ネパール・アンナプルナで10日間のロングトレッキングを終えた僕らは、インド・ラダック地方に向かった。ここはほとんどの場所が3,000m以上という高地。ネパールから繋がる同じヒマラヤ山脈であるが、ラダックはネパール・ヒマラヤとはまた違った乾燥した異世界トレッキングが楽しめる。今回はチベット仏教のゴンパ巡り、4,300mにある青く透明なパンゴン・ツォなどのラダック観光と組み合わせて気軽に楽しめるワンデー・トレッキングを行った。
本記事では、ワンデー・トレッキングのレポートをお伝えします。
(トレッキング実施日 2016年5月6日)
目次
レーの街から少し上がった場所がスタート地点
今回はラダックの日帰りのトレッキングコースのうち、日帰りでも充分満足感が得られる歩き応えがあること、歩いている人が少なくラダックの大自然と一体感が得られること、ラダック観光の拠点であるレーの街から移動時間が短いことなどから、レーから山を一つ越え、隣のピヤンへ抜けるコースを選択した。
今回はガイド・ドライバーを手配してのトレッキング。朝7時半、宿泊先に迎えがきて、出発。
(ヒドゥン・ヒマラヤという日本人が経営する旅行会社に手配をお願いしました)
レーの街から移動時間は10分程度。前日までのラダック観光で一日中、車に揺られることに少々堪えていた僕らにとって、直ぐに歩き始められるということは、何よりの幸せだった!
歩き始めるにあたり、ガイドから、ロング(6時間程度)が良いかショート(4時間程度)が良いかの質問があった。少し迷いはしたが、できるだけたくさんのラダックの山を楽しむため、ロングを選択。
しばらくはのどかな牧草地を歩く。傾斜もゆるいため、そこが富士山の標高を超える3,800mの高地であることを忘れるくらいだった。
荒々しく雄大な山と山の間を進む
高い標高と極端に乾燥した気候から、周りの山肌には大きな樹木はなく、乾きに強そうな植物のみが点在している。スッキリと晴れた青空と、赤とグレーを混ぜ合わせたような山肌の色のコントラストが、ラダックらしい景観をおりなしていた。
荒涼としたその姿は、富士山の側火山である宝永山に似た雰囲気で、スターウォーズに出てきそうな景色でもある。
しばらく進むと、小さなテントと、そこで生活する男性がいた。この辺りでトレッキング用の馬を飼っている民族とのこと。しばらく登るとたくさんの馬たちが放牧されていた。本格的なトレッキングシーズンはこれからなのだろう。
キツい傾斜を乗り越えれば最高到達点
山と山の間を一歩一歩進んでいく。時には残っている雪渓を踏みしめながら。
徐々に傾斜もキツくなり、数歩進むだけで立ち止まらなければ、前に進めないほど、息苦しくなっていた。気がつけば標高は4,300mを超えていた。アンナプルナ・ベース・キャンプをゆうに超える標高だ。
途中ティーブレイクを挟み、登り始めてから6時間ほどかかり、本日の最高到達点に到着!
高度計は4,900mを超えていた。
見渡す限り4〜5,000m級の山々が連なっている。もう少しだけ高いポイントまで登れば、遠くにはレーと、その先の村まで見渡すことができる。
雪に覆われ、鋭く切り立った神々しい高峰に囲まれたアンナプルナ・ベース・キャンプとはまた異なる雄大な景色が広がっていた。
少し遅くなったが、ここでランチ。ガイドさんが持ってきてくれたランチボックスをいただく。トマトチーズサンドとツナサンド。山の上で食べるご飯はいつだって美味しい。
正面にストク・カンリを眺めながら下山
今回はワンデー・トレック。ここから下山だ。
山と山の間、川沿いに沿って、ガレた山肌を進んでいくところは、登りと同じだが、一つだけ大きく異なることがあった。
正面、遠くに、この辺りの最高峰ストク・カンリが綺麗に見えるのだ。
ストク・カンリはレーの街からも見ることができるが、手前の山が大きく見えるせいか、そこまで、力強さを感じない。しかし、この4,000m後半の高さから、正面にその姿を見ると、明らかに一つ抜けた6,000m級の高峰であることがはっきりとわかり、力強い山容を望むことができる。
下りは早い。登り返しは全くないため、ドンドン降りて行ける。
途中、沢を渡るポイントがあったりするが、難しい箇所はない。
遠くのほうにピヤンの集落が見え始め、農業用の用水路が出てきたら、ゴールはすぐだった。
下りは2時間ほど。当初予定よりゴールが遅くなったため、ピヤンの村よりも少し上のところまで、車が迎えに来てくれていた。
歩き終えて
ラダックらしい景観を眺めながら、たっぷり自分の足で歩くことができ、歩き始めから終わりまで、満足感で満たされていた。
僕らは車で移動してたくさんの場所を観光するよりも、一歩一歩、自分の足で歩くことが好きなんだなということを確認できたトレッキングだった。
今回は日程や体調面の都合上、日帰りのトレッキングとしたが、時間が許せば、是非宿泊を伴うラダック・トレッキングにチャレンジしてみたいと思う。宿泊は、ルート上にある民家にホームステイをするか、テント泊となる。より深くラダックの文化や自然に触れる機会が得られるだろう。
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