
僕らがおすすめしたいと感じたモンゴル家族旅行での体験をまとめました。トレッキング、遊牧民の暮らし、野生動物、伝統芸能という、モンゴルらしさを感じられる4つのトピックに、番外編としてグルメも加えて紹介します。
この記事でわかること
- モンゴルオルレを歩く魅力
- 遊牧民ゲルホームステイのリアルな体験談
- ホスタイ国立公園で野生馬タヒに会うコツ
- モンゴルの伝統歌唱「ホーミー」を聴ける場所
- (番外編)モンゴルグルメのおすすめ
①モンゴルオルレを歩く
済州オルレの姉妹路として現地に整備されている「モンゴルオルレ」。テレルジ国立公園内の第2コース(チンギス山コース、全長11km)を、専門ガイドとともに家族で歩きました。
草原に漂う香り、歩くたびに表情を変える景色と馬、羊、ヤギ、ヤクなどの放牧された動物、山頂での伝統儀式など、見どころの多い一日で、モンゴル旅行のハイライトのひとつになりました。
コースの詳しい歩き方は「チンギス山の麓を歩く花と香りの道 モンゴル・オルレ・トレッキング」、アクセスや装備など実用情報は「モンゴルオルレ第2コース「チンギス山コース」アクセス・難易度・装備・費用まとめ」で詳しく紹介しています。


②遊牧民ゲルのホームステイ
遊牧民のゲルにホームステイをすると聞いたとき、正直「生活に馴染めるだろうか」「大変ではないか」という心配がありました。しかし実際に訪れてみると、受け入れ先のご家族はかなり頻繁に旅行者を受け入れているようで、僕らの滞在もとてもスムーズでした。滞在した2泊3日の間にも、宿泊を伴わない短時間訪問も含めて複数の訪問者がありました。
訪問先のご家族構成は、夫婦と子供2人兄妹、お母さんのお兄さんも同居という賑やかな家族でした。それに馬、牛、羊、ヤギがたくさん。春に子どもが産まれたばかりなので、羊とヤギはあわせて今は千頭ぐらいかな、とのこと。体験させてもらった活動は、民族衣装の試着、乗馬(2回、それぞれ違う方向へ散歩)、餃子作り(皮を伸ばす、皮に羊肉のあんを包む作業)、牛の乳搾りの見学、ウルム(牛乳を煮立たせて取り出した脂肪分)やヨーグルト作りなど、多岐にわたります。運良く羊の屠殺・解体のタイミングにも立ち会うことができました。これは毎日行われているものではないそうで、貴重な体験になりました。
余談ですが、遊牧民のご家庭に宿泊していたこの日は、新月かつペルセウス座流星群の極大日と重なっていました。月明かりのない満天の星空のもと、何度も流れ星を見ることができ、忘れられない夜になりました。
宿泊したゲルはベッド4台で、僕ら家族だけで使わせてもらえました。シャワーはなく、トイレはぼっとん式の小屋を利用します(小の場合は青空トイレです)。遊牧民家庭の皆さんはモンゴル語のみですが、同行してくれたガイドさんも一緒に滞在してくれたので、通訳をお願いでき、特に不便は感じませんでした。ちなみに、子供たちは言葉なんて関係無いようで、遊牧民家庭の末っ子の女の子と、うちの長女・次女は言葉が通じなくてもすっかり仲良くなって遊んでいました。
ホームステイはシャワーがない、トイレが屋外にあるといった点が気になる方もいると思いますが、ツーリストキャンプでは味わえない体験ができるので、数時間の訪問滞在ではなく、宿泊を伴う形でおすすめしたい体験です。朝から晩までどのように1日を過ごしているのかを一緒に体験できることは、不便なことや大変なことも含めて、スポットで観光地を訪れるのとはまったく異なる体験だからです。生きることの厳しさ、命をいただくことの尊さは、そばで時間を共にしなければ感じられないものだと思います。受け入れ先は旅行者慣れしていることが多いと思われ、通常はガイドさんも一緒に宿泊してくれるので、過度に心配する必要はないと思います。僕らは2連泊しましたが、一通りの体験は1泊でもできそうなので、日程に余裕がなければ1泊でも十分かもしれません。
💡 ホームステイ先にはお土産(日本酒・お菓子・化粧用パックなど)を持参し、とても喜ばれました。ただ、頻繁に日本人旅行者を受け入れているご家庭だと、折り紙や小分けのお菓子はすでにたくさん持っている場合もあります。気持ちは伝わりますが、渡すものは少し工夫してもよさそうです。
💡 特に、モンゴルでは日本のようなゴミの分別収集や焼却、リサイクルなどの仕組みや意識がまだ十分に浸透していないそうです。車での移動中も、ポイ捨てされたゴミが散乱する光景を目にすることがありました。オルレを歩く際などは、自分達のゴミだけでなく、できる範囲で落ちているゴミも拾って日本まで持ち帰りましたが、郊外の遊牧民の生活する場ではなおのこと「必要以上にゴミを出さない」という意識を持ちたいと感じました。菓子箱や紙ゴミなど燃えるものは、台所のストーブで煮炊きする際に一緒に燃やしているようですが、お土産を持っていく際も、過剰な個包装を避けるなど、プラスチックゴミを増やさない工夫を心がけたいと感じました。









③ホスタイで野生の馬「タヒ」に会う
ホスタイ国立公園は、ウランバートルから南西へ約100km、5万ヘクタール以上の広さを持つ自然保護区です。半分以上がモンゴルらしい山岳ステップ地形で、タヒ以外にもアカシカ、アルガリ(野生羊)、シベリアマーモットなど多様な野生動物が生息しています。もともとは1992年にオランダなどの動物園から野生馬タヒが初めて放たれた場所で、翌1993年に保護区として設立され、1998年に国立公園へ格上げされました。1960年代に一度は野生下で絶滅したタヒが、ここで再び群れをなして暮らす姿を見られる、世界的にも珍しい野生動物再導入の成功例として知られています。
ホスタイ国立公園で野生馬タヒに会うには、時間帯の選び方が重要です。タヒは涼しい時間帯に川へ水を飲みに来る習性があるようで、早朝か夕方が狙い目です。僕らは夕方にホスタイのツーリストキャンプを出発しました。途中、国立公園の入り口でビデオ説明を見てから、さらに奥に進み、観察ポイントに着いたのは19時前後でした。この時期のモンゴルは日没が20時過ぎと遅く、19時台でもまだ十分に明るい時間帯でした。
山の上のほうに数頭のタヒがいるとの情報を得て、肉眼で探したもののどこにいるか全くわからず、望遠鏡越しにようやく確認することができました。それだけでも満足でしたが、日が傾くにつれてタヒが山筋を少しずつ降りてきて、しばらくすると川の近くまで接近。僕らとタヒの距離はわずか数メートルにまでなりました。案内してくれたガイドさんも「ここまで近くで見るのは初めて」と驚くほどの、貴重な体験になりました。
この早朝や夕方にタヒを見るためには、ホスタイエリアに宿泊することが前提になります。ウランバートルからの日帰りや、帰路に立ち寄るプランだと、どうしても日中の暑い時間帯の訪問になってしまい、タヒを間近で見られるチャンスは限られてしまいます。タヒとの出会いを重視するなら、ホスタイのツーリストキャンプに宿泊し、夕方(日暮れ)か早朝に訪れることをおすすめします。
観察には、現地のホスタイ国立公園のガイドさんが手持ちの双眼鏡や固定式の望遠鏡を貸してくれました。子供たちも望遠鏡を覗き込んで、一生懸命タヒを探していました。この日はタヒ以外にも、マーモットを多数、シカも数頭見ることができました。
「会えるかどうかわからない」野生動物を探すという体験は、実際に出会えた時の感動がとても大きいです。ぜひ、ホスタイ国立公園で野生の馬「タヒ」を探しに行ってください。




④モンゴルの伝統歌唱「ホーミー」を聴く
ウランバートル市内のいくつかの場所で、モンゴル民族舞踊の鑑賞ができます。伝統舞踊から馬頭琴やホーミーといったモンゴルならではの音楽演奏を楽しむことができます。特におすすめしたいのがホーミーを聴くこと。ホーミーとは、1人の歌手が低音の持続音と甲高い高音の2つの音を同時に響かせる、モンゴルに伝わる伝統的な喉歌(倍音唱法)で、他では聴くことができない体験になりました。
民族舞踊を検索すると、トゥメンエヘ(市内中心部)やフンシアター(中心部から車移動が必須)といった劇場の情報がよく出てきますが、僕らは市内中心部のボグドハーン宮殿博物館の南側にあるカシミア工場直売店「EVSEGカシミアファクトリーストア」内のシアターで鑑賞しました。もともと予定していなかったのですが、ツアーのガイドさんに相談して、急遽組み込んでもらいました。他の劇場が17時や18時開演であるのに対し、ここは14時開演で、この時間帯が、ちょうど最終日(帰国前日)のスケジュールにぴったりはまり、無事に鑑賞することができました。
事前の予約は不要で、当日、カシミアファクトリーストアのレジでチケットを購入しました。



番外編|モンゴルグルメ体験
モンゴル料理は羊肉料理が中心で、特有の匂いも少なく、どれも美味しくいただけました。特に印象に残ったのは、羊肉の焼きうどん「ツォイワン」と、羊肉スープの汁うどん「ゴリルタイシュル」です。蒸し餃子の「ボーズ」、揚げ餃子の「ホーショール」も定番として何度か食べましたが、いずれも美味しかったです。牛肉料理もいくつか試しましたが、こちらは総じて肉が硬めで、味自体はまずまずでした。
モンゴルの食事に欠かせなかったのが、塩味の効いたミルクティーです。食事のたびに何度もいただきました。モンゴル料理というと肉料理のイメージが強いですが、ツーリストキャンプの食事では、トマトやきゅうりなどの生野菜サラダも一緒に出てくることが多く、栄養バランスの面でも助かりました。



まとめ
モンゴルオルレのトレッキング、遊牧民の暮らし、野生動物との距離の近さ、伝統芸能と、モンゴルの現地体験はどれも日本では得がたいものばかりでした。特に、遊牧民ゲルへのホームステイは、生きることの厳しさや命をいただくことの尊さを感じられる貴重な体験となりました。




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