スロベニアはユリアンアルプスにあるトリグラウ国立公園。ここにはセブンレイクと呼ばれる7つの美しい氷河湖や、スロベニア最高峰のトリグラウがあり、穏やかな牧草地から、いくつもの紺碧の湖、荒涼とした石灰岩のトレイルまで様々な表情を楽しむことができる。今回はトリグラウ国立公園の中を2泊3日でトレッキングを行った。
本記事では、実際に行って分かった、スロベニア・トリグラウ国立公園・トレッキング&旅行のTipsをお伝えします。
(2016年7月時点の情報です)
目次
その1:ピャーッという鳴き声が聞こえたら山の上を見よう
トリグラウのトレッキングでは、美しい景色とともに、運が良ければ動物も見ることができます。アイベックスは山に住むヤギの仲間で、大きく後ろに曲がった雄の角が特徴です。僕らはセブンレイクを越えて荒涼とした岩場が広がるあたりで彼らに出会うことができました。
ピャーッという、誰かが口笛で僕らを呼んでいるのかなと思うような音が静かな山に響き渡り、辺りを見回すと、岩山の上にかっこよく立つアイベックスが!反対側の岩山にも何匹かいて、そちらと何かコミュニケーションを取っているようでもありました。その後も何度か鳴き声が聞こえた後山を見渡すとアイベックスが何匹か歩いているのを見かけました。
写真に収めるにはズームが必要ですが、ぜひピャーッという音が聞こえたら、山の上の方の斜面を見渡してみてください。
その2:快適山小屋を楽しもう
トリグラウ国立公園には山小屋が数多く整備されています。標高が比較的低めの山小屋は、山の中ですが水道が整備されているようで、水洗トイレやホットシャワーなど、水周りの設備が充実しています。特に二泊目に利用したVodnikov Dom Na Velem Polju小屋は、最近リフォームされたようで、トイレは水洗、洗面所には手洗い石鹸と手を拭く紙が備え付けられ、蛇口をひねればお湯も出ました。別料金ですが綺麗なシャワーブースもありました。
小屋の中(食堂は除く)はブーツは禁止で、入り口付近の靴置き場に脱いで並べます。多くの人は持参したサンダルやスリッパなどに履き替えていました。靴下のままでもいいですが、汚れるのと陽が落ちると足下が寒くなるので、履くものを持って行ったほうがいいでしょう。
また、布団はありますが自分の寝袋を使うこともできます。チェックイン時にシーツが必要かを聞かれるので、自分の寝袋を持っていればそれを布団の上に広げて利用、なければ不織布でできた使い捨ての簡易シーツをもらいます。
トリグラウ国立公園にはトリグラウの頂上アタック以外にも様々なトレイルがあり、山小屋も点在しています。山小屋泊で泊まりがけのトレッキングがおすすめです。
その3:スロベニアのローカル料理を楽しもう
山小屋ではボロネーゼやピザなどに加えて、スロベニアのローカル料理も楽しむことができます。
Jota(ヨータ)という厚切りベーコンやソーセージをザワークラウト(キャベツの塩漬け、スロベニア語ではKisloŽelje)やジャガイモと一緒にスープにしたものや、Ričat(リチャット)という厚切りベーコンやソーセージを麦や野菜と一緒にスープにしたものなどが、この辺りの山小屋ごはんの定番のようです。スープですが具沢山で大きなベーコンやソーセージのかたまりがころんと入っているので、食べ応えがあります。またパンも付きます。Klobasa(クロバサ)という大きなソーセージをそのまま、付け合わせにたくさんのザワークラウトとマスタードで食べるものもあります。
デザートでは、Štruklji(シュトゥルクリ)というパイのようなお菓子や、Palačinke(パンケーキ)というクレープにジャムやチョコレートソースを塗って巻いたものなどがありました。
なお、ザワークラウトは付け合わせでもスープの具でも、かなりの量が出てきます。店・山小屋によっては、かなり塩っぱいこともあるので、飲み水の確保には注意しましょう。僕らは暑い昼に塩っぱいザワークラウトをたくさん食べた結果、飲み水をかなり消費してしまい、その後の歩き中はやや水不足でした。なお、水は多くの山小屋で補給可能です。
その4:トレッキング後はご褒美スイーツにクリームを堪能しよう
トリグラウ国立公園のトレッキングの拠点となるブレッドは、スロベニアの観光名所のひとつです。ブレッドの名物はいろいろありますが、僕らが楽しみにしていたのはクリームケーキ。生クリームとカスタードクリームをパイ生地でサンドしたもので、フワフワのプリンのような感じです。
ブレッド湖畔のHotel Parkが老舗なのだそうですが、街には他にもいくつかお店があります。僕らは地元の人にも人気と聞いた「Slaščičarna Šmon」のクリームケーキをトレッキング後のご褒美に楽しみました。崩れてしまうのでやや食べにくいですが、甘すぎず重すぎず美味しかったです。店内のカフェスペースで食べることもできますし、1つからテイクアウトも出来ました(ひとつ2.9ユーロ)。
ちなみに、スロベニアの隣国クロアチアのザグレブにも、「VINCEK」という、美味しいクリームケーキ(クレムシュニテ)が食べられるお店があります。こちらの方は上が薄いチョコレートになっています。しかもブレッドのより安い!(ひとつ9クーナ≒140円弱)ザグレブもセットで旅行する場合は食べ比べてみてください。
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トリグラウ国立公園でのトレッキングって実際どうなの?と気になることがあれば、コメント欄にメッセージいただければ、今回のトレッキングの実体験をもとに、わかる範囲でお答えします!
コメント
コメント一覧 (6件)
はじめてコメントします
今年3月に東欧諸国を周遊しようと思っていて、トリグラウ是非訪れたいと思っているのですが
七月でも雪渓があるということですし
3月にトレッキングするのは流石に厳しいでしょうか?
ハルさん、コメントありがとうございます。
3月はまだ雪が多く、冬山登山になると思います。
以下はリャブリャナの月別平均気温推移ですが、東京より寒いです。
トリグラウは山岳エリアなので、もっと寒いと思います。軽井沢みたいなイメージではないでしょうか。
https://www.arukikata.co.jp/weather/SI/
よろしくお願いします。
こんにちは!
とても貴重な記事で何度も読ませていただきました!
来週8/17にオーストリアからリュブリャナへ行き、トリグラウを目指します。ヘルメットは向こうでレンタルは可能でしょうか。それと、山小屋はブレッド又はボーヒンで予約をして行くつもりですが、何か注意点やアドバイスがあれば教えてください(^^)
記事を見ていただきありがとうございます!
僕らはトリグラウの山頂へは登っておらず、そのためヘルメットも利用していません。どこかでレンタルしていたかという情報も持っておりません。
ブレッドに観光案内所があるのでそこに問い合わせてみてはいかがでしょうか。お力になれずすみません。
山小屋は綺麗でとても快適でした。シーツまたは寝袋が必要だったと思うのでお忘れなく。
素敵なところでしたので楽しんできてくださいね!
とても貴重な記事を拝見しました。
今年8月にトリグラウ山に行くのですが、小屋(dom valentina stanica)の予約方法がわかりません。
該当サイトを見ても電話番号やアドレスも記載されていませんでした。
どのようにトリグラウ山の小屋の予約はされていたのでしょうか?
パリジャンさま、返信遅くなりすみません。
トリグラウに行かれるのですね。当時は、山小屋の予約はしないで直接行きました。
ただ、コロナ以降で予約要否の運用が変わっているかもしれません。
心配であれば、ブレッドの街にインフォメーションセンターがあるので、そこで確認されてから登り始めると良いのではないでしょうか。
楽しんできてくださいね!