アンデスの分水嶺 ペルー ワラス サンタクルス谷トレッキング (1)

僕らの旅もいよいよ南米へ。はじめに訪れたのはペルーアンデスの核心部とも言えるブランカ山群サンタクルス谷。5000m級、6000m級の山々がひしめくアンデス山脈の天井のような場所。予想外のハプニングに見舞われながらも3泊4日のトレッキングを行い、アンデスの大自然を堪能した。

本記事ではトレッキング初日のレポートをお伝えします。

(トレッキング実施日:2016年11月19日)

スポンサーリンク

プロローグ

アクシデントその1

連泊のトレッキングは歩き始めるまでが重要だ。ルート設定、スタート・ゴール地点までのアクセスの確認・確保、必要装備の検討、持参食料の調達、場合によってはパーミットの取得など、やるべきことがたくさんある。ただでさえ準備すべきことが盛りだくさんなのに、今回はこの旅最大のアクシデントが続き、スタート地点にも立てない危機的状況に追い込まれていた。

一つ目はペルー・リマへのフライトで預け荷物のロスト。荷物が無ければトレッキングどころか、旅を続けることさえままならない。無事に翌日手元に届いたものの、トレッキングの拠点となる町ワラスへ向かう日程を1日ずらす必要が生じ、事前に手配していたバスチケットを変更するなど、ドタバタだった。

ペルーの首都リマ。預け荷物のロストから南米旅が始まった

アクシデントその2

そして二つ目が致命的だった。当初、4泊5日でラグーナ69とサンタクルス谷を連続で歩く予定だったのだが、トレッキング初日に重大なアクシデントが発生。キャンプサイトにテントをセッティングし、ラグーナ69までの往復トレッキング(高山病の症状が出たため途中で断念)をして戻ってきたところ、なんと牛にテントを押しつぶされていたのだ。ポールは折れ、フライシートは破けているその無惨な姿を見せられた僕らは、絶望を通り過ぎて、もう笑うしかなかった。

食料をテント内に残してトレッキングに出たのが原因。初歩的なミスだ。

この日は止む無く街へ戻る。帰りのバスに間に合ったのが不幸中の幸い。バスが無ければ氷点下近くまで下がる寒空の下、牛に囲まれての野宿となっていただろう。それはもう修行以外のなにものでもない。

ラグーナ69へのトレッキングルート。キャンプ地はここから少し手前で、同じように牛が放牧されていた

危機的状況からの復活

テントという基本アイテムを失い、後続の予定の都合上、ワラス滞在可能日数も残りわずかしかない僕ら。現実的には日帰りトレッキングくらいしかできない状況。

そんな危機的状況を乗り越え僕らがここサンタクルス・トレッキングのスタート地点に立てているのは奇跡に近い!!

僕らを救ってくれたのは、ワラス旅行会社n&iペルーの井上さん。主にプライベートのトレッキングツアーをアレンジしてくれるn&iペルーだが、困り果てた僕らの相談に、緊急事態として対応してくれたのだ。詳細は井上さんから紹介してもらったペルー政府公認ガイドと詰め、今回はテントのレンタルに加え、ドンキーとアリエロ(ドンキードライバー)を手配して3泊4日でサンタクルス谷をトレッキングすることにした!

最終日は歩き終えた後、そのまま夜行バスでリマへ戻り、翌朝のフライトでクスコへ移動する強行日程でもある。

ワラスの街で再度トレッキング準備。ワラスはインディヘナのおばちゃんたちでいっぱい

Day1概要 カシャパンパ〜ヤマコラル

  • スタート地点 カシャパンパ Cashapampa 2,900m
  • ゴール地点 ヤマコラル Llamacorral 3,760m
  • 10時15分出発 15時30分到着
  • 行動時間 4時間30分(休憩除く)
  • 距離 約11キロ

ドンキーに荷物を積載

スタート地点はワラスの北にあるカシャパンパCashapampa。バスを降りると、ドンキー使いであるアリエロが待っていてくれた。英語は通じずスペイン語のみ。

ほどなくしてドンキーが登場。正確には一頭のドンキーと一頭のポニーだった。僕らのザック2つと、4日分の食料を詰めた木箱、レンタルしたテントに、アリエロの荷物を積載し、歩き始めた。

今日はヤマコラルLlamacorralまでの約11キロの行程。サンタクルス谷の名前の通り、終始急峻な谷の中を徐々に標高を上げながら歩いていく。

歩き始めてすぐに、許可証のチェックポイントがあったが、雨季のためか誰もいない。僕らはワラスの街で購入済みのためそのまま素通り。

カシャパンパでアリエロとドンキーに合流

案内板の前で記念撮影

サボテン、アロエ、エアープランツ

氷河から流れ出た渓流沿いを登っていく。標高は3,000m前後。乾燥した高地が続き、周りにはサボテンやアロエ、木に着生する巨大なエアープランツなどが生える。谷を流れる川は水量があり、ゴウゴウと水の音が響き渡る。

いま歩いているのはアンデス山脈の西側。ここの水もいずれは太平洋に注ぐのだろう。ちなみに分水嶺を越えた東側はアマゾンや大西洋へと至る水系となる。今回のトレッキングでは、3日目に越える峠がその分水嶺になる。

しばらくは谷沿いのトレイル。サボテンを眺めながら登っていく

サボテンに咲くオレンジ色の花

ドンキーの隊列とすれ違う

のんびりとした光景

徐々に傾斜が緩やかになり、谷の幅も広がってくる。渓流沿いには、放牧されている牛やドンキーがいて、のんびりとした風景の眺めながら休憩をとった。歩き始めるまでのドタバタから解放されて、ようやくアンデス山脈を歩いている実感が湧いてきた瞬間だった。

やがて遠くにタウジラフTaullirajuが見えてくるようになる。太陽に照らされて真っ白な雪に覆われた山肌がキラキラと輝く。

冷たい水が流れる渓流沿いを進んでいく

のんびりとした雰囲気に癒される(牛には二日前にテントを破壊されたけど、この子じゃないので)

遠くに雪をかぶった山タウジラフが見えてくる

三人で晩御飯

渓流や、牛とドンキー、周りの植生を楽しみながら歩き続け、今日のキャンプサイト、ヤマコラルに到着。標高は3760mとほぼ富士山と同じだ。

景色は良い場所だが、噂に聞いていた通り、辺りにはドンキーの糞が沢山ころがっている。アリエロと僕らのドンキーは先に到着し、糞の少ない快適な場所にテントを設営してくれていた!

ご飯を準備するのは僕らの役割。アリエロの分まで作るのが雇い主である僕らの仕事なのだ。いつもは僕ら二人で気ままに過ごしているが、今回はご飯だけは気を抜けない。

ここは標高が高く沸点が低い。茹で上がりやすい極細のパスタを使うも、くっついてしまい、見た目は30点。それでも野菜と大豆肉をたっぷり入れたトマトソースパスタは美味しかったらしく、好評だった。

初日のキャンプ地ヤマコラル。標高はすでに3760mもある

ツアーで訪れている10人ほどのハイカー集団も

Day0〜1のハイライトと改善点

<ハイライト>

  • アンデスを感じたサンタクルスの谷歩き
    氷河から流れ出た冷たい川、サボテンやエアープランツに囲まれたトレイル、のんびりと草をほうばる牛やドンキーたちに、いよいよアンデス山脈を歩くのだという実感が湧いてきた瞬間!

<改善点>

  • (当たり前だけど)トレッキングに出かける際は、テントに食料を置いたままにしない
    テントに食料を置いてレッキングに出かけたため、牛にテントを破壊されてしまった・・・
    どんな国のどんなトレイルでも動物はいるもの。トレッキングに出る際は、テントに食料を置いていってはならない!
    南米では盗難にも注意が必要で、見張り役を雇うこともあるとのこと。

サンタクルス谷トレッキングの二日目のレポートはこちら

アンデスの分水嶺 ペルー ワラス サンタクルス谷トレッキング (2)
ペルーアンデスの核心部とも言えるブランカ山群サンタクルス谷。5000m級、6000m級の山々がひしめくアンデス山脈の天井のような場所で行った3泊4日トレッキングの二日目のレポートです。

サンタクルス谷トレッキングの三日目、四日目のレポートはこちら

アンデスの分水嶺 ペルー ワラス サンタクルス谷トレッキング (3)
ペルーアンデスの核心部とも言えるブランカ山群サンタクルス谷。5000m級、6000m級の山々がひしめくアンデス山脈の天井のような場所で行った3泊4日トレッキングの三日目、四日目のレポートです。

ルート、準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊等のまとめ記事はこちら

ペルー ワラス サンタクルス谷トレッキング まとめ
ペルーアンデスの核心部とも言えるブランカ山群サンタクルス谷。5000m級、6000m級の山々がひしめくアンデス山脈の天井のような場所で行った3泊4日トレッキングのまとめ記事です。ルート、準備とアクセス、気候と装備、食事と宿泊等についてまとめています。

世界のトレイルを巡る旅の全体概要はこちら

世界のトレイルを巡る旅 ルートまとめ
2016年4月13日から300日間、僕らは夫婦で世界のトレイルを巡る旅に出発しました。本記事では、僕らが訪れた世界のトレイルと旅全体のルートをまとめています。
スポンサーリンク

シェアする