアルパインルートであるミューラーハットルートを歩いた。

滞在三日目に歩いたミューラーハットルート(復路)のレポートです。

(トレッキング実施日:2017年1月4日)

目次

Day 3 概要

  • スタート地点 ミューラーハット
  • ゴール地点 ホワイトホースヒルキャンプ場
  • 13時55分出発 17時45分到着(休憩込み) 
  • 行動時間 3時間30分(休憩除く)
  • 距離 約2.5km

天気を伺いながらゆっくりと過ごす

ニュージーランドの主なハットにはワーデンと呼ばれる管理人が常駐している。ハットのメンテナンス、利用料の徴収、国立公園やハットの歴史などをハイカーに説明する等の役割を果たす。そして天気予報の更新も重要な役割の一つだ。朝方は粉雪が舞っていたが、午後に向けて天気は回復し、快晴となる予報だった。

今日は下山し再び麓のキャンプ場に泊まるのみ。ここから3時間半ほどで下りられるため、午前中は白い雲から時折顔を出すマウントクックを眺めながら、天気の回復を待ち、ハットの中でゆっくり過ごす。

ハム、チーズ、レタスを挟んだトルティーヤサンドのランチを済ませ、下山の準備をしていると、急に暗くなり始め、あっという間に吹雪となった。ここは初夏とは言え、薄っすら積もるほどの雪が降る山岳エリアなのだ。

どこからともなく雲が沸き上り流れていく

ワーデンによる天気予報のアップデート

出発しようとしたところ、急に雪が降り始め、あっという間に白くなった

雪山が放つ不思議な魅力

1時間ほどでようやく雪が止み、出発。今度は一瞬で青空が広がってきた。山の天気は気まぐれだ。

一面雪で覆われた山と対照するように空は青色を深くし、ミューラー氷河は太陽に照らされて眩しく輝く。そこから雪煙が上がり、氷河が崩壊していく。少し遅れてゴーンという低い音が響き渡る。

この旅最初に歩いたアンナプルナベースキャンプも降雪の後、青空の下山だった。あれから9ヶ月、ほぼ雪の無いトレイルを歩き続けて来たが、あの時のアンナプルナの感動を思い出すとともに、雪山が放つ不思議な魅力に取り憑かれてしまいそうな気がした。その美しさに何度もため息をついた。

雪が止んで一気に青空が広がった。他のハイカーたちもこのタイミングを逃さずに出発した

突き抜けるような青空と白い雪

太陽に照らされて青く輝くミューラー氷河

再び雪が舞い始める

しかし青空は束の間だった。再び雲が山々を覆い始め、雪が舞い始めた。下山を急いだ。再び雪が強くなると下山も危ない。

雪が残る岩場を越え、タソックが茂る急な下りを進む。セアリーターンズの展望地にたどり着く頃には時折日差しが差し込むようになる。

再び雪が舞い始める

ストックを使いながら慎重に降りていく

ミューラー湖に日差しが差し込むようになる

徐々に天気は回復しマウントクックの姿も

セアリーターンズまで降りるとあとは整備された階段トレイル。再び雪が舞う時間帯もあったが、やがて雲の向こうにはうっすらとマウントクックの姿を確認できるほどになった。

麓のキャンプ場に着く頃は、青空が広がり、アオラキ/マウントクックの勇姿をくっきりと望むことができた。

雲の向こうにうっすらとマウントクックが見え隠れするように

だいぶ青空が広がってきた

階段トレイルを下り切る。キャンプ場まであと少しだ

ホワイトホースヒルキャンプ場からのマウントクック

ハイライトと改善点

<ハイライト>

  • ミューラー湖の向こうに見えたマウントクック
    前日、ミューラーハットから何度も見たマウントクックだが、ミューラー湖越しに見えるマウントクックも美しかった!
    雪が舞う厳しいコンディションだったが、このルートを歩いてよかったと思えた瞬間だった!

<改善点>

  • 特になし!

 

初日に歩いたフッカーバレートラックのトレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-hooker-muller1/

二日目に歩いたミューラーハットルート(往路)のトレッキングレポートはこちら

https://trailtravelers.net/newzealand-hooker-muller2/

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

https://trailtravelers.net/worldtravel-route/

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